仮想世界「メタバース」プラットフォームの「ZEPETO(ゼペット)」にオープンした若者文化空間(提供写真)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫

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【ソウル聯合ニュース】韓国政府は20日の非常経済中央対策本部会議で、インターネット上の仮想空間「メタバース」がもたらす経済・社会変化への対応をまとめた「メタバース新産業先導戦略」を発表した。世界シェア12位前後と推定される韓国のメタバースを2026年には5位に引き上げることを目標に、生活や観光、文化芸術などの各分野でメタバースのプラットフォーム構築を支援する。人材の養成に力を入れ、各広域圏には「メタバースハブ(拠点)」を設ける計画だ。

 26年までに、4万人の専門家と売上高50億ウォン(約4億8000万円)以上の企業220社を育て、50件のモデルケース提示を目指す。

 政府は、日常生活や経済活動などさまざまな領域で既存のプラットフォームとは差別化された新たなメタバースプラットフォームが生み出されるよう支援する。

 韓流コンテンツパワーをメタバースプラットフォームの競争力に生かすため、伝統文化・芸術、ゲーム、アニメーション、ファッション、スポーツなど幅広い分野で事業を後押しする。五輪や万国博覧会といった国際的なイベント、見本市はオン・オフラインを組み合わせたメタバースイベントとして開催する。

 メタバースの研究開発(R&D)に関しては、中長期のロードマップを策定する計画だ。

◇「メタバースアカデミー」と専門大学院設置へ

 人材育成としては「メタバースアカデミー」を新設し、今年は実務専門の180人を養成する。在職者向けの実務強化教育も実施する。

 ほかに、4年制大学と連携した専門大学院の設立・運営を支援する。

◇有望企業を積極支援

 メタバース事業を手掛ける企業の支援拠点となるメタバースハブを、まずはソウル近郊の京畿道・板橋に設置した後、四つの広域圏にも順次整備する。ここではメタバースを活用したサービスの開発に必要な実証施設をはじめ、企業育成と人材養成の場が提供される。

 また、「メタバースファンド」を組成し、中小・ベンチャー企業のメタバース事業を支える。

 林恵淑(イム・ヘスク)科学技術情報通信部長官は「メタバースは無限の可能性を秘めたデジタル新大陸で、チャンスの空間」と強調。メタバースで世界をリードする国への飛躍を目指し、関係官庁と緊密に協力していくと述べた。