久保建英の“レンタル生活”をどう評価する マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェの2年半は正解だったのか
レアル・マドリードと契約を結んでから2年半。日本代表MF久保建英の成長スピードをどう捉えるべきだろうか。
いきなり銀河系軍団のレアルでスタメンを確保出来ないのは当初より分かっていたことで、久保がレンタル移籍に出るのは想定内だった。問題は、久保がレンタル先で成長できているかどうかだ。
これまで久保がレンタル移籍したのはスペイン国内のクラブに限られており、マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェ、そして再び現在所属するマジョルカとレンタル移籍を繰り返してきた。このうち、上位を狙えるクラブはウナイ・エメリ率いるビジャレアルくらいのものだ。現在所属するマジョルカも昇格組であり、今も17位と残留争いに巻き込まれている。久保のような攻撃的プレイヤーにとって、防戦一方になることもある下位クラブでの戦いはあまり理想的とは言えない。
参考になるのは、レアルからイタリアのミランにレンタル移籍しているMFブラヒム・ディアスだろう。ディアスでも来季以降レアルでプレイ出来るかは分からないが、レアルからのレンタル組の中では成功例に挙げられるはず。攻撃的MFとしてミランで優勝争いに絡むことが出来ており、理想に近いレンタル生活と言える。
同メディアは2022−23シーズンのレアルは革命的になると予想している。これはパリ・サンジェルマンFWキリアン・ムバッペ、ドルトムントFWアーリング・ハーランドといった大物プレイヤーの獲得が予想されるからだ。攻撃陣はガラリと顔ぶれが変わる可能性もあり、それは久保のようなレンタル組にも影響を与えることになる。
ムバッペやハーランドといったスタープレイヤーが加入すれば、久保が定位置を得るのはますます難しくなる。日本人選手がレアルでスタメンに入るという夢を実現するには、久保も適切なクラブへ武者修行に出てアピールしなければならない。
果たしてこの2年半マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェ、マジョルカと渡り歩いてきたプランは正解だったのか。得点やアシストの数字で判断するならば、あまり有意義な2年半とは言えないだろう。来季以降はレアルでの将来も含め、プランを再考するタイミングとなりそうだ。