自宅でできるホワイトニング メリットは持続性と「通院いらず」

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真っ白い歯は、相手に与える印象を良くしてくれる大切な要素。そのため、ホワイトニングの治療によって歯を白くする人たちが増えています。なかでも、自宅で手軽に行えるホームホワイトニングは、通院する時間がなかなか取れない人に人気の治療法。一体ホームホワイトニングのメリットや効果とは? ばなな歯科・矯正歯科の國分冴子先生に聞きました。

監修歯科医師:
國分 冴子(ばなな歯科・矯正歯科 恵比寿 院長)

新潟大学歯学部卒業、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。都内のクリニックで勤務したのち、2021年ばなな歯科・矯正歯科を開院。マウスピース矯正とホワイトニングをメインに扱う。診療室は完全個室でプライバシーに配慮。患者一人ひとりが抱える悩みや不安な気持ちに寄り添い、さまざまなツールを駆使しながら、最善の治療計画を提案することを心がけている。

なぜ、歯にホワイトニングは必要なのか?

編集部

ホワイトニングとは、どのようなものでしょうか?

國分先生

簡単にいうと、おもに過酸化水素や過酸化尿素という薬剤を使い、それらの漂白効果によって歯を白くすること。歯の黄ばみや変色に悩んでいる人におすすめのお手入れです。

編集部

そもそもなぜ、歯は黄ばんでしまうのですか?

國分先生

歯の黄ばみは、主に、飲食物に含まれるタンニンやポリフェノールなどの色素が、歯の表面に沈着してしまうことで起こります。この沈着物を「ステイン」といい、時間が経つにつれて落ちにくくなります。コーヒーや紅茶、カレー、キムチなど色の濃い飲食物を摂取すると、ステインがつきやすく、黄ばみの原因に。またタバコに含まれるニコチンやタールも黄ばみにつながります。

編集部

食べ物や飲み物、タバコなどが黄ばみの原因なのですね。

國分先生

それだけでなく、遺伝的要因、加齢、テトラサイクリン歯(抗生物質による沈着)なども黄ばみの原因になります。

編集部

ホワイトニングでは、それらの黄ばみを落とすことができるのですか?

國分先生

過酸化水素や過酸化尿素には、黄ばみを分解する働きがあります。その効果を利用して、歯の黄ばみを除去することができるのです。歯の白さを示す基準として「シェードガイド(色見本)」というものがありますが、通常、日本人の平均はA3~A3.5です。ホワイトニングにより、B1~A1まで白くすることができます。

編集部

詰め物や被せ物など、人工物もきれいにすることができるのですか?

國分先生

いいえ、残念ながらそれらにはホワイトニングの効果はありません。そのほか、神経のない歯や生まれつき変色している歯にも、ホワイトニングの効果はないとされています。

ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの違い

編集部

ホワイトニングはどのように行われるのですか?

國分先生

定期的に来院し、歯科医師や歯科衛生士などが処置する「オフィスホワイトニング」と、自分自身で行う「ホームホワイトニング」の2種類があります。場合によっては、両方を組み合わせて行うこともあります。

編集部

それぞれ、どのような特徴がありますか?

國分先生

まずオフィスホワイトニングは、高濃度のホワイトニング剤を使用するため、1回の施術でも効果が出やすいといった特徴があります。1回の施術時間は1時間程度であり、定期的に3~6回、来院していただきます。

編集部

ホームホワイトニングはどのような特徴がありますか?

國分先生

一般的なホームホワイトニングの方法は、「マウスピース型」といって、専用のマウスピースの中にホワイトニングジェルを塗布し、それをはめることで薬剤を浸透させる方法です。マウスピースを制作するのに型取りを行うなど事前の準備が必要ですが、オフィスホワイトニングと違って、定期的に来院する必要はありません。

編集部

ホームホワイトニングは来院する手間がいらないので、忙しい人には便利ですね。

國分先生

ホームホワイトニングではマウスピース型以外にも、「シール型」といって、ホワイトニング剤を含んだシールを直接歯に貼る方法が選べます。こちらもすぐにホワイトニングを始めたい人にお勧めです。

ホームホワイトニングのメリットと注意点

編集部

オフィスホワイトニングとホームホワイトニングでは、どちらを選ぶ人が多いのですか?

國分先生

どちらもメリットとデメリットがあります。オフィスホワイトニングの方が高濃度の薬剤を使うため、効果が現れるのが早いのですが、反面、通院する手間が必要ですし、歯の深部まで浸透させるのが難しく、人によっては色戻りが早いということもあります。反対に、ホームホワイトニングは、即効性はありませんが、自分のペースで継続できるというメリットがあります。自分のライフスタイルや目的に応じて、選択すると良いのではないでしょうか。

編集部

ホワイトニング効果を長期的に持続させるには、ホームホワイトニングの方が適している、ということですか?

國分先生

じっくりと時間をかけて薬剤を歯に浸透させていくので、白さが続きやすいとされています。特にマウスピース型は、一度マウスピースを製作すると一定期間、使用することができるので、白さを長く保ちたい人にはお勧めといえるでしょう。

編集部

ホームホワイトニングの効果は、どれくらい持続するのでしょうか?

國分先生

一般的にはホームホワイトニングの場合は6~12か月といわれています。一方、オフィスホワイトニングの場合は3~6か月とされています。

編集部

ホームホワイトニングを行う際の注意点はありますか?

國分先生

マウスピースやシールを装着する時間は、一人ひとりの状態によって異なります。1日1~2時間程装着すれば良い場合もあれば、眠っている間、ずっと装着しなければならないこともあります。その時間を守らないと、ホワイトニングの効果を得られないことがあるため、歯科医師の指示をしっかり守るようにしましょう。

編集部

最後にメッセージをお願いします。

國分先生

「ホームホワイトニングはあまり白くならない」と思われがちですが、正しい使い方をすれば十分に歯を白くすることができます。ホームホワイトニング成功のポイントは「継続」です。美は一日にしてならず、真っ白な歯を手に入れたい方はぜひホームホワイトニングをはじめてみましょう!

編集部まとめ

ホワイトニングといっても、通院して行うオフィスホワイトニングと、自宅で行うホームホワイトニングがあります。自分の性格やライフスタイルなどに合わせて選択するのが、ホワイトニングで満足いく結果を得るためには大切のようです。よく考えて選びましょう。

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