缶詰博士によると、さば缶がこれほど人気を集めた理由のひとつは「料理にも使えるから」だそうです。試しにレシピサイトを見てみたら、さば缶で作るキーマカレーや鍋物など、何通りもの料理が並んでいました。

「僕も料理は好きだけど、正直、手抜きしたいときもある。そんなときはこれ、さば缶専用レトルトが便利です」

そういって取り出したのはレトルト食品。あれ、そのパッケージには見覚えがありますよ。

→これまでのお話はこちら

(右)マルハニチロ/さば缶とたべるスンドゥブの素 105g 173円 (左)マルハニチロ/さば水煮 190g 260円


○常備品になりそう

この連載で9月17日に紹介した「さば缶とたべるトマトスパイスカレーの素」というレトルトカレーを憶えてますか? 具に「さば水煮缶を使いなさい」と指定してくる、非常に特殊なレトルトカレーであります。

あれが誠に美味しかったので、今日は同じシリーズの「さば缶とたべるスンドゥブの素」を紹介したい。

スンドゥブといえば、豆腐をおいしく食べるための韓国料理。日本でも専門店がチェーン展開しているくらい、人気の料理であります。

それがレンチンするだけで作れるのだから、ありがたいですなァ。

開封時の様子(浮かんでいるのはあさり)


○即、臨戦態勢

パウチを開けたら、とたんに濃厚な匂いが拡散した。魚介の出汁、コチュジャン、にんにくなど、気持ちが昂ぶる系の匂いがまとまって襲いかかる。こっちも即、臨戦態勢である。

カレーのスパイシーな匂いも昂ぶる系だけど、韓国料理の匂いも負けてない。何だか分からぬが「やったるどー!」と叫んでおいた。

さば缶と絹豆腐をMix


○残さず使いなさい

昂ぶった気持ちを一旦落ち着けて、パウチに書いてある作り方を読む。まずは耐熱皿に豆腐、さば水煮缶を"汁ごと"入れる、とある。

さば缶は汁もおいしいのだ。それだけでなく、さばの栄養素のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)も溶け込んでいるから健康にいいし、さばの出汁だって出ている。

そんな魅力的な汁ゆえ「残さず使いなさい」と、マルハニチロは指定しているのだ。さすが缶詰メーカー、分かってらっしゃる。

スンドゥブの素をかける


○野菜を加えてグレードアップ

上からスンドゥブの素をかける。さばと豆腐だけの静謐(せいひつ)な世界が、再び戦闘モードになった。

ふと思い付き、冷蔵庫にあった小松菜を加えた。グリーンが加わったことで、戦闘モードが徐々に平常モードに移行していく。野菜が加わったことで、仕上がりもきっとグレードアップするだろう。

あとは上からラップをし、電子レンジで加熱するだけだ。500wなら約2分、600wなら約1分40秒だそうだ。

白ごはんと一緒に


○魚介系エキスの炸裂

かくのごとし。加熱されたことで、さばと豆腐から水分が出てきて、スープの量が増えた。スプーンでひと口分をすくっていただくと、うーん……。

「ウマい!」(マンガ『鬼滅の刃』に出てくる煉獄さんの声で言ってください)

ピリ辛で、甘さもあって、飲み込んだあともしばらく口中がおいしいままである。何しろ、あさりのうま味が利いていたスープにさばの出汁まで加わったのだ。魚介系エキスの炸裂である。

今度は、さばと豆腐と小松菜をすくい、汁ごと白ごはんにぶっかけて、ぞぞっとすすり込む。

「ウマい!」(もう1回、煉獄さんの声で言ってください)

缶詰情報

マルハニチロ/さば缶とたべるスンドゥブの素 105g 173円

一部のスーパーやネットショッピングなどで購入可

缶詰博士 かんづめはかせ 昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。 この著者の記事一覧はこちら