「消えた初恋」最終回より
 - (C) テレビ朝日

写真拡大

 道枝駿佑(なにわ男子)と目黒蓮(Snow Man)がダブル主演を務めるドラマ「消えた初恋」(テレビ朝日系・土曜よる11時30分〜放送)が、今夜18日に最終回を迎える。勘違いから始まった青木(道枝)と井田(目黒)の恋。道枝と目黒の化学反応が、視聴者を夢中にさせている。

 本作は、ある勘違いをきっかけに、青木が井田のことを気になり始めることから物語が展開する。井田のことを知っていくうちに好きになった青木は、そんな自分に葛藤を抱きつつも、橋下さん(福本莉子)や親友のあっくん(鈴木仁)に背中を押され、井田に想いを打ち明ける。井田も青木のことを知っていくうちにその人柄に触れ、青木の気持ちと真剣に向き合う。「付き合ってみるか」という井田の答えに、2人の新しい関係が始まるのだった。

 恋を知らない井田が、青木を大切に、特別に思い始める様子が丁寧に描かれており、とくに11日放送の第9話では、冷静ながらも温かい井田のモノローグが印象的で、感情の変化が忙しく、くるくると表情を変える青木を見つめながら、ともに過ごす時間を楽しいと思う井田の気持ちが溢れていた。井田が青木に向けるほほ笑みは、とびきり優しく、そんな井田の視点を通すと、青木がより一層かわいい存在に見えてくる。

 しかし、井田が無自覚のうちにとる思わせぶりな言動に、青木はやきもきさせられてばかり。青木は、井田の些細なからかいにも腹を立ててしまう。それは、井田から「好きだ」と言われていない不安が招いた焦燥でもあった。井田が青木に抱く「一緒にいて楽しい」という感情は果たして、青木が井田に抱くそれと同じものなのだろうか。根幹に向き合うときがやってくる。

 「人を好きになる」というシンプルな気持ちを思い出させてくれる本作。これほど愛される背景には、原作の人気はもちろんのこと、漫画から飛び出してきたような演者の魅力が大きい。メインキャストは、いままさに引っ張りだこの人気者。道枝は12月30日公開の『99.9−刑事専門弁護士− THE MOVIE』、目黒は2022年3月25日公開の『映画 おそ松さん』、福本は2022年2月18日公開『君が落とした青空』、初夏公開の『20歳のソウル』が控えている。あっくん役の鈴木は2021年にドラマ「ギヴン」「僕らが殺した、最愛のキミ」で主演を務めほか、2本の映画に出演という活躍ぶりだ。

 目黒が持つ声の深みと説得力、ほんの少し微笑んだだけでとたんに優しくなる瞳は、誠実で温かい井田そのもの。「教場II」(2021)で演じた杣にも通ずるが、目黒は静かな心の動きを丁寧に表現する俳優だ。

 道枝は、恋することの楽しさと苦しさ、ほんの少しの恥ずかしさまでも、思いきりよく演じている。視聴者が作品にのめり込めるのは、道枝自身の素直さや純粋さが青木と重なり、青木に共感する一方、青木を愛おしく思ったからにほかならない。

 誰かにとっては懐かしく、誰かにとっては今まさに共感できるピュアなラブストーリー。人々の心を優しく温めた「消えた初恋」最終回が、幸せで満たされることを期待したい。(文・新亜希子)

オシドラサタデー「消えた初恋」最終回は18日よる11時30分〜テレビ朝日系にて放送