中国メディアは、中国の芸能界で当局による「粛清」が行われていることに関連して、日本のタレントの中国進出への影響について考察する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・Vista世界派は7日、中国の芸能界で当局による「粛清」が行われていることに関連して、日本のタレントの中国進出への影響について考察する記事を掲載した。
 
 記事は、近頃中国政府が始めた芸能界の「クリーン化」に向けた取り締まり活動に日本の芸能界も注目していると紹介。その発端は、今年5月に人気投票の権利がついた牛乳製品をファンたちが買い漁り、牛乳を飲まずに大量に廃棄する動画がネット上で拡散したことで、ファンコミュニティの乱れた秩序が社会で問題視されるようになり、中国政府も6月よりファンコミュニティの風紀を取り締まる行動を開始したと伝えた。
 
 その上で、ある日本の芸能事務所関係者の話として、新型コロナによって中国でコンサートやイベントを開催できなくなったことで、中国国内のファンクラブを立ち上げて周辺製品を現地のファンに購入してもらうことで売り上げを得ようとしていた日本のタレントたちは、中国当局の取り締まり強化によって中国市場で厳しい状況に陥っていると説明した。
 
 そして、現在多くの日本の著名タレントが中国国内のさらなるファン獲得を目指して微博などの中国のSNSにアカウントを作り、多い場合には数百万人のフォロワーを獲得していると紹介。「ファンコミュニティができれば、年会費の収入だけでなく、音楽製品や関連グッズ、ファンミーティング入場券などの販売収入を見込むことができる。一定数の会員が確保できさえすれば、お金はどんどん入ってくるのだ」という業界関係者の話を伝えた。
 
 記事は、現時点では取り締まりの対象に日本人タレントは含まれていないものの、今後取り締まりを受けるリスクが高まっていることにより、中国でファンクラブを開設して新たなビジネスモデルを構築しようとしていた日本の芸能事務所はすでに一斉に「退却の太鼓」を打ち鳴らしている状況だとしている。
 
 ファンクラブの扱いに加え、反日感情が高まる中でのセンシティブな言動に対する配慮など、日本のタレントが現在中国で芸能活動を展開する上で特に気をつけなければならない点は実に多い。特に歴史問題に絡む「問題発言」は今や「知らなかった」では許してもらえない状況であるため、細心の注意が必要だ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)