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 日本の家庭料理には欠かせない“たまご”。世界から見ても、日本のたまごの消費は常にトップ3に君臨するほどのたまご好き大国です。物価の優等生とも言われますが、栄養価の高さも目を見張るものがあり、肉や魚など他のタンパク質を含む食品と比べても体内での利用効率が高いのも特徴です。

 そんな最強食材のたまご。みなさんは、どのような料理にして食べていますか?

 今回は、日本に6人しかいない「五つ星タマリエ」の児玉大介さん直伝“たまごにまつわる雑学”から、たまご焼き、目玉焼き、ゆでたまご、スクランブルエッグを美味しく作るコツをご紹介します。

たまご料理には「使いどき」があるって知ってる?

 たまごは産卵してからの経過日数によって状態が変化します。そこで、たまごパックに記載されている賞味期限に注目! たまご料理によって、おすすめの“使いどき”があるのです。

「たまごかけご飯」なら、賞味期限まで 10 日前後の新鮮なたまごがおすすめ。ドロッとした白身が苦手な人は、賞味期限まで 5 日前後のたまごを使うと良いそうです。「目玉焼き」なら、賞味期限内であればいつでも美味しく食べられますが、黄身が中央にくるきれいな目玉焼きを焼きたいなら、買ってすぐのものを使うと良いのだとか。

「たまご焼き」や「たまごスープ」の場合は、賞味期限まで 5 日前後あるたまごが最適!箸で卵白が切れやすく、卵黄と卵白がきれいに混ざるので、お店で売っているような黄金色に仕上がります。一方、「ゆでたまご」は殻のむきやすさを考えると、賞味期限に近ければ近いほどGOODです。

「ゆでたまご」は1分単位で黄身の状態が変化する

11分加熱したゆで卵

 美味しいゆでたまご(M サイズ)を作る場合、常温には戻さず冷蔵庫のたまごを使いましょう。たまごがすっぽり浸るくらいのお湯で茹でます。火加減は中火、完成後はすぐに冷水をかけてしっかり冷やしましょう。

半熟から固ゆでまで、自分好みのゆで卵を作ってみよう

 ここでは6分から13分まで段階ふんでどんなゆでたまごができるのか、ご紹介していきます。好みの固さを見つけたら、実践してみましょう!

6 分:黄身は全体がとろりと流れ出る。白身もやわらかい。
7 分:半熟。黄身は外側が少し固まり中心部はとろとろ。白身はやわらかく固まっている。
8 分:半熟。黄身は外側が少し固まり、中心部はやわらかく、切ると少しだけ流れ出る。白
身はやわらかく固まっている。
9 分:黄身の中央が色鮮やかでねっとりと固まっている。白身は程よく固まっている。
10 分:黄身は鮮やかな黄色で、火が通りすぎていない状態。黄身の外側のみ白っぽく固ゆでになっている。白身はしっかり固まっている。
11 分:黄身の中心部のみ鮮やかな黄色が残っているが、その他は白っぽい固ゆで状態。
12 分:固ゆで。黄身全体が白っぽくなり、しっかり火が通っている。
13 分:固ゆで。黄身も白身もしっかり火が通っている。

冷めてもふわふわの玉子焼きは、“マヨネーズ”がキーポイント!

 専門店で買うようなふわふわの玉子焼きを作りたい時は、実はマヨネーズを入れると良いのだとか。厚焼きの玉子焼きの場合、加熱する時にたんぱく質が固く結合してしまうため、マヨネーズの植物油と酢が結合をソフトにし、冷めても柔らかいまま。しかも、酢の効果によって、卵の色もキレイになるのだとか。

 それでは、実際に作ってみましょう!

冷めてもやわらかいまま! 「ふわふわ厚焼き玉子」

◎材料

卵……4個
サラダ油……適量
マヨネーズ……大さじ1

A
みりん……大さじ2
しょうゆ……大さじ1/2

◎作り方

1.ボウルに卵とマヨネーズを入れてよく混ぜ、Aを加えてさらに混ぜる

2.玉子焼き器を熱して油をぬり、1をお玉に1杯入れて全体に広げる

3.卵がふくれてきたら箸でつぶし、火が通ったら奥側から手前に巻く。焼いた卵を奥側に移し、油をぬって 1をお玉に約 1 杯入れ、焼いた卵の下に広げる。卵に火が通ったら同じように巻く

4.1がなくなるまで 3を繰り返し、食べやすい大きさに切る

5.器に盛りつけ、大根おろしを添える

ホテルライクな「スクランブルエッグ」を作ってみよう!

 ホテルの朝食ビュッフェで出てくるような、あのふわふわトロトロのスクランブルエッグ。フライパンで作ろうと思うと案外、卵に均等に火を入れるのが難しいものですが、電子レンジとマヨネーズを駆使すれば簡単に作れますよ。

レンジでチンする「スクランブルエッグ」

◎材料(2人分)

・卵……2 個(M)
・ミニトマト……4個
・べビーリーフ……適量
・牛乳……50ml
・塩……少々
・マヨネーズ……大さじ2

◎作り方

1.ボウルに卵を溶き、牛乳、マヨネーズ、塩を加えてよく混ぜ合わせる
レンジ(500W)で約2分加熱し、取り出して軽く混ぜ、さらにレンジで約1分加熱する

2.器に 1を盛りつけ、ミニトマトとベビーリーフを添える

目玉焼きは、フライパンにそっと置くように入れる

 最後に、白身がふわっとした目玉焼きを作りたい時は、一度お皿に割り、フライパンにそっと置くように入れると良いそうです。卵を入れてすぐ、フライパンを濡れ布巾の上に5秒置いた後、弱火で4分加熱したら、漫画に出てくるような美しい目玉焼きが完成します。

 いかがでしたでしょうか? 意外と卵料理って奥深いものですね! ぜひ極めてみてはいかがでしょうか。

(撮影・文◎亀井亜衣子)

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