働く女性のお悩み相談。今週は戸田美紀さん(仮名・メーカー勤務・34歳)からの質問です。

「コロナ禍で派遣社員さんの増加もなく、一人当たりの業務がどんどん増えています。年齢的に“できない”と言える雰囲気もなく、毎日焦りながら仕事をしているような状況です。私だけでなく、みんなが忙しいのも理解しているのですが、気持ちが爆発しそうです。どうしたらいいでしょうか」

厳しい生活を余儀なくされている人が増えているというニュースが日々流れる中、「仕事があるだけありがたいと思え」という風潮もあり、本音が言えずに我慢を強いられている人も少なくありません。「仕事は大変なのが当たり前」という状況を上手に打破する方法はないのでしょうか。鈴木真理子さんに伺ってみましょう。

毎日テンパってしまう…。

時間がかかっている業務を洗い出そう

張り詰めた気持ちを抱えながら日々頑張っているのですね。ストレスがマックスな状態が想像できますし、お気持ち察します。忙しければ忙しいほど、思考を巡らす余裕がもてないものですが、このままでは、遠くない将来にパンクしてしまうのでは、と心配です。

まずは、時間がかかっている業務、ストレスに感じている業務を洗い出しましょう。そして、次にその原因を書き出していきます。そこから改善法をさぐっていきましょう。

例えば、完了報告など、定期的に、似た内容のメールを送る場合。単調な業務も量が多ければ時間がかかりますし、必要性を理解していてもやりがいが感じにくかったり、打ち間違いで起こるやり直しや、ちょっとしたミスに自己嫌悪をおこしがちです。それが積み重なると、大きなストレスにもなってしまいますよね。

こういったケースでは、フォーマットや定型文を用意しておくと、ミスだけでなく、ストレスも少なくなるはずです。

文書を封筒で郵送する場合には、宛名を書く部分がフィルムになっている穴あき封筒を使えば、送り状と封筒の照合の必要がなくなり、ミスが減ります。

前任者のやり方を変えるのは失礼だからとか、慣例になっているから、とか、自分が改善を提案するのは差し出がましいから、などといった理由から遠慮があるような気がします。実は、そういう思いを抱えて、自分だけを苦しめてしまっている方は多いのです。

面倒だなぁと感じていることや、たった1分でもいいので時短になるかもしれないこと、工程を省くなどして効率化できることがあって、それを改善することは、決して悪いことではありません。ご自身のためだけでなく、チーム、ひいては会社のためにもなると思って積極的になってみてください。

上司への相談・提案は「お尋ね」式で

ひとり考えては息詰まるかもしれません。そういうときには、同じ事務担当の方とか後輩と相談するのもいいでしょう。とにかく今すぐプチ改善を始めることです。そんなこと、忙しくてできない…と及び腰にならないでください。改善しない限り、忙しさは続くのです。

コロナ禍で、新しい働き方が定着しました。例えば、在宅勤務など、これまで無理だと思っていたことが各社で実現できたのです。できっこないと諦めず、ぜひプラス発想で仕事をラクにすることを目指しましょう。

会議が長いなら制限時間を決める。実際に集まらないでWEB会議を導入する。その場で考えずにアイデアを持ち寄る、資料を作るなら1枚で箇条書きにするなど、やり方はいくらでもあります。

そして、上司に提案するときには、これまでのやり方を批判したり不満を口にするのではなく、問題点と提案だけをセットにするのがポイントです。「〇〇について、時間短縮する方法を思いつきました。どう思われますか? アドバイスをいただけますでしょうか」と、「お尋ね」というスタンスにすると、受け入れてもらいやすくなりますよ。

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■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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