写真=加藤小夏

 女優・加藤小夏が、映画『君たちはまだ長いトンネルの中』で主人公の高橋アサミを演じることが決まった。加藤にとって初の長編映画単独主演作となる。

 ネット等で話題になった増税反対を訴える女子高生が主人公の漫画を実写化。舞台『炎炎ノ消防隊』、舞台『文豪とアルケミスト』、ミュージカル『ヘタリア」、舞台『ハイスクール奇面組』などを手掛ける、なるせゆうせい氏が監督・脚本を担当する。

 主人公、高橋アサミを演じる加藤小夏は、映画『踊ってミタ』ではヒロインを演じ、初の連続ドラマ出演作となった『I”s』では圧倒的な存在感を放ち話題に。今年3月放送のドラマ『取り立て屋ハニーズ』ではドラマ初主演を飾るなど、いま注目を集めている女優。初の長編映画単独主演作となる本作で、どのような主人公を見せるか期待される。

あらすじ

高校生たちが日本の未来を問う社会派青春ストーリー。

元財務省の父、高橋陽一郎(川本成)の影響をうけていた高橋アサミ(加藤小夏)は、高校 3 年生にして、政治に対し人一倍強いイデオロギーを持っていた。それゆえ、政治経済の授業でも、疑問に思ったことを先生に問いかけ、論破するほど。外部相談役の二階堂議員(萩野崇)から注意を受けても、自分で調べ自分で辿り着いた答えを曲げることはなかった。

とはいえ、まだアサミはどこにでもいる女子高生。彼女ひとりでこの国を救えるわけもなく、自分ができる事といえば、父が他界したのち面倒みてもらっている親戚・長内夫婦(モト冬樹・かとうかず子)の店や、衰退していく商店街を少しでも盛り上げることぐらい。

最初の頃、アサミをクラスの厄介者だと思っていた同級生の安倍(北川尚弥)や中谷(定本楓馬)も、少しでも自分たちの未来を明るくしたいと奮闘するアサミの姿や行動を見ているうち、次第に応援するようになる。

ある日、アサミと中谷は商店街のお祭りについて取り上げてもらおうと地元の若手新聞記者の荒畑(高橋健介)に掛け合いに行く。

その帰り道、元戦隊ヒーローとして活躍していたタレント議員の武藤(蒼木陣)と遭遇する。

またとないチャンスと思いアサミは、武藤に駆け寄り「総理大臣に会わせてほしい」とまさかの直談判。

そのあと、急展開がアサミに巻き起こる・・・。

20年以上デフレとパンデミックに見舞われたこの国で、自分たちに何ができるのか、その問いを青春映画として昇華した異色の作品。