Dieting concept with fork and meter

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 ダイエットや健康づくりのために、糖質制限や脂質制限に取り組もうかと考える方も多いのではないでしょうか?「●●制限」という方法には、メリットだけでなくデメリットもあるため、取り組む前にはどちらも知っておいてほしいものです。今回は、糖質制限や脂質制限に関するメリット・デメリットや、取り入れ方のポイントについて解説します。

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糖質制限のメリット・デメリット

糖質制限とは、米やパン、麺、芋類などの糖質を含む食品を制限し、そのほかの肉や魚、大豆製品などのたんぱく質源や野菜を中心にした食事法です。

糖質制限のメリット・デメリットは以下のことが考えられます。

メリット
糖質制限は、エネルギー源の大半を占める糖質をカットするため、大きくカロリーカットすることができます。体重が落ちやすい場合が多く、とくにご飯やパン、麺などの糖質を含む食べ物を多くとっていた方は効果が表れやすいでしょう。

また「糖質を含む食品を減らすだけ」でよいとされているため、食事全体をカロリーコントロールするのに比べると、取り組みやすいと感じる方も多いようです。

そして糖質を含む食品以外は、比較的自由に好きなものを食べられるため、食事の満足感を味わいやすいことも、糖質制限が人気の理由のひとつです。

デメリット
糖質制限は体重が落ちやすい反面、通常の食事に戻すとリバウンドの可能性が考えられます。また急激に体重を減らしてしまうと、筋肉量まで減らしてしまい、基礎代謝量を落としてしまう恐れもあります。

また糖質以外の栄養素の摂取量が増えることになるため、脂質やたんぱく質を過剰摂取してしまいがちに。脂質の摂りすぎはコレステロール値の上昇に繋がり、タンパク質の摂りすぎは腎機能への影響 が否定できません。さらに、脂質やタンパク質の中心の食生活は、腸内の悪玉菌を増やし、腸内環境を乱してしまう一因 ともなります。

ほかにも、脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足し、集中力低下やイライラなどの原因となることが あります。

脂質制限のメリット・デメリット

脂質は1gあたり9kcalと、糖質やたんぱく質に比べるとカロリーが高くなります。カロリーの高い脂質を制限することで、カロリーカットする方法が脂質制限です。

調理に使う油を減らすだけでなく、肉や魚、乳製品は脂質の少ないものを選ぶなどし、脂質の量をコントロールします。

脂質制限のメリットやデメリットには以下のようなものが考えられます。

メリット
糖質制限に比べると、カットされるカロリーが少ないため、体重減少がゆるやかになる場合が多くなります。効果を感じにくい、という方もいるかもしれませんが、体重減少がゆるやかな方がリバウンドしにくく、カラダに負担をかけずに体重を減らせるでしょう。

またご飯やパン、麺などの糖質を含む食品は制限の必要がない場合が多いため、これらが好きな方は取り組みやすいこともメリットです。

そして血中コレステロール値が高い方は、肉や乳製品から摂る脂質が減ることで、コレステロール値の低下が期待できます。肉や乳製品に含まれる脂質は飽和脂肪酸といい、コレステロール値を上げてしまうことがわかっています。

体重だけでなく、健康面が気になる方にもメリットがある方法といえるでしょう。

デメリット
脂質はカラダに必要な栄養素のため、極端に制限することでさまざまなデメリットがあります。

まず、脂溶性ビタミンの吸収を悪くしたり、 ホルモンや細胞膜の材料が不足したり といった影響が考えられます。

また青魚やオリーブ油に含まれる不飽和脂肪酸は、体内で合成できないため食べ物から摂る必要がありますが、これらも不足してしまう可能性があります。不飽和脂肪酸は悪玉コレステロール値を下げる作用があるため、積極的に摂りたい脂質です。

さらに、脂質は消化に時間がかかるため、適度な脂質は腹持ちをよくさせてくれます。脂質を制限しすぎることで、空腹を感じやすくなり、 ストレスに感じる方もいるでしょう。

糖質制限・脂質制限の取り入れ方のポイント

糖質制限、脂質制限どちらにおいても、極端な制限をするとデメリットの影響が大きくなります。取り入れる際はデメリットをしっかりと理解し、極端に制限せずに「ゆる制限」からはじめてみるのがよいでしょう。

また制限に取り組む前に、自身の食生活で改善できるところがないか振り返ることも大切です。糖質や脂質を摂りすぎている場合は、極端に制限するのではなく「標準の量に減らす」ことでも効果が期待できます。

もし「自分がどのくらい糖質や脂質を摂っているかわからない」という方は、あすけんアプリで食事記録をしてみて、自分の食生活を把握するところから始めてみるのもよいですよ。

極端な制限は効果が出やすい反面、やはりカラダに負担をかけてしまいます。取り入れる場合は「ゆる制限」からはじめてみて、自分に合った、長く続けられる方法を探してみましょう。

※通院治療を受けている方は、独断で取り組んでしまうと思わぬ健康リスクを引き起こす恐れがあります。必ず主治医に確認するようにしましょう。

【参考・参照】
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)

「あすけんダイエット - 栄養士が無料であなたのダイエットをサポート(www.asken.jp)」

[文:あすけん 管理栄養士]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。