医者から「“デルタ株”っぽいね」と言われ唖然… 20台後半女性のコロナ感染後の症状とリアルな実態【前編】

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東京都の感染者数がピークを迎えていた8月中旬、筆者は新型コロナウイルス(以下、コロナ)への感染が判明。医者からは診察時に、「デルタ株に感染した可能性がある」と言われました。今回は、そんな東京都内に住む筆者の(20代後半女性・既婚)のリアルな体験談を通して、コロナ感染後に待ち受けていた症状や実態をお伝えします。

最初に異変に気付いたキッカケとは

8月13日(金)、お盆休み中だった筆者は朝起きると空咳がでるようになっていました。

なんとなく喉がイガイガするような感覚があり、念のため体温を測ってみたものの、そのときは36.2℃と平熱だったため、「前日の夜、リビングでそのまま寝てしまったから夏風邪を引いたのかも……」くらいに思っていました。

その日は夫と動画鑑賞をするなどして、家でゆったりとした時間を過ごしていたものの、夕方になるにつれて“喉のつかえ”を感じ、軽い胸やけのような症状も出るように。

そして、夜になると全身に軽い倦怠感が感じられるようになったので、再度検温。すると、37.4℃まで熱が上がっていたため、買い置きしていた市販の風邪薬を服用し就寝。

診察予約がなかなか取れない

次の日、朝起きた時点で熱を測ってみると37.2℃と昨晩とほぼ変わっていなかったものの、全身の倦怠感と喉のつかえが増し、新たに吐き気や腹痛、鼻水、鼻づまりといった症状が続出。さらに、“ゴホゴホ”と本格的な咳が止まらない状態に。

そこで初めて、「これはただの風邪ではなく、もしかしてコロナかもしれない」と思うようになりました。ただ、この時点では、ネットやニュースでコロナの症状として報道されていた“嗅覚”や“味覚”の異常はありませでした。

その後、時間が経つにつれて症状が悪化。お昼ごろには体全体がズキズキと痛み、咳が止まらず、吐き気や喉のつかえもひどくなり、ベッドの上から動けない状態に。

そんな筆者を見かねた夫が、8月14日(土)のお昼過ぎに東京都の発熱相談センターに電話。8月中旬頃は東京都のコロナ感染者数がピークに達し、連日5,000人以上の人がコロナ陽性になっていたものの、夫が電話した際には1回目ですんなりと繋がったとのこと。そこで、夫が筆者の症状を伝え、コロナ陽性かどうか検査ができる病院を3つほど紹介してもらいました。

その後、夫が教えてもらった病院に電話で診察の予約を取ろうとしたものの、その時点で土曜日の13時過ぎだったこともあり、どの病院も診察時間が終了していました。また、病院に電話をかけても全く繋がらず……。

そのため、夫は病院のホームページを調べ、唯一枠が空いていた病院にネットで予約。ただ、お盆休みの期間かつ土日だったため、最短で翌々日の8月16日(月)の午後に診察を受けることになりました。

心当たりがあった「感染経路」とは…

発症から2日目の時点で症状が悪化していたものの、3日目を迎えたころには38.0℃〜38.9℃の間を行き来する状態に。そして、全身の痛みに加えて、止まらない咳により眠ることができず、ただ横になることしかできませんでした。

また、2日目のときはかろうじて“おかゆ”などを食べることができていたものの、3日目には喉のつかえや吐き気、腹痛が悪化。唾液を飲み込むのでさえも億劫になっていました。そんな状態だったので、食べ物はおろか水分を取ることも難しい状態に。

なお、3日目は発熱相談センターの担当者から「市販の風邪薬とカロナール(解熱剤)は飲んでも大丈夫」というアドバイスをもらい、家にあったカロナールと市販の風邪薬を飲みましたが、一向に熱は下がりませんでした。そうやって症状が重くなるにつれて、「これは本当にコロナかもしれない」「もしコロナだとしたら、どこで感染したのだろう」という不安や疑問が頭を駆け巡るようになり、横になりながらネットなどで平均的なコロナの潜伏期間などを調べていました。

