Google「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」が日本で発売! 独自チップでカメラとAIが超進化
Google 日本法人(グーグル)は、Androidスマートフォン「Pixel 6」と「Pixel 6 Pro」を10月28日に発売すると発表。グーグル直販のGoogle ストアなどで取り扱われます。Google ストアでの直販価格は以下の通りです。
Pixel 6 128GB:7万4800円(税込)
Pixel 6 256GB:8万5800円(税込)
Pixel 6 Pro 128GB:11万6600円(税込)
Pixel 6 Pro 256GB:12万7600円(税込)
また、携帯キャリアではソフトバンクとauがPixel 6シリーズを販売。ソフトバンクは、Pixel 6とPixel 6 Proの両機種を取り扱い、auはPixel 6のみを販売します。
カメラが際立つ新デザイン
Pixel 6シリーズは、これまでのPixelシリーズからデザインを一新。カメラが際立つ新たなデザインを採用しました。
とりわけ目を引くのは背面の「カメラバー」。太帯のように出っ張った外観に、カメラユニットが収まっています。
Pixelシリーズはもともと、グーグルが作ったスマホであると同時に、「カメラが優秀なスマホ」としても認知されてきました。今回のカメラバーのデザインは、その強みを外観でも表現しています。
カラーはPixel 6がStormy Black(嵐のような黒)、Sorta Seafoam(波の花っぽい白)、Kinda Coral(ちょっと珊瑚っぽいピンク)の3色(括弧内は筆者による意訳です)。背面はガラス素材で、しっとりとしたマット調の仕上げです。
Pixel 6 ProはStormy Black、Sorta Sunny(お日様っぽい黄色)、Cloudy White(雲のような白)の3色展開となっています。Pixel 6 Proの背面はガラス素材をつややかなポリッシュ加工で仕立てています。
なお、別売りでシリコン素材の純正ケースが販売されます。Google ストアでの価格は3630円(税込)で、Pixel 6向けに3色、Pixel 6 Pro向けに4色が用意。このケースはカメラバーの部分がくりぬかれており、ケースに入れてもバーが引き立つようにデザインされています。
6インチ以上の大画面で高速駆動のディスプレイ
画面サイズはPixel 6が6.4インチ(縦横比20:9)。また、側面まで平らなディスプレイを採用しています。
一方のPixel 6 Proは6.7インチ(縦横比19:9)で、左右の側面にかけてディスプレイが回り込むエッジディスプレイです。どちらも2021年のAndroidスマホの中ではかなり大柄な部類に入ります。
ディスプレイでは大きさだけでなく、駆動速度も異なります。Pixel 6は最大90Hz駆動、Pixel 6 Proは最大120Hz駆動。Pixel 6 Proの方がより滑らかに画面表示が可能です。
壁紙から色を抽出して、スマホ全体のカラーテーマを設定するAndroid 12
Pixel 6シリーズが搭載するAndroid 12は、「Material You」という新たなデザインシステムに対応し、装いがガラッと変化しています。
このMaterial Youの特徴は、その人らしさを全面に表現できること。たとえば設定した壁紙から色を抽出して、アプリのアイコンやウィジェット、通知エリアや設定の配色などスマホ全体のカラーテーマを設定できます。
Android 12にはこのほかにも、スマホの中の情報をまとめて検索できる新たなシステムや、セキュリティ関連の管理機能を集約した「セキュリティハブ」など、多くの新機能が追加されています。
AI処理能力を高めた“Google チップ”を初搭載
Pixel 6シリーズは、デザインを変えただけでなく、その中身も大きく変化。グーグルが独自にカスタマイズしたプロセッサー「Google Tensor」を初搭載します。
Google Tensorは、スマホの主要な処理機能を集約した統合チップセット(SoC)です。スマホのさまざまな機能を担う重要な部品ですが、グーグルがこだわったのは「TPU」と呼ばれる、いわゆるAI処理(ディープラーニング)を担うチップ。このTPUはグーグルが独自に回路を設計して、性能を高めています。
また、写真に関わる重要な部品「ISP(イメージシグナルプロセッサー)」や省電力なAI処理ユニット「コンテキストハブ」もSoCに統合して、省電力性能と処理性能を向上させています。
また、ハッキングなどの対策として、Google Tensorの中にセキュリティチップを統合しているほか、独自設計のセキュリティチップ「Titan M2」も搭載。Titan M2は、指紋認証のための情報やパスワードなどを、高度なハッキングから守れるチップです。
動く被写体の顔をしっかり描写するなど、AIで強化されたカメラ
Pixelシリーズが強みとしていたカメラは、ハード、ソフトの両面から強化されています。
