高梨沙羅を含め、5人もの失格者が出た混合団体にジャンプ大国・ドイツが指摘【写真:Getty Images】

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日本の高梨ら計4か国5人がスーツ規定違反で失格

 北京五輪は7日、新種目のノルディックスキージャンプ混合団体(出場10チーム)が行われ、日本の高梨沙羅(クラレ)を含め、計4か国5人がスーツ規定違反で失格。大波乱の展開となった。その一つとなったのがジャンプ大国・ドイツ。個人ノーマルヒル銀メダリストのカタリナ・アルトハウスが失格となり、2本目に進めず9位に終わった。国内からは規定についての意見・提言も見られている。

 欧州衛星放送「ユーロスポーツ」ドイツ語版では、前ドイツ代表ヘッドコーチ(HC)で同局の解説者を務めるヴェルナー・シュスター氏の見解を紹介した。競技後、アルトハウスの違反への異議を唱えたドイツ代表について「ドイツ側の言い分は正しい。アルトハウスはこれまで一度も失格となったことはなく、(個人ノーマルヒルと)同じスーツだった」と擁護した。

 その上で、女子選手だけが失格になったことを指摘。「女子には女子担当、男子には男子担当がおり、今回は彼らが一緒に担当していた。そこに多くの疑問が生じる」とし、ジャンプ競技にまつわる用具規定について「非常に難しいテーマ。いつのまにかハイテク戦争が始まってしまった。以前は既製スーツだったが、そこに手を加えて何かできると気づいたのだ」と言及した。

「ルールと使う道具を合わせていかねばならないが、ルールの中で何ができるかと探るようになった。厳しいコントロールと(ルール)ぎりぎりのところでピンポンゲーム(卓球)のようになっている。今は(違反に)目をつぶってもらうことはなく、容赦なく失格にされている」と指摘。「さらに、女子だけが失格となったのは奇妙だ」と繰り返した。

「男子担当は男子のやり方を、女子担当は女子のやり方を持ち込んだ。問題は、5人に測定させたら、そこには4通りの数値が出るかもしれない。これをどう解決していくか。この試合をきっかけに、どうすればより透明性のあるものにしていけるか考えて欲しい」と主張。さらに「スキージャンプにはいい文化がない」とし、現状のスキージャンプ界について訴えた。

すり抜けている選手もいると指摘「スピード違反取締のようなもの」

「競技を発展させようとする一方で、ルールの中で何かできないかとあれこれ手を加える。これはいい文化とは言えない。それに、全員を検査するというのは現実的ではなく、すり抜けている選手もいるだろう。スピード違反取締のようなものなのだ。選手、スタッフ、連盟、組織委の間であれこれするのではなく、この競技をより良くするための解決策を見つけなければならない。それを、(関係する)全員が問われている」

 また「ユーロスポーツ」は別の記事で、ドイツ代表男子チームのシュテファン・ホルンガッハーHCのコメントも紹介。「新しい担当者は非常に厳しく検査をしている。検査の方法も良くなったのではなく、悪くなった」と話したという。ドイツ代表の男子チームは30年近く務めたオーストリア人担当者が昨季限りで退き、今季からフィンランド人が担当している。

 さらに、ドイツ代表女子チームのアンドレアス・バウアー前HCは「この競技にとって大打撃になってしまった。選手たちは何百万人が見ている前で、見世物にされてしまった。世界最高の舞台であってはならないこと。もはやスキャンダルだ」とドイツ紙「シュトゥットガルター・ツァイトゥング」に対し、語ったことも紹介されている。

「感情的なものが収まったら、これを転機にできるようにすることが大事だ。コントロールに透明性を持たせ、関係する人間たちが互いに分裂するのではなく解決策を探っていかなければならない。エキサイティングでスペクタクルな試合を見せるというスキージャンプの本質に戻らなければいけない」ともバウアー前HCは語ったといい、状況改善の声が上がっていた。

(THE ANSWER編集部)