ワクチン証明をコンサートで活用…!? 賛成の声もあるが「差別」との声も!

日本でもワクチンの接種率が上がりつつありますが、ワクチン接種済であることを証明する“ワクチン・検査パッケージ”を活用した新たな取り組みが始まろうとしています。
以前に、感染症対策分科会もワクチン証明について前向きな見方をしていることが発表(※1)されたことは記憶に新しいのではないでしょうか。
報道(※2)によると、コロナ禍で規制されていた大規模イベントの開催に向けて、観客数を上乗せした実証事業を行うようです。このワクチン証明を活用した本格的な実証事業について、私達はどのように捉えることができるでしょうか。また、どのような可能性が考えられるでしょうか?
大規模イベントでワクチン証明書活用か
10月8日のNHKの報道(※2)によると、“政府は新型コロナウイルス対策で制限を段階的に緩和していく方法として、ワクチンが接種済みであることなどを証明する「ワクチン・検査パッケージ」を活用して、今月、千葉市で開かれる大規模なコンサートで、観客数の上限を上乗せする実証事業を行う”とのこと。
また、「政府は新型コロナウイルスの拡大防止のため、ガイドラインで大規模なイベントの観客数の上限を1万人」と定めているものの、“今回は制限を段階的に緩和していく方法として、ワクチンが接種済みであることや、検査で陰性だったことを証明する「ワクチン・検査パッケージ」を活用し、観客数の上限を上乗せする実証事業を行う方針”と説明されていました。
今回、対象となるイベントは、“10月23日に千葉市の幕張メッセで開かれる「L’Arc〜en〜Ciel」のコンサート”と述べられていました。ファンからは、イベントで安全性を証明したいという声もみられましたが、人数が多いために感染リスクを心配する声もいくつかみられました。
実際に海外のいくつかの国では、ワクチン接種を証明する「ワクチンパスポート」が活用されており、スポーツ観戦や劇場、ホテルなどの利用に使われているようです。これを機に、日本でも本格的なワクチン証明の導入に繋がるかどうか関心が集まっています。
ワクチン証明に関する人々の反応
ワクチン証明の活用について様々なTwitterでは反応がみられました。
肯定的な意見として、「これはほんとにすごい事 ライヴやフェスの悪いイメージを払拭するチャンスでもある」という声が。
実証事業から安全性が証明され、ライブなどの大規模イベント活動を実施できるようになれば、飲食店やホテルなどにも経済的に良い影響を与えると考えられます。コロナ禍で活動の場を奪われてしまったアーティストへの支援にもなり、上手く運用することができれば、イベント規制の更なる緩和にも繋がるかもしれません。
しかし、自由選択であるはずのワクチン接種が、接種した人とそうでない人との間で待遇の差が生まれてしまい、強制的なものになりかねない可能性もあります。
否定的な意見としては、“差別、不利益、人権侵害です。接種は「希望」するかしないか。こういう実験からその先の管理・強制社会へ、進んでいきますよ”との声も。
ワクチン接種の有無を基準に物事を管理するのは、強制的なイメージに繋がるのではないかという懸念がされており、人権侵害にも関わるのではないかとした見方がされていました。コロナへの感染リスクと、経済効果のバランスの取れた見方が必要となってくるかもしれません。
やはり、ワクチン証明が実用的なものとなれば、接種した人とそうでない人の間で差別が生じてしまう可能性があります。行動に制限が生まれることで、間接的にワクチン接種を促すことができるかもしれませんが、強制的なものになってしまうのではないかという懸念が残ります。
そもそも、イベントの開催にはワクチン証明以外にも、これまで通りの基本的な感染対策を行うことも不可欠でしょう。ワクチン接種の有無だけでは無く、そのような感染対策もしっかりと行っていくことで、ワクチンを接種していない人にも配慮できるかもしれません。
いずれにせよ、接種の有無にかかわらず、全ての人が安全に楽しめるような取り決めが必要ではないでしょうか。
【画像・参考】
※Melinda Nagy・Evgenia Parajanian/Shutterstock
※1 vaccine_nichijou.pdf
※2 大規模コンサート ワクチン証明活用で観客数上乗せ 実証事業へ | 新型コロナウイルス | NHKニュース
※@hYCTCsttRIi19MF・@torimairoiro/Twitter