標準モデルのPixel 6は超広角+広角のデュアルカメラ構成。上位モデルのPixel 6 Proはそこに光学4倍の望遠レンズが加わったトリプルカメラを搭載します。この望遠カメラはいわゆるペリスコープ構造(潜望鏡構造)で、望遠レンズが横向きに配置されています。
カメラのハードウェアとしての性能は、従来モデルから大きく向上しました。たとえば広角レンズのイメージセンサーは1/1.31インチで50メガピクセルという、スマホの中では最大クラスのセンサーを搭載。前モデルと比べて2.5倍多くの光を取り込めるようになっています。
そして、グーグルが得意とする「コンピュテーショナル・フォトグラフィー」のアプローチはもちろんPixel 6シリーズも受け継いでいます。コンピュテーショナル・フォトグラフィーとは、ソフトウェアやAI処理を通じて写真の画質を高めるという設計思想です。たとえばデジタルズームをAIの力で強化する「超解像ズーム」はわかりやすい一例と言えるでしょう。
そんなカメラでは、いくつかの新機能が追加されています。なかでも、「モーション モード」はGoogle Tensorの高いAI処理能力を生かしたもので、Pixel 6シリーズ限定の機能です。これは、動きのある被写体をビシッと写真に収めるもので、たとえば駆け抜ける犬の躍動感を表現しつつ、顔だけはしっかり描写する写真を撮影できます。また、長時間露光で夜景を流し撮りしつつ、手前にいる人物はしっかり描写するといったような、これまでにない表現も可能です。
このほか、どんな肌の色の人もその人らしい美しさを引き立たせる「リアルトーン」に対応。夜景モードも強化されています。
また、Pixel 6シリーズのGoogle フォトでは映り込んだ通行人などを検出して写真から消せる「消しゴムマジック」という新機能を搭載しています。
ついに「日本語の文字起こし」が可能に
AI処理能力の強化は、文字起こしや翻訳機能といった分野にも生かされています。
レコーダーアプリではついに「日本語の文字起こし」が可能となりました。話し言葉をリアルタイムで文字化して表示する機能で、これまでは英語のみに対応。この文字起こし機能は笑い声なども検出することができるようになっており、録音された会話の中でも盛り上がったところを検索といった使い方も可能です。
文字起こしは端末内のAI処理で行われており、機内モードにしても利用可能。また音声が外部のサーバーで読み取られたり、データ通信を使いすぎたりする心配はありません。
一方の翻訳機能はGoogle製アプリのいたるところで活用されています。Google翻訳では会話モードとして、2つの言語を認識して双方の言葉で翻訳する機能があるほか、Google レンズではカメラで写した外国語やスクリーンショットから文字を読み取って翻訳できます。Pixel 6シリーズはGoogle Tensorによって、この翻訳の速度も向上し、消費電力は従来の2分の1になっているとしています。
音声入力はもっと実用的に
AIの力によって認識能力があがった音声入力は、さらに使いやすくなるよう改良されています。入力したテキストの修正したい部分をなぞってから音声入力して、入力し直せるようになりました。
また、一部の絵文字はたとえば「ハートの絵文字」と発音して入力できるほか、SMSアプリでは「CCに田中さんを追加」といったような操作も音声で対応できるようになっています。
国内版はおサイフケータイにも対応
Pixel 6シリーズの国内版は過去の製品と同様に、おサイフケータイをサポートします。モバイルSuicaやiD、nanaco、WAONといった電子マネーが利用可能です。
もちろん防水防じん仕様となっており、IP68相当の規格に準拠しています。
また、SIMはnanoSIMカードに加えて、eSIMもサポート。nanoSIMとeSIMの2回線同時待受にも対応します。
Pixel 6とPixel 6 Proの違い
Pixel 6とPixel 6 Proの大きな違いは、大きさ、カメラ、ディスプレイ、仕上げ、5G通信性能の5点です。
おさらいすると、Pixel 6が画面サイズ6.4インチで90Hz駆動、Pixel 6 Proは6.7インチで120Hz駆動のディスプレイを搭載。背面カメラはPixel 6が超広角、広角の2眼カメラで、Pixel 6 Proは光学4倍望遠カメラが付いた3眼カメラになっています。
ディスプレイの形状は、Pixel 6がフラット、Pixel 6 Proがエッジディスプレイを採用。背面はPixel 6がマット調の仕上げ、Pixel 6 Proは光沢感のある仕上げです。
5Gの通信では、Pixel 6がサブ6エリアのみ対応となっているのに対して、Pixel 6 Proはサブ6エリアとミリ波エリアの両方に対応します。なお、日本での5G対応については発売当初はau網とソフトバンク網のみに対応しており、アップデートで他社の周波数帯に対応する予定となっています。
【フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは閲覧できません。