人の骨格まで…! AIや3D画像解析を用いた踏切安全システム 西武鉄道が12月から試験
そして学習もします、AIなので。
2種類のシステムを3か所の踏切で
西武鉄道の電車(画像:写真AC)。
西武鉄道は2021年12月から翌2022年3月末まで、AIや3D画像解析を用いた踏切安全システムの導入試験を3か所の踏切で実施します。主に「人の滞留」を検知するといい、その際は接近する列車へ停止信号を現示します。
池袋線の池袋第9号踏切(東京都豊島区)に14日(火)から設置されるのは、踏切滞留AI監視システムです。踏切内の人をカメラ映像からAI処理し、物体の形状を認識します。ここで用いられる「骨格検知」は、ディープラーニングによる画像中の関節点抽出や各関節点の接続状態推定により、画像内の人の骨格を検知。関節点間の繋がりの強さも学習することで、高精度での人の検出が可能になります。また、低照度カメラを採用するため夜間も鮮明な画像解析が可能です。
同じシステムは16日(木)から、同線の所沢第3号踏切(埼玉県所沢市)にも導入されます。
新宿線の井荻第2号踏切に12月21日(火)から設置されるのは、3D画像解析踏切監視システムです。左右2つのレンズを内蔵した3Dカメラによる画像解析で、左右カメラの視差により、人の目と同様に距離や高さなどを認識できます。体積のない光や影は検知できないため、自然環境に左右されない安定した運用が可能です。
2種類のシステムを並行して試験するのは、2022年度以降、各踏切の状況に適合した検知システムの導入を目指すため。西武鉄道は「従来の支障検知装置と比較して容易かつ安価に設置することができる」とし、「導入試験の結果を踏まえ、踏切の安全対策強化を推進してまいります」としています。