西武ライオンズのドラフトの歴史を振り返る!「神ドラフト」「残念ドラフト」はいつ?

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 ドラフト巧者のイメージがある西武ライオンズ。主力選手の流出が多くても、ドラフトで獲得した選手が次々と台頭し、カバーしている印象だ。2000年以降のドラフト史を振り返り、「神ドラフト」「残念ドラフト」それぞれの年を探ってみた。

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神ドラフト=2001年


 
自由枠 細川亨(青森大)捕手
2 中村剛也(大阪桐蔭)内野手
4 栗山巧(育英)外野手
5 竹内和也(近江)投手

 4人の少数指名で3人が大当たり。2巡目の中村は、相撲取りのような体型で「おかわり君」の愛称とともに長距離砲として覚醒。本塁打王6度、打点王4度などを獲得し、19年には通算400本塁打に到達。満塁本塁打22本は2位王貞治に7本差をつける最多記録で、歴史に名を残すホームランバッターになった。

 4巡目の栗山はヒットマンとして開花。プロ20年目でプロ野球54人目となる2000本安打を達成した。何より主力選手の退団者が多い西武にあって、残留を選んだ中村と栗山の生え抜きコンビは「チームの顔」となり、ライオンズファンに深く愛されている。

 自由枠の細川は強肩と頭脳的なリードを生かして正捕手の座をつかみ、2004年、2008年の日本一に貢献。FA移籍したソフトバンクなど他球団でも活躍し、現役引退した20年まで通算1425試合に出場した。

残念ドラフト=2007年

【高校生】
4 武隈祥太(旭川工)投手
5 梅田尚通(鯖江)内野手
6 中田祥多(鳴門工)捕手
7 斉藤彰吾(春日部共栄)外野手

【大学・社会人】
1 平野将光(JR東日本東北)投手
3 藤原良平(第一工大)投手

 中田翔、佐藤由規、唐川侑己に高校生1巡目指名が集中した2007年。西武はスカウトの不正問題により上位2選手の指名権を剥奪(はくだつ)され、4巡目からスタートとなる厳しい戦いだったため、仕方のない部分はある。

 それでも高校生「最上位」指名の4位武隈が左の中継ぎとして20年まで319試合21勝59ホールドと奮闘。斉藤も守備と走力を武器に392試合出場。大学・社会人右腕の平野、藤原も1軍で見せ場をつくり、「残念ドラフト」というほど悪くないのだが、他の年に比べると見劣りする。

まとめ

 他球団と比較して、ドラフト当たり年が多い。涌井と片岡の04年、森と山川の13年も「神ドラフト」級で、レギュラークラスや主力投手が毎年1人以上出ている。手塩にかけて育てたスター選手が退団しても、補強はFAに頼らず、ドラフト戦略と育成でカバーする好循環が続いている。1980〜90年代の黄金時代ほどの圧倒的な強さはないが、Aクラス常連の座は常にキープ。2000年代に入って優勝5度。Bクラス6度でも、最下位は1度もない。ドラフトで成功している代表的な球団といえるだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]