すると、国立感染研究所などのデータを見るに、潜伏期間は平均約5日間とのこと。そこで、約5日前の行動を思い返してみたものの、かろうじて心当たりがあったのは2つ。

1つ目は、慢性蕁麻疹のため一か月に一度通院している内科併設の皮膚科。2つ目は、美容室でした。

どちらも発症から6日前の8月7日(土)に訪れたところですが、それ以外では基本的にテレワークかつ夫以外との接触はなし。直近では地元のスーパーに夫と出かけることが数回あったくらいで、その他では外出もしていなかったため心当たりがありませんでした。

もちろん、皮膚科も美容室も換気がされていて、マスクやアルコール消毒、検温といった感染対策も実施済み。ただ、同居している夫が感染していなことを考えると、単独で外出した上記2つの場所くらいしか感染経路として考えられるものがありませんでした。

医者から告げられた「デルタ株感染者の傾向」

発症から4日目、朝時点では38.4℃と高熱が続いており、3日目ほどではないもののキツイ状態が続いていました。その後、15時過ぎに夫が予約してくれた病院でようやく診察を受けることに。

病院で受付をすましたのち、カーテンで仕切られたPCR検査を受ける人専用の待合室に通され、5〜10分ほどしたのちに医者のいる診察室に入りました。

そこで全身の倦怠感や痛み、咳、鼻水・鼻づまり、吐き気、腹痛、頭痛などの症状を伝えたところ、医者から「腹痛はあるけれど、下痢はしていないのか?」と聞かれました。

筆者は吐き気や腹痛はあるものの、一回も下痢などはなかったためその旨を伝えたところ、「症状的にデルタ株っぽいですね」「デルタ株に感染した人の傾向として、下痢がないのに腹痛や吐き気の症状を訴える人が多いんですよね」と言われ、PCR検査を受けることに。

医者いわく「おそらく症状的にコロナ陽性と見て間違いなさそうなので、PCR検査を受けてください」「この場合は、PCR検査代は公費になります」とのこと。

検査では、鼻の奥に綿棒のようなものを入れられて検体を採取されたほか、血液検査とレントゲン検査を実施。検査結果は後日連絡すると言われ、その日は解熱剤(ロキソプロフェン&カロナール)や咳止め薬などの症状を緩和する薬をもらい、診察代5,000円ほどを支払って帰宅しました。

コロナ陽性が確定したものの、その検査結果に驚き…

病院からは「検査結果は明日の午前中くらいに伝えられると思います」と言われ、検査結果が出るまでの過ごし方に関する注意書きが書かれた書類をもらいました。そこには、検査結果が判明するまでは基本的に外出してはいけないことや、陽性後のフローなどが記載されていました。

そして、病院で検査を受けた3時間後の18時に病院から電話があり、「検査の結果は陽性でした」「この後、遅くとも明日中には保健所から電話があるはずなので、今後の対応などの詳細は保健所に伺ってください」「検査の詳細な結果は、明日再度ご連絡します」と言われました。

このとき、筆者は心の片隅で「本当はコロナではないのではないか」という希望を抱いていたので、「陽性」と言われた瞬間にかなりショックを受けたことを覚えています。

ちなみに、検査結果の詳細を後日病院より聞きましたが、「コロナ陽性かどうかは分かるが、変異株に感染しているかどうかは検査結果ではわからない」とのことでした。

おわりに

正直、「まさか自分がコロナ陽性者になるなんて……」と思っていただけに、コロナに感染したときはショックよりも驚きの気持ちの方が強かった筆者。

また、「コロナ感染後はどんな風に対応するのだろう」「コロナかもしれないときに、市販の薬を飲んでもいいのだろうか」「コロナの初期症状は風邪の症状と似ているというものの、具体的にどんな症状なのか」など、感染してみないとわからないことがたくさんありました。

なお、現段階ではワクチン接種も普及してきているとはいえ、まだまだコロナに感染するリスクはゼロとは言い切れません。だからこそ、今回の筆者のリアルな体験談をお伝えすることが、少しでも読者のみなさんの不安の解消や備えなどをする際の手助けとなれば幸いです。

©Teeramet Thanomkiat / EyeEm/gettyimages©Oscar Wong/gettyimages

文・とみー