話題を集めるフェムテック、あなたはどこまでご存知ですか? フェムテックとはFemale(女性)のためのTechnology(技術)という意味ですが、ここ1,2年に次々と新しい製品が生まれています。妊活アドバイスでおなじみの、認定不妊カウンセラー笛吹和代さんから注目のフェムテック製品の特長と注意点を解説してもらいます。今回は「吸水ショーツ」です。

生理中の困りごとが減ります

特殊な繊維を用いて大量の水分を吸収、保持できる吸水ショーツ。現在、アツギ、ワコール、グンゼなど国内のインナーメーカーにユニクロ、GUも加わり、デザインも色もさまざまな製品が発売されています。海外製品しかなかったころは通販で4000円、5000円という価格でしたが、2000円代で買えるようになってきましたね。

私は画期的な商品だと思っています。

使い方は個人差があると思います。たとえば、ふだんから経血量が少なめなら、ナプキンなど他の生理用品いらずで、これ1枚で過ごせます。ピルを服用している人は経血量が少ないので、向いているかもしれません。

外出時、生理中は白っぽい服装をすることを避けている方が多いと思いますが、生理用ナプキンにプラスして吸水ショーツを使えば、服を汚してしまう心配もぐっと減ります。

また、夜、寝ているときに生理用ナプキンにプラスして使えば、朝までぐっすり安心して眠れます。経血量が多くても少なくても、多い日の晩は、夜用ナプキンを使っても「安心して」眠れるというわけにはいかなかったと思います。それが吸水ショーツをはいて寝れば、夜中に起きてナプキンを取り替える必要もないし、朝起きた時にいちいちドキッとしないで済みます。特に経血量が多い人にとっては救世主のようなショーツではないでしょうか。

メーカーやデザインによって吸水量は異なります。中には本当に薄くて、一見、ふつうのショーツと見分けのつかない製品もあります。たとえばスポーツジムに行く日も、これなら周囲の目を気にせず着替えができますね。

経血量多めの人は“見過ごし”に注意

画期的な商品ではありますが、ふだんから経血量が多めだという方にはちょっと注意していただきたいと思います。

たとえば、昼間でも夜用ナプキンを数時間で取り替えなければならないような人は、月経過多のおそれがあります。この場合、一度、婦人科を受診することをおすすめします。子宮内膜症や子宮筋腫、貧血などの症状が隠れているかもしれないからです。早く見つけて、早く治療すれば、その後の妊活への影響も抑えられます。

吸水ショーツという便利な生理用品を使って、月経過多であってもなんとなく、やり過ごしてしまう……ことで結果的に隠れている症状の発見が遅れてしまっては、フェムテックを使う意味が半減してしまいます。経血量が多いという自覚のある人はもちろん、これまで自覚したことのなかった方も、ちょっと意識してみてください。

手入れはきちんとしましょう

吸水ショーツを使うにあたっての注意点は、お手入れ方法です。

メーカーの推奨する正しいやり方で洗濯しましょう。ダイレクトに経血を吸っていますから、きちんと洗うこと。手洗いして、それから洗濯機に入れて回す。そしてしっかり乾かすこと。正しい手入れをしないと、雑菌が繁殖してしまいますから。

その意味では、「手洗いなんて面倒くさい」人には向いていないかもしれません。

肌ざわり、フィット感はやはり実際に使ってみないことにはわかりません。メーカーによって吸水量やサイズ感は微妙に違うでしょう。2000円代で買える時代ですので、いろいろ試してみて、ご自身に合ったショーツを見つけてください。きっと、有意義な買い物になると思います。

パッケージも含めデザインもおしゃれになってきた吸水ショーツ。普段使いも抵抗なくできそう。

■プロフィール

妊活の賢人 笛吹和代

働く女性の健康と妊活・不妊に関する学びの場「女性の身体塾」を主宰する「Woman Lifestage Support」代表。日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。臨床検査技師でもある。化粧品メーカーの開発部に勤務中、29歳で結婚。30代で不妊治療を経て出産。治療のために退職した経験から、現在は不妊や妊活に悩む女性のための講座やカウンセリングを行なっている。著書に『あきらめない妊活〜キャリアと不妊治療を両立させる方法』がある。