by Jan van IJken

光学機器メーカーのニコンが開催する顕微鏡写真に焦点を当てた写真コンテスト「Nikon Small World」の受賞作が発表されました。

Nikon Small World Announces the Winners of the 47th Annual Photo Competition, Image of an Oak Leaf Exterior Takes First Place | News | Nikon’s Small World

https://www.nikonsmallworld.com/news/nikon-small-world-announces-the-winners-of-the-47th-annual-photo-competition-image-of-an-oak-leaf-exterior-takes-first-place

Nikon Small Worldは1975年以来毎年開催されている写真コンテスト。光学顕微鏡による写真撮影に携わる人々の努力を認め、称賛する手段として始まったこのコンテストは、18歳以上で顕微鏡関連企業の関係者でなければ誰でも参加できます。芸術と科学が織り成す独創的な写真が集まり、第47回に当たる2021年度は合計103作が入選しました。

◆1位:サザンライブオークの葉の表面

アメリカに生育するオークの1種であるサザンライブオークの葉の表面を捉えた作品。イソギンチャクのように見える白い部分は毛茸(もうじょう)と呼ばれる葉の産毛で、紫色の部分は気孔、青色の部分は細胞液です。この作品を生み出したのはベイラー医科大学のジェイソン・カーク氏。カラーフィルターを通した照明を当てて撮影し、約200枚の写真を重ね合わせて1枚の写真を作成したとのことです。



by Jason Kirk

◆2位:マイクロ流体デバイス上の神経細胞

生物組織を培養するマイクロ流体デバイスの両側に異なるウイルスの形質を導入した神経細胞を置き、両者が軸索を伸ばしてつながろうとする様子を捉えた作品が2位に輝きました。



by Esmeralda Paric

◆3位:シラミのかぎ爪

生物学者のフランク・ライザー氏によって撮影された作品。カニ爪のようにも見えるシラミのかぎ爪と透ける体、体内に見える管状の呼吸器官をクッキリ捉えています。



by Frank Reiser

◆4位:ラットの感覚ニューロン

感覚刺激を伝達する神経細胞である感覚ニューロンを撮影した作品。この作品を生み出したポーラ・ディアス氏は、チリのカトリック大学ポンティフィシア大学の学生だとのこと。



by Paula Diaz

◆5位イエバエの吻(ふん)

世界中に分布する最も一般的なハエ「イエバエ」を捕らえ、口の周辺を写した作品です。まるで怪物のように見えるこの写真は、1位の作品と同じく写真の重ね合わせにより生み出されました。



by Andrea Tedeschi

このほかの作品は、以下の公式ページから確認できます。

2021 Photomicrography Competition | Nikon’s Small World

https://www.nikonsmallworld.com/galleries/2021-photomicrography-competition