なぜ?日本で“音声メディアが流行りきらない理由”を茂木氏が解説

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脳科学者の茂木健一郎氏が、日本での音声メディアの広がりに関するツイートを投稿。日本では、音声コンテンツの市場規模は拡大しているようですが、アメリカに比べるとやや劣っているとのこと。

それには、日本人のメディア媒体に対する価値観の捉え方も関係しているようです。

音声広告の効果と市場規模の拡大

少し前に日本でもClubhouseなどの音声メディアが話題になりましたが、最近では音声メディアが勢いを見せています。

デジタル音声広告を提供している株式会社オトナルのコラム(※1)によると、アメリカのインタラクティブ広告協議会IABの調査によれば、「2016年の音声広告による広告収入は11億ドルですが、2017年には66%増の18億ドルに増加しています。2018年はさらに23%増加し年間約22億ドルに、2019年は21%増で27億ドルに、2020年では13%増で30億ドルに成長しています」とのこと。

日本においても、デジタルインファクトが行った調査によれば、「2020年2〜3月にデジタルインファクトが行った調査によると、日本国内でのデジタル音声広告の市場規模は2020年時点で前年比229%、16億円規模になると予測されています」とのこと。急速に伸びてはいるものの、アメリカの市場規模を考えるとまだまだ小さいマーケットのようです。

茂木氏「大切なのは音声から伝わる概念とアイデア」

茂木氏は、Voicyの代表取締役である緒方氏との対談で議論になった「日本では今のところ音声市場がアメリカに比べると立ち上がり切れていない」という点をTwitter上でも指摘。

先日、VoicyのCEOの緒形憲太郎さんが私の番組「ドリームハート」にゲストでいらした時、ボイステックの話になり、日本では今のところ音声市場がアメリカに比べると立ち上がり切れていないというポイントに議論が及んだ。そこで問題になっているのは、「概念」とか「アイデア」の価値の違いだと感じた。

- 茂木健一郎 (@kenichiromogi) October 13, 2021https://platform.twitter.com/widgets.js

また、「昨日の池上高志さんとの会話でもそうだけれども、大切なのは概念であり、アイデアである。その情報は音声でほぼ尽きていて、動画は補助的なものでしかない。そのようなもので訴求するのがPodcastに象徴される音声市場であるが、日本ではそれよりも視覚の市場の方が中心になっていると緒方さんはいう」と指摘。

日本で音声市場が立ち上がり切れていない原因として“「概念」とか「アイデア」の価値の違いだと感じた”と明かしました。

さらに、茂木氏は「視覚中心だと、どうしても編集や演出などが問題になる。一方、ただ話すのであるならば、編集は基本必要がない。そのかわり、ごまかしは聞かず、その人の考えていること、人柄などがそのまま表れてしまう。昨日池上高志さんとやったラジオ放送、およびその動画記録はそちらだった」と実体験を交えながら、音声コンテンツの特徴について言及しました。

【画像・参考】
※fizkes/Shutterstock
※@kenichiromogi/Twitter
※1 音声広告の効果とその可能性とは?拡大する市場規模