UoC UNIVERSITY of CREATIVITY 共同編集長の近藤ヒデノリ（Hide）と平井美紗（Misa）がお届けするInterFMの番組「UoC Mandala Radio」。クリエイターに“ワクワクする社会創造の「種」を聞く”というテーマで、毎回さまざまな領域で社会創造をおこなっているゲストを招き、未来に向けた創造やアクションについて語らいます。1月12日（水）の放送では、エシカルコーディネーターのエバンズ亜莉沙さんとヴィーガン料理YouTuberの高嶋綾也さんをお迎えしました。

（左から）Hide、エバンズ亜莉沙さん、高嶋綾也さん（PC画面）、Misa


エバンズ亜莉沙さんは地球、人、環境に優しいライフスタイルの提案や、さまざまな衣食住のディレクションを手掛けています。高嶋綾也さんはヴィーガン料理のレシピを動画配信で公開しており、チャンネル登録者数は240万超え。両者とも会社、企業といった組織に縛られず、サスティナブルやエシカル、ヴィーガンといった、自身が抱く思いを胸に活動しています。

◆エシカルコーディネーターになったきっかけ

Hide：エバンズさんが現在進めているプロジェクトについてお聞かせいただけますか？

エバンズ：これまでプロジェクトベースでいろんなものに関わってきたんですけども、去年今年と「エシカル」という言葉が普及したこともあって、エシカルについて学校、商業施設、イベントなどでトークする機会が最近増えてきています。

プロジェクトの話ですと、渋谷スクランブルスクエアさんのほうでポップアップをディレクションさせていただいています。さまざまな角度から人、地球、社会に優しいものづくりをしているブランドであったり、そういった商品を集めて渋谷スクランブルスクエアさんで販売させていただきました。

Misa：ちなみに、エシカルコーディネーターになろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか？

エバンズ：しっくり来るのは「いつのまにか、なっていた」ですね。元々、社会に対して疑問を持っているところがあって。「学校に行きたくない」と言っている子どもたちがいるなか、テレビを観ると学校に通いたくても通えない同世代の子どもたちがいるんですよね。

当時は「どうして通えないんだろう？」と、ただ思っていました。地球の裏側でどうしてこんなことが起こっていて、自分たちの生活とどうしてこんなに差があるのかってことを、よくわからずに生活をしていたんです。

あるとき、父がアメリカの西海岸出身ということもあり、英語を学ぶために高校からオレゴン州に住むことになったんですね。そのときに環境科学の授業があって、森の生態系と人間の生活との繋がり、普段自分たちが食べている畜産のお肉の裏側、児童労働などを学びました。

それまで地球の裏側のどこかの誰かの問題だったものが、自分の生活と直接繋がっていたってことに気付いた瞬間でした。そこから、「まずは自分の生活から変えていこう」と思うようになって。選ぶものを変えていけば、これまでマイナスの影響を与えてしまっていたものでも、プラスの影響を与えていけるんじゃないかと思ったんですね。

Misa：そうだったんですね。

エバンズ：そこから「何かできることはないかな」と考えながら日本に帰国したら、一般社団法人エシカル協会との出会いがありました。

Hide：末吉里花さんが代表理事を務められている協会ですね。

エバンズ：はい。そこでより学びを深めました。（エシカルという言葉を）知っている人がまだ少ないと思ったので、エシカルのことを伝えていくことをその頃から始めるようになりましたね。今は27歳なんですけども、それが20歳ぐらいの話です。

Hide：20歳の頃からそのように活動されていたんですね。

エバンズ：エシカル協会の講座を19歳の頃に受けていたんですよ。

Hide：早い！

エバンズ：エシカル協会が社団法人になるぐらいの時期でしたね。そこから伝えることをスタートして、いろんなお仕事をいただくことになりました。だけど、当時の私は肩書がなかったんですよ。「なんて呼んだらわかりやすいかな？」と考えて、それで思いついたのがエシカルコーディネーターという肩書でした。

Misa：なるほど。

◆ヴィーガンになろうと決めたのは何故？

Hide：ここからは、京都からリモートで参加いただいている高嶋綾也さんにもお話を伺います。高嶋さんも動画を通じてエシカルなライフスタイルを発信されています。運営されているヴィーガンYouTubeチャンネル「Peaceful Cuisine」の登録者数は、なんと244万人です。よろしくお願いします。

Misa：YouTubeチャンネルの活動はいつ頃からスタートされたのですか？

高嶋：チャンネルの開設自体は2010年頃ですね。活動してそろそろ12年になります。

Hide：高嶋さんが活動し始めの頃って、まだまだヴィーガンの考えが浸透していなかったと思うんですよ。始めたきっかけは何だったのでしょうか？

高嶋：僕がヴィーガンになったのが23歳くらいのときなので、今から15年ぐらい前ですね。当時、「エコロジカル・ダイエット―生きのびるための食事法」（角川書店）という、サーティワンアイスクリームの創業者の息子（ジョン・ロビンズ）が書いた本があって。

