こうした関係者の努力にもかかわらず、試合当日になって、再びサップ選手が契約延長の大枠を変えたい旨申し出てきました。今回は、前回の変更要求をさらに上回り、「もう延長契約に興味はない。この試合が終わったら、現在の長期契約を破棄してほしい。認められなければ試合には出ない。今回の試合の報酬は無料でよいから自分を長期契約からリリースしろ」と強要してきたのです。私共は、本当にサップ選手は真面目に私共と向き合う意志があるのかと大いに不安になりました。当然のことながら、こうした強要に屈することは出来ないので、私共は、サップ選手の申し出を断りました。当日サップ選手が長期契約破棄を迫ってきたことについては、延長契約成立にご尽力いただいた山森弁護士にとっても驚きであり、むしろ、サップ選手は、延長契約がまとまりかけだしたころから、別の者と連絡を取っていた節があります。その後、サップ選手や山森弁護士と遣り取りを繰り返し、なんとかサップ選手に会場に来て貰ったのですが、自身の試合の30分前に、自ら作った長期契約破棄のための合意書と思しき書面を手にリングサイドに現れ、署名を強要してきたのです。私自身は試合の解説をしていましたので、その時リングサイドで何が起こってるのかを正確に把握できず、対応する事も出来ませんでした。そしてそのままサップ選手は会場をあとにしたのです。もちろん、リングサイドで観戦していた石井館長は、現在K-1の現場から離れている立場なので、サップ選手が何故そのような要求をしているかの背景すら知らない上に、サップ選手が押し付けてきた長期契約破棄のための合意書と思しき書面の意味も存在も知らなかったことは言うまでもありません。

サップ問題でK-1谷川氏から声明文(全文掲載)下へ続く