睡眠専門家が“絶対に避けている夜のNG習慣”とは?「6時以降は米や小麦…」

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健康を維持し、質の高い日常生活を送るためには睡眠の質の向上が欠かせません。世界の様々な研究でも、睡眠不足や睡眠の質の低下と、病気のリスク上昇との関係が報告されています。

そこで、今回は、睡眠の質を高めるために筆者が夜にしないと決めていることをご紹介します。

スマートフォンの使用を控える画像:マハロ/PIXTA

人間が何か探し物を検索し、それを発見すると脳内で「ドーパミン」という神経伝達物質が分泌され、快楽を感じます。スマホで何かを検索しているうちにいつの間にか数時間経っていた、という経験をされたことがあると思いますが、あれはドーパミンによって脳が快楽を感じ、更なる快楽を求めて覚醒している状態だとノースカロライナ大学心理学教授のクリステン・リンドギスト氏は話しています(※1)

ドーパミンは別名「脳内麻薬」とも呼ばれていますので、就寝前にスマホを触ってドーパミンが分泌されると脳が覚醒し、眠りが浅くなってしまうことが考えられます。

また、画面が発するブルーライトは睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌開始を3時間遅らせ、分泌量に関しては緑色の光の約2倍も抑制するというハーバード大学の研究データもあります(※2)。就寝90分前にはスマートフォンの電源を切ることをおすすめします。

糖質の摂取は控える画像:A_Team/PIXTA

夕食時や就寝前に糖質を多く摂取すると、その時点で急激に上がった血糖値が睡眠中に急激に下がり、夜間低血糖の状態を引き起こす可能性があるでしょう。そうなると、睡眠の質や、翌日のパフォーマンスに大きな影響を及ぼすという研究結果があります(※3)。

夕方6時以降は米や小麦製品、スイーツ、果物はできるだけ摂らないことをおすすめします。

出典: 栄養睡眠カウンセラー協会カフェインの摂取は控える

カフェインは、眠気を催すアデノシンという物質の働きを止める(※4)ので、午前中に頭をすっきりさせるのに使うのは良いのですが、体内での半減期が5〜7時間ですので、夕方6時に飲んだコーヒーのカフェインは夜12時でも半分残っている状態(※5)になり、睡眠の質を下げてしまう可能性があります。

睡眠の質を考え、午後2時以降はコーヒーやエナジードリンクを飲まないようにするとよいでしょう。

睡眠と免疫の関係とは?

睡眠の質が低下すると炎症を引き起こすサイトカインの働きが活性化し、免疫不全を引き起こすという研究結果(※6)があります。

良い睡眠をとることで、免疫力を維持していきたいですね。

以上のように、睡眠の質の低下に関しては、様々な要因が複雑に影響し合っていますので、どれか一つを改善すれば良いというものではありません。

ただ、全てを一度に改善するのが難しい場合には、出来そうなところから始めて、少しでも睡眠の質を改善できるように心がけ、健康的な生活を送るようにして下さいね。

【参考】
※1 インターネット中毒の背後にあるドーパミンの衝撃 - フィナンシャル・タイムズ  January.04.2013
※2 青い光は暗い面を持っている - ハーバード・ヘルス・パブリッシング July.07.2020
※3 睡眠の質、翌日の機能に対する夜間低血糖症の影響 PMID: 22029460
※4 カフェインとアデノシン PMID: 20164566
※5 血清カフェインの半減期 PMID: 7361718
※6 睡眠と免疫機能 PMC3256323
※airdone/Shutterstock、マハロ・A_Team/PIXTA(ピクスタ)

睡眠専門家が“絶対に避けている夜のNG習慣”とは?「6時以降は米や小麦…」はWoman Wellness Onlineで公開された投稿です。

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