コロナ禍で生活様式や働き方が変わり、仕事に対する意識が変化してきた昨今。自分の時間が増えてスキルアップに利用したり、新たな趣味を見つけたという人も多く、仕事よりも私生活を重視する人が多くなってきたようです。

株式会社アスマークが全国の会社員に行ったワークライフバランス(※)と仕事に対する調査によると、私生活重視派が5割強だったのに対し、仕事重視派はわずか1割程度。私生活と仕事は半々という人も3人に1人程度ということがわかりました。ではみんなの仕事に対する意識はどう変わってきたのでしょう。理想の上司像はどう変化しているのでしょう。コロナ禍で変わってきた意識の変化についてまとめてみました。

※ 本調査における「ワーク・ライフ・バランス」とは、仕事とプライベート(私生活)をどれぐらい重視しているか、どれぐらいの時間を割いてバランスを取りたいかを意味しています。

できるだけストレスなく働きたい人が8割以上

全国の20代〜50代会社員800人に「仕事に対する意識」について尋ねたところ、最も多かった意見は「できるだけストレスなく働きたい」で84.4%。「無理なくほどほどに仕事がしたい」とか「自分らしく働きたい」という人は75%以上いて、仕事より私生活を充実させたいという考え方が浸透していることがわかりました。

また「収入を増やしたい」という人も75.9%と多く、会社だけでなく、副業や投資などを意識している人も増えているようです。会社員として「出世したい・成功したい」という人は4割弱でした。

■仕事に対する意識TOP10■
・できるだけストレスなく働きたい(84.4%)
・無理なく、ほどほどに仕事がしたい(77.0%)
・自分らしく働きたい(76.5%)
・収入を増やしたい(75.9%)
・ライフステージに合わせて働き方を選びたい(64.9%)
・成長・スキルアップしたい(54.4%)
・同じ会社で長く働きたい(54.1%)
・人脈を作りたい(45.4%)
・色々な仕事を経験したい(39.6%)
・出世したい・成功したい(37.4%)
※スコアは「そう思う」「ややそう思う」の合計

働き方の多様化もあって、「ライフステージに合わせた働き方を選びたい」と考える人や、「いろんな仕事の経験をしたい」と考える人も多いことが明らかに。

このように意識が仕事より私生活を重視する人が増えた事で、理想の上司像も変わってきているようです。

理想の上司は「新しい考え方を取り入れる人」

理想の上司像についても詳しく尋ねてみると、最も支持を集めたのは「新しい考え方を取り入れる」人。いわゆる伝統的な考え方を守っている人より、今の時代に合わせて考え方を変えられる柔軟な対応ができる人が理想と考えている人が多いことがわかります。

また真面目で冷静なタイプより、「ユーモア・笑いが好き」なタイプを選ぶ人も半数以上。フレンドリーさを求める人も約4割いました。一方で、ランチやお酒の場でのコミュニケーションを求める人は少なく、できればプライベートな話は避けたいと思っている人も一定数いることがわかりました。

仕事内容など細かくフォローしてほしいと思っている人は2割弱。放任主義希望者が4割近くもいる

最近では上下関係がしっかりしている会社は減り、年齢や職歴に関わらず、カジュアルに上下関係を築く会社も増えているようです。先輩や上司が新入社員を細かく指導し、フォローしてくれる時代は一昔前のことになってしまったのかもしれません。ランチや飲み会でコミュニケーションを取りながら、人柄をわかり合い、人脈を作っていくという話ももう時代遅れなのかも!? 

もちろん今でも伝統を重視する企業もあるし、プライベートも仲良くしてコミュニケーションを重視する会社もあります。会社のスタイルが多様化しているので、自分にはどういうスタイルが合っているのか、どういう場所で働きたいか、入社する前にあらかじめきちんとチェックする必要がありそうですね。

上司とプライベートな話までしたいと思っている人は3人に1人程度