中国のポータルサイトに、少子高齢化が進む中国で今後、1980年代生まれが「最も過酷な世代に」となり、現在の日本同様に定年退職後も仕事をし続けなければならない状況に陥る可能性があるとする記事が掲載された。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国のポータルサイト・百度に26日、少子高齢化が進む中国で今後、1980年代生まれが「最も過酷な世代に」となり、現在の日本同様に定年退職後も仕事をし続けなければならない状況に陥る可能性があるとする記事が掲載された。
 
 記事は、近ごろ中国の関係当局が、可能な状況であれば定年退職者が仕事を続けることを奨励する姿勢を示したと紹介。同時に、定年退職の年齢を引き上げる政策も急速に進んでおり、「一人っ子世代」の1980年代生まれは、子育てに加えて年老いた両親の面倒を1人で見なければならない上、定年退職年齢が遅れる、あるいは「生涯現役」で仕事をし続けなければならなくなると伝えた。
 
 そして、中国で定年退職の年齢引き上げや、定年退職者の仕事継続が推進される理由について「簡単に言えば、国が支給する社会保障のお金が足りなくなるからだ」と指摘。出生率の低下により公的保険を支払う人が減少する一方で、年金を受け取る高齢者の数がますます増えるために社会保険基金が足りなくなり、年金がもらえるようになる定年年齢を先延ばししなければならないと説明した。

 また、物価が上昇する一方で退職金の伸びは鈍く、今後多くの人が退職金だけでは老後の生活が成り立たなくなり、仕事をせざるを得ない状況に追いやられると指摘している。
 
 その上で、中国が将来的に迎える状況について、隣国である日本の現状が参考になると紹介。現在の日本は国民年金や国民健康保険の基金が不足しており、定年退職年齢を70歳程度にまで延ばさなければならない状況となっているとした。そして、日本では「働かざるを得ない高齢者」の受け皿が充実しており、社会のさまざまな職業において高齢者の働き口が確保されていると伝える一方で、中国では将来的に定年退職後の仕事継続が奨励されたとしても、それに見合う働き口が確保できるかどうかは未知数だとした。
 
 記事は、「1980年代生まの世代を最も悲劇的な世代にしない」ためには、医療保険と年金の制度を充実させること、そして若いうちから積極的に投資を行って資産を持続的に創出することが必要だとの考えを示した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)