その本を読んで、畜産の現状とそれが与える影響を学びました。あとは、肉食とベジタリアンとヴィーガンという、3種類の食生活を送っている人たちが、それぞれどういう病気にかかりやすいのかがデータ付きで書かれている本がありまして。

Hide：では、畜産のことを学び、その本を読んだことで「自分はヴィーガンになろう」と思ったんですか？

高嶋：そうですね。僕ってけっこう合理的な人間なんですよ（笑）。本を読んでいる途中から「（肉を）食べる必要がない」と思ったので、そのときからずっとヴィーガンです。

Hide：頭で「これは意味がない」と思われたんですね。制作されている動画も、センシティブだけど合理的に作られているなという印象を受けました。

高嶋：そうですね。そもそも、動画を配信している目的というのが、「菜食、ベジタリアン、ヴィーガンといった食事はもっと世の中に広まったほうがいい」なんですよ。最初は料理教室とかをやって、対面で教えていたんですけど、それだと1回で教えられる人数に限りがあるんですよね。

Hide：そうですよね。

高嶋：日本人の人口なんて1億3,000万人ぐらいしかいないので、もっと世界に広める方法がないかなと考えたんですね。それで、英語字幕を付けた動画を発信するようになりました。英語がわかる人にはせめて伝わればいいなと思って。動画なら、インターネットが繋がるところであればワンクリックで観ることができますしね。

Hide：すごいです。日本発のYouTuberで海外向けに活動している人ってどれぐらいいるのか、僕はわからないんですけども、240万人の人たちが高嶋さんの動画を観てくれているってことですもんね。その人たちに向けてヴィーガンの考え方を伝えることができますし、「なんでヴィーガンなんだろう？」と調べる人もいると思います。

エバンズ：綾也さんの動画のすごいところって、「これはヴィーガンの料理です」ってことをほとんど言っていないんですよね。なので、「映像が綺麗」とか「音が癒される」って理由で動画を観ている人たちが、あとからヴィーガン料理だったってことに気付くことがあると思うんですよ。観た人が実際に料理を作ってみたり興味を持てるようになる、入り口が広い動画だと感じました。

Hide：たしかに。

◆食にまつわる新たなプロジェクトが始動

Hide：綾也さんが始めている新たなプロジェクトに、エバンズさんも協力されているそうですね。

エバンズ：はい。プロジェクト名は「EATART」です。食にまつわるプロジェクトでして、ぜひ綾也さんからご説明をお願いします。

高嶋：「EATART」は去年の春ぐらいからスタートしたプロジェクトで、メインはヴィーガン、プラントベース食品の製造と販売です。

Hide：菜食中心のプロジェクトということですね。

高嶋：はい。僕が配信しているレシピ動画は1から作るものが多くて。それに、世界各国の料理をするので、使用するスパイスが特殊だったり、普通の人が買いづらかったりする食材を使うこともあるんですね。なので、動画のコメントで「スーパーで買える食材でレシピを作ってください」と言われることがすごくあるんですよ。

それで「実際に製品を作って販売したらいいんじゃないか」ってことを知り合いと話をしたんです。だけど、品質にこだわりたいから、どうしても原価が上がってしまうんです。そうなってくると、今度は「値段が高くて買えない」って人が出てくるんですよ。

Hide：たしかに。

高嶋：なので、「EATART」で販売しているレシピは、すべて僕のYouTubeチャンネルで公開していく予定です。

Hide：なるほど。お金がない方でも、レシピを観れば自分で作れるということですね。

高嶋：はい。材料さえ揃えていただければ自宅で再現することができます。

＊　　　＊　　　＊

次回1月19日（水）のゲストは、ミュージシャンの大沢伸一さんをお迎えします。お楽しみに！

番組でお届けしたトークは音声サービス「AuDee」 https://audee.jp/program/show/100000316と「Spotify」 https://open.spotify.com/show/6biaO40gUuf4gbI2QhdTsL?si=C2-xOifkQz230V6X514UlAでも配信中。ぜひチェックしてみてください！

----------------------------------------------------
▶▶この日の放送内容を「radikoタイムフリー」でチェック！ http://www.tfm.co.jp/link.php?id=9377
聴取期限　2022年1月20日（木）AM 4:59 まで

スマートフォンは「radiko」アプリ（無料）が必要です。⇒詳しくはコチラ https://www.tfm.co.jp/listen/#radiko
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用頂けます。
----------------------------------------------------

＜番組概要＞
番組名：UoC Mandala Radio
放送日時：毎週水曜23：00-23：30
パーソナリティ：近藤ヒデノリ（Hide）、平井美紗（Misa）
番組Webサイト： https://www.interfm.co.jp/mandala