自分を責めてしまう癖がある人は少なくありません。劣等感や罪悪感を抱きやすい人もそうだと言えるでしょう。

自分を誰よりも傷つける力を持っているのは、「自分自身」です。だから、責めれば責めるほど、自分にダメージを与え、魅力を損なわせてしまうことがあります。そんな癖は直したほうが生きやすくなるでしょう。

自分を責める癖がある人は、どうしたらいいのでしょうか?

自責癖を直す方法1:自分を責める癖があることを知る

まずは、「自分を責めていること」をきちんと自覚することが大切です。そこに気づいていない人が意外と多いのです。
<Aさんは、失敗をすると、ずっとひきずってしまう性格でした。でも、あるとき、自分を責める癖があることに気づき、直すことにしました。
今までは自分を責めてしまっていたから、失敗そのもので受けるダメージ以上に辛い気持ちになり、やりきれなくなってしまっていたのです>

同じ失敗をしても、心のダメージが大きい人と小さい人がいます。ダメージの大きい人は、失敗した事実を受け止められず、悔しい気持ちに振り回され、さらに、自分をダメな人間だと責めながら、ずっと同じ状況に立ち止まってしまいます。
逆に、小さい人は、失敗した事実を受け入れ、感情をクールダウンさせて、冷静に「今後、どうすべきか」を考えて次の行動に移します。その結果、意外とすんなり問題が解決できることができることも多いのです。

問題解決するときは、感情は必要ないことが多いもの。自分を責めるのは後にして、さっさと状況を改善してしまったほうがいいのです。うまくいけば、自分を責める必要もなくなってきますしね。
実際に、自分を責めてもいいことはありません。状況を改善させるのには、むしろ「マイナスの行為」です。自分に怒りを感じたり、落ち込んだりするほど、パフォーマンスが落ちてしまいます。
たとえダメな自分だとしても、そんな自分とこれからも付き合っていくしかありません。例えるなら、軽自動車を持っているのに、「どうしてスーパーカーみたいに速く走れないんだ」と苛立っても仕方がないこと。
その車で目的地に向かうのです。もしかしたら、小回りが利く分、細い道も通れるので、走るコースを工夫すると早く目的地に着く可能性だってあるかもしれません。
悪いことではなく、良いことに目を向けることで、改善策が浮かぶことは多いものです。

自責癖を直す方法2:自分を「責める」のではなく「変わる」ことにエネルギーを使う

自分を責める癖がある人は、「今の自分」に執着していることが少なくありません。そんなに嫌なら、変わればいいのです。
<Bさんは、学生のときも、クラスメイトに話しかけることが出来ず、友達がいませんでした。消極的な自分に嫌気がさしながらも、変われず、ずっと自己を責め続けていました。
でも、あるとき、「自分が変わらない限り、状況が変わらない」と思い、SNSで同じ趣味の人たちとコミュニケーションをとることから始めてみました。勇気を出してオフ会に参加してみたら、友達もできたそうです>

そんなに「今の自分」が嫌なら、“「今の自分」に対する執着心”を捨てればいいのです。人は変われます。自分という存在自体は変えられませんが、生まれ変わるくらいの強い意志を持てば、中身(性格)はいくらでも変わります。変われないのは、自分が「今の自分でいること」にしがみついているからに過ぎないこともあるのです。
自己を責め続けるくらいであれば、変わってしまったほうが楽になれるでしょう。

逆を言えば、自分を責めない人は、「自分が変わればいい(成長すればいい)」と考えます。同じエネルギーを使うのであれば、責めることではなく、変わることに使いたいと思うのです。その結果、“自分が好きだと思える自分”に成長し、自己と良好な関係を作っていきます。
よく「後悔するよりも、反省したほうがいい」と言われますが、これも同じこと。ただただ自分を責める(=後悔する)よりも、自分が変わればいい(=反省する)というわけです。

世の中には、自分が悪くても、「人のせいにして責任転嫁すること」で、自己嫌悪から逃げようとする人がいます。実はそういう人ほど、人一倍、自分を責めてしまう癖があることは少なくありません。それについては、後半で説明します。

自分を責めるだけでは、何も状況は変わりません。