『葵上』『弱法師』 -「近代能楽集」より- ビジュアル

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2021年11月8日(月)~28日(日)東京・東京グローブ座、12月1日(水)~5日(日)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演される、『葵上』『弱法師』 -「近代能楽集」より-。本公演のチケット一般発売に先駆け、メインビジュアルが解禁された。

全八編の短編戯曲から成る三島由紀夫の代表作「近代能楽集」。能の物語を現代の設定へと落とし込みながら、現実世界を超越した能の幽玄さが違和感なく融合する独特の世界観が、演劇的にも最大の魅力と称されている。
その中の一編『葵上』は、「源氏物語」を原典に、時代を超えても変わることのない、嫉妬や欲望、情念など、心の内に秘められた闇を生々しくも幻想的に描いている。さらに『弱法師』は終末観に腰を据えた青年が、いかに大人の世界に復讐するかを軸に、滑稽にも見える両親とのやり取りと、主人公がこの世の終わりを語り、現実的なもの全てに対する敗北を表す最後の台詞が印象的な作品となっている。

本作で主演を務めるのは、舞台単独初主演となるKing & Princeの神宮寺勇太。『葵上』では美貌の青年・若林光を演じ、『弱法師』では戦火で視力を失った二十歳の青年・俊徳という、これまで数々の名優たちが演じてきた役に挑む。

共演は、2016年の『魔術』以来5年ぶりの舞台出演となる中山美穂が、『葵上』では光のかつての恋人・六条康子を、『弱法師』では俊徳を救おうとする調停委員・桜間級子を演じる。さらに『葵上』には、佐藤みゆき、金井菜々、『弱法師』には篠塚勝、木村靖司、加藤忍、渋谷はるかと、若手からベテランまで実力派キャストが結集した。

演出は、これまでトークイベントやリーディング形式の上演で「近代能楽集」の作品を紐解いてきた宮田慶子が務める。

この度解禁となったビジュアルは二作品をイメージしており、神宮寺と中山にまといつく光の軌跡が、『葵上』では生霊、『弱法師』では傲慢さなど、それぞれの作品の根底に流れる“執着心”を表現している。

国内のみならず海外でも評価の高い三島由紀夫の代表作で、ストレートプレイ初挑戦の神宮寺と、2回目の挑戦となる中山が、どのような姿をみせるのか注目しよう。