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キャリイを8ナンバーのキャブコンに

執筆:Hidenori Takakuwa(高桑秀典)

軽キャンピングカーは、小さなボディをアドバンテージとして、ビギナーのエントリーモデルにもなり、ベテランのアガリの1台にもなる。

【画像】軽トラ・ベースのキャンパー 3選【ラクーンの細部も】 全134枚

大別すると、バンタイプをベースとしたものと、軽トラックをベースとしたものが存在しているが、前者は総じて軽キャンパー、後者は軽キャブコンと呼ぶのが一般的。


埼玉県のAZ-MAXが送り出すラクーン・ベンチタイプ(315万1500円)。撮影車両のサイズは、全長3700×全幅1700〜1720×全高2500mmだ。    AUTOCAR JAPAN編集部

AZ-MAX(オートショップアズマ)がリリースしている「ラクーン」は、軽トラックの荷台に居住スペースを取付け、8ナンバーのキャブコンとした見た目が個性的なモデルだ。

このため、自由度が高い空間づくりが可能になり、室内寸法は、室内長2100×室内幅1530×室内高1700mmと、大人でも過ごしやすい空間を確保している。

ベース車は、スズキ・キャリイ/マツダ・スクラム(5MT・3AT)、もしくはダイハツ・ハイゼット(5MT・4AT)で、前述のように普通特種白ナンバーの8ナンバーキャンピングカー登録となる。

そのボディサイズは、全長3700×全幅1700〜1720×全高2500mmとなるので、街中での取回しのよさが自慢だ。

長さ1.9mのベンチシートでキャンプ

軽であることにこだわったバンタイプの軽キャンパーでは、就寝定員2名となるモデルも見かける。

その点ラクーンでは、シートの形状により、ベンチタイプとリアベッドタイプという2種の室内レイアウトを選べるうえ、運転席の上にバンクベッド(長さ1650×幅1540mm)が備わり、就寝定員2+2名を実現。


軽キャンパーではなく、軽トラをベースにした8ナンバー登録のキャブコンとなる。このため、車室の自由度が高まり、室内高は1700mmを確保。    AUTOCAR JAPAN編集部

そして、FRP一体成形ボディ(25mm厚の断熱材入り)の専用シェルを装備していることもあり、ベンチタイプは乗車定員が5名で、リアベッドタイプは4名で移動することができる。

2人旅にぴったりの小さなキャブコンだが、子連れのファミリーで利用することもできるのだ。

今回撮影したベンチタイプは、長さ1900mmのゆったりとしたベンチシートを車体右側に備え、反対側のキッチンとテーブルに顔を向けて、くつろいで座ることができる。

リアベッドタイプは、マルチアクションシートを使った対面ダイネットを装備しており、4名でテーブルを囲めるのがポイントだ。

このサイズで、意外に本格キャブコン

両タイプに共通となる標準装備を確認しておこう。

まず、走行面では、オリジナルリア強化リーフスプリング、オリジナル・リアショックを標準で装備する。


オプションの延長ベッドマットを使えば、運転席の上がバンクベッド(長さ1650×幅1540mm)になる。子供なら2名。対角線上に横たわれば、大人1名でも使用できる。    AUTOCAR JAPAN編集部

内装設備については、FRP一体成形ボディ、前席リクライニング、背面パネルカットウォークスルー、ギャレー+カウンター(10Lタンク2個)、カセットコンロ、床クッションフロア張り、カーテン一式(5面)、助手席後ろ収納(小)、上部収納ボックス(3面)、ギャレー下収納、バンク収納(1650mm×1550mm)、ペアガラス(網戸付き)、カウンターテーブルを標準装備。

電装面では、自動の走行充電システム、サブバッテリー(105A)、AC外部入力電源、LED照明+スポットライト、オリジナルLEDテールランプ、ハイマウントストップランプが、やはり標準で備わる。

FFヒーター、サイドオーニング、バックアイカメラ、ソーラーパネル、インバーター、延長ベッドマットなどはオプションだ。

ラクーンは、軽トラックをベース車としながら大きなバンクベッドを持ち、本格的なキャブコンのような使い方を楽しめる。

撮影車両は、キャリーT(2WD・FR)がベースで価格は315万1500円。オプションを含めると341万3300円。車高が高く設定されているため、車内で窮屈さを感じることはない1台だ。

4WDを選べば、さらに行動範囲が広がるので、予算に応じてチョイスしてみることをオススメする。