この記事をまとめると

■最近クルマのリヤウインドウに貼られていた燃費と排ガスのステッカーが消えた

■もともとデザインを害するとオーナーからは不評

■なくなったワケではなく貼っても貼らなくてもいいという判断になった

もはやエコなのは当たり前の時代

 気が付いている方もいると思うが、クルマのリヤウインドウに貼られていた、いわゆる燃費と排気ガスのステッカーは最近出た新型車には付いていない。それぞれ、緑の地色で地球みたいなデザインの「燃費基準+●●%」というものと、青い地色で燃費基準と同じだ円の「低排出ガス車」とあって、基準に対して●●%低減と添えられた表示になっていて、かなりお馴染みだった。

 これら、いつから貼られているかというと、排ガスは2000年からで、燃費は2004年から。それぞれ1999年に基準が改定されたことによるもので、国土交通省としても、環境や資源に対する意識をもってほしいということから、けっこう大ぶりなステッカー(標章)を貼るようにしたという経緯がある。

 それが廃止となったのは、同じく国土交通省からの通達が各メーカーにあって、2021年4月1日以降の生産車は貼らなくてもよくなったから。貼らなくてもいいというのは、じつは貼ってもよくて、カタログに表記するか、従来のようにステッカーを貼ってもいいという二者択一になっている。

ユーザーからは不評だった!

 それなら引き続き、ステッカーでいい気はするが、某メーカーの担当者によると、「サイズが大きいものがふたつも並んでいて、ユーザーの評判はあまりよくなかった」というから、わざわざ従来の方式を踏襲する必要もないだろう。

 法律的なきっかけもあって、経済産業省と国土交通省が2021年3月末に施行した燃費基準の変更と税制改定がそれ。アメとムチとして話題になったもので、「新しい2030年度燃費基準の下で区分の見直しなどを行う」などとしたもの。簡単に言ってしまえば、税金の基準が変わるので、今までのふたつのステッカーとは異なってしまうわけで、作り変えて新しいものを貼るとなると、混乱するという判断もあるのだろう。

 詳しい人がステッカーを見れば、エコカー減税などでどれぐらい安くなるのかがわかるだろうが、一般ユーザーからしてみれば星の数や数字が大きかったりするといいのかな、程度だっただけに、廃止しても問題はないし、そもそも貼ることに法的根拠はないともしているので、なんとなく役割を終えたから、やめましょう感があるのも否めない。