Netflixで配信中の韓国ドラマ「イカゲーム」が世界中で人気を集め、配信開始からわずか17日で1億1100万人の視聴者数を記録しました。しかし、視聴者数増加に伴う韓国内での通信量増加を受け、韓国通信会社のSKブロードバンドはネットワーク使用料の支払いを求め、Netflixを提訴しています。

S.Korea broadband firm sues Netflix after traffic surge from 'Squid Game' | Reuters

https://www.reuters.com/business/media-telecom/skorea-broadband-firm-sues-netflix-after-traffic-surge-squid-game-2021-10-01/



Netflix calls Squid Game its ‘biggest ever series at launch’ - The Verge

https://www.theverge.com/2021/10/12/22723452/netflix-squid-game-biggest-ever-show-at-launch

韓国の映画監督であるファン・ドンヒョク氏が10年以上かけて作り上げたというドラマ「イカゲーム」は、Netflixで配信が開始されて以降累計1億人以上の視聴者数を記録し、94カ国の視聴者数ランキングで1位を獲得。「最初の4週間で視聴者数が1億人を超えた初めてのドラマ」と伝えられる人気ドラマです。

イカゲーム配信前の2020年、NetflixはSKブロードバンドに対し、ネットワークの使用に関してSKブロードバンドに使用料を支払う義務があるかどうかについて独自の訴訟を起こしていました。Netflixは「我々の義務はコンテンツの作成と、アクセス可能な状態にすることのみにとどまる」「使用料支払いの義務はない」と主張していましたが、ソウル中央地裁は「Netflixが対価を支払うことは妥当である」という判決を下しました。

「インターネットトラフィックの大部分を占めるNetflixはネットワーク使用料を支払うべき」とISPが主張 - GIGAZINE



Netflixはこれを不服として控訴。2021年10月、さらにSKブロードバンドが反訴し、裁判は泥沼の様相に。SKブロードバンドは「AmazonやApple、Facebookは使用料を支払っているが、国内通信量第2位のNetflixと第1位のYouTubeは支払っていない」「Netflixが支払うべき使用料は、2020年分だけで約272億ウォン(約26億円)に上る」と主張しています。

Netflixは発表した声明の中で「Netflixは約770億ウォン(約73億円)の投資と約5兆6000億ウォン(約5340億円)の経済効果から、韓国で約1万6000人の雇用を創出した」と述べています。控訴審は2021年12月から開始される予定です。