乗駕行動をAI分析→通知 牛の発情を触らず検知 ファーマーズサポート開発

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 畜産など第1次産業のシステム開発を手掛けるファーマーズサポート(鹿児島市)は、人工知能(AI)を搭載したカメラを使って雌牛の乗駕(じょうが)の許容行動を検知する、非接触型の発情検知システムを開発した。非接触型のシステム開発は全国で初めて。発情を検知すると、生産者のスマートフォンやタブレットに通知する。高精度の映像監視で発情行動を見極めて、受胎率の向上につなげる。

受胎率向上へ 見回り省力化も

 新システムは、牛の発情行動で一番分かりやすい乗駕行動(牛に乗ったり乗られたりする行動)に着目した。AIカメラを畜舎に設置し、取得した画像データから乗駕行動をAIで分析。発情かどうかを判別する。

 農家の代わりにAIカメラが乗駕行動を監視することで、発情を見逃さずに人工授精を行うことができる。牛に直接、機器を付けないので牛にも人にも負担が少ないという。

 発情を検知すると、スマホなどの専用アプリ「MOOVIE」に通知音・メッセージが送信される。夜間(午後10時〜午前7時)は、文字をやりとりする「チャット」にだけ通知される。画像はクラウド内に保存されるため、過去の画像も見ることができる。

 雌牛の発情周期は18〜23日で、発情期以外では受胎しない。このため、発情を見逃し人工授精のタイミングを逸すると、次の発情まで平均21日の遅れが発生。出産数の減少や餌代の増加など経営的な損失となる。1戸当たりの飼養頭数が増える中、発情行動の監視は、農家の大きな負担となっていた。

 同社では開発に当たり、2019年10月から県内3カ所の繁殖農家で実証実験を続けてきた。この結果、90〜95%の高い精度で発情を検知し、受胎を確認した。

 同社の春日良一社長は「見回りにかかる労力を削減でき、発情行動を正確に検知することで受胎率の向上が期待できる」と話す。

 問い合わせは同社、(電)099(202)0610。(かごしま)