【車中泊のお供に】スズキ純正カータープ スペーシア・ギアで検証
純正アクセサリーのカーサイドタープ執筆/撮影:Hidenori Takakuwa(高桑秀典)撮影:Masanobu Ikenohira(池之平昌信)
空前のアウトドア・ブームも追い風となり、スズキのスペーシア・ギア、ジムニー/ジムニーシエラ、エブリイワゴン、ハスラーの人気は根強い。
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実用性の高さ、街中でも大自然の中でも映えるスタイリング、そして、4WD車の場合は悪路走破性などがアドバンテージポイントとなり、スズキのモデルの中でもアクティブな層に支持を得ている。
スズキ・スペーシア・ギアに、純正アクセサリーの「カータープ」を設営。屋外でありながら、直射日光を避けてリラックスできる空間が誕生。 池之平昌信
純正アクセサリーが充実している点も、数多くのユーザーを獲得した要因の1つだろう。
今回ピックアップした「カータープ」も、スペーシア・シリーズ、ジムニー/ジムニーシエラ、エブリイワゴン、ハスラーが対応車種となるスズキ純正品である。
税込み価格は3万9600円だ。
装着することで愛車の周囲にリラックス空間が拡がり、アウトドア・スタイルを、もっと楽しく、もっと便利に、そして、もっと個性的なものにすることができる。
さっそく、洒落たデニムブルーの外装色をまとうスペーシア・ギアに積み込んで、自然の中に出かけてみた。
どんな使い方ができる?
カータープとは、クルマの横側・リア部分に取付ける簡易テントのようなモノで、カーサイドタープとも呼ばれている。
タープの片側が地面についていて、反対側はクルマに覆いかぶさるような形状になる。
スズキ純正アクセサリーの「リラックスクッション」を2つ使い、スペーシア・ギアのなかに車中泊できる空間を用意。カータープとともに使えば、キャンプの楽しみ方が広がる。 池之平昌信
タープに張りをもたせるのは、しなった釣竿のような形のポール2本。
当製品は、これを交差するようにタープのポールスリープに通して、車両に立てかける。付属の吸盤でルーフサイドもしくはルーフ後端に固定するタイプだ。
日差しの強い時間には日除けになり、荒れ模様になれば雨除けになるので、キャンプやバーベキューなどを楽しんでいる際に急に天候が変化しても対応しやすい。
今回は、同じくスズキの車中泊向け純正アクセサリー「リラックスクッション」を用いて、車内に寝転べる空間を作ってみた。
自然の中で目覚めて、カータープが作り出すスペースで食事をしたり、タープ中央のフラップを開け、メッシュ窓から入ってくる風を感じながらひと時を過ごすのもいい。
アウトドア用のファミリーテントは、広くて、しっかりしたモノを購入しようと思うと5〜6万円必要な場合が多い。しかし、カータープならパーツ数が少ないから荷物にならないし、純正アクセサリーでありながら4万円弱の出費で済むので、本格的なテントが不要という方にはメリットもある。
設営時・収納時のサイズも確認しておこう。
サイズ/付属品/収納時の大きさ
1914年創業の老舗アウトドアブランドである「ogawa」とのコラボによって生まれた当製品は、展開時のサイズが幅約250cm×奥行約250cm×高さ約220cmとなる。
収納時のサイズは、幅約58cm×横約12cm×高さ約12cmで、製品重量は約2.5kg。本体はポリエステル製で、ポールはアルミ製だ。
本カータープは、幅約250cm×奥行約250cm×高さ約220cmというサイズ。収納時のようすも撮影することができた。 池之平昌信
付属品は、吸盤フック2個、ペグ2本、アンカーバッグ2個、収納袋といったもの。
ルーフレールにキャリアを装着した時はルーフサイドに取付け不可となり、カータープ装着時はエンジンを必ず停止することが使用条件となる。
実際に組み立ててみたが、折り畳まれているポールをまっすぐにすること、カータープ本体に2本のポールをクロスさせて通すまでは非常に簡単。
この作業はポールをまっすぐにする際に、手を挟まないように注意すれば、子どもたちでも行うことができる。
しかし、その先の作業にはコツと力が必要だ。
設営してみて分かったこと
設営するには、ポールにグッとテンションをかけ、カータープに張りをもたせる必要がある。
実はこのポールは、中空構造の釣竿のように長い円筒のパーツなのだ。
(左)張りをもたせる前の状態。忍者ハットリくんが空を飛ぶときの風呂敷がタープで、四肢がポールと思えばいい。(右上)タープの裾から垂れているクリップピン。(右下)円筒形のポールエンドまでそのクリップピンをグッと引っ張って挿入。するとタープにテンションがかかる。 高桑秀典
張りを維持するには、ポールの末端(釣竿でいう竿尻の尻栓を外した所)に、タープの裾から垂れているクリップピンを挿入する。しなったポールは戻ろうとするが、クリップピンがそれを許さない。
これを2本のポールについて行えば、きれいにピンっと張ったカータープになる。
ただ、強度のあるポールをしならせて、タープから垂れているピンをポールエンドの穴まで持っていくには、大人の力が必要だ。子育てした経験から言うと、おそらく中学校3年生以下の子どもでは、この作業は難しい。
そして、風が吹いている日はソロだとカータープ本体を持ち上げても扱い切れないし、吸盤でルーフに固定するにはもう1人居た方がいい。
ということで、設営する際にはそれなりのパワーが必要なので、風の強弱に関係なく、そもそも最初から大人2名で作業することをオススメしたい。
たまにキャンプ/車中泊をしたり、出先でバーベキューをするというアウトドア好きには、休日の過ごし方が広がるカータープなので、是非とも活用してみてほしい。
なお、こうしたカータープは車外に広げて使うものだから、駐車マスをこえての設営となってしまうので、自治体が運営する公営駐車場、高速道路のSA/PA、道の駅などでは、原則NGというのを理解しておこう。