エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

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米メディア「ジ・アスレチック」が「もしも」として展望

 ここまでメジャートップの41本塁打を放ち、投手としても8勝1敗、防御率3.00の好成績を残しているエンゼルスの大谷翔平投手。2018年に海を渡り、メジャー4年目の今季、大輪の花を咲かせようとしている。

 NPBでは5年間プレーしたが、もし高校卒業後にメジャーに挑戦していたら、その入団先がドジャースだったら……。そんな“妄想”を、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」が記事にしている。

 この記事を書いたのは2018年のエンゼルス入団時から担当記者として取材し、今季途中からドジャース担当となったファビアン・アルダヤ記者。同メディアが毎週水曜日に行っている「もしもシリーズ」の一環として“ドジャース大谷翔平”を取り上げた。

 ドジャースは大谷の高校1年時からスカウティングを行っており、高校3年時の獲得レースに名乗りを挙げて本人との面談も行っていた。もちろん、ポスティングシステムを利用した2017年オフもレースに参戦し、面談の場にはクレイトン・カーショーやジャスティン・ターナー、クリス・テイラーといったスター選手を送り込んだとされている。

 高校卒業時に大谷がもしドジャース入りしていたら……。アルダヤ記者は、4つポイントを挙げている。1つ目は「彼はおそらく二刀流選手じゃなかっただろう」。投打両面で輝かしい成績を残す大谷だが、記事では「ドジャースは二刀流に挑戦させる考えに前向きではあったが、二刀流を育てた前例がなく、またドジャースは優勝争いをするチームであり、すぐに戦力になるであろう投手に優先度をおいていたと思われる」と指摘している。

「2016年にメジャーデビューしていたと仮定すれば、今オフか来オフにはFA権を取得」

 2つ目は「彼は違った観点で先駆者となっていただろう」というもの。かつて田澤純一が社会人を経てレッドソックスと契約したものの、高校生のMLB挑戦は前例なし。「日本の高校を卒業して直接MLB球団と契約した選手はおらず、大谷が第1号になっていた。大谷が成功すれば、高卒からMLB球団と契約する例となり、後に続く選手を生んでいたかもしれない」としている。

ドジャースは将来に向けて形勢を一変させる投手を得ていただろう」と、ドジャースの戦力編成を左右していたとも。「日本で最もいい成績を収めた21歳の2016年にメジャー昇格していたとすると、ドジャースはその年、15投手が先発登板しており、大谷も間違いなくそのうちの1人になっていただろう」と言及。ダルビッシュ有投手のトレード獲得など、その後の補強戦略にも大きく影響を与えただろうという。

 そして、最後は「オオタニは多額の金を得ていただろう」というもの。記事では「2016年にメジャーデビューしていたと仮定すれば、27歳の今オフか28歳の来オフにはFA権を取得することになり、巨額の契約を得る時期が早くなっていた」と指摘。昨オフ、年俸調停の権利を得て、2年総額850万ドル(約9億円)で新たな契約を結んだ大谷だが、2012年に海を渡っていたら、遥かに大きな契約を結んでいただろうと予想した。

 当然、現在はエンゼルスでプレーし、あくまでこれは想像での話。アルダヤ記者も「今年の大谷の活躍は今までに誰も見たことがないもので、彼のおかげで野球は進化、発展する、今の現状のほうが球界にとってはいい」と、締めくくっている。(Full-Count編集部)