『損得勘定』とは、どのようなことを指すのでしょうか?意味と合わせて、打算的に行動する人の特徴も紹介します。ネガティブな印象が強い言葉ですが、実際のプラス面やマイナス面を知っておきましょう。

損得勘定とは

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何となく分かっていても、『損得勘定』がどのようなものなのか説明できない人もいるのではないでしょうか?そこで、まず意味を解説します。

「損か得か」を物事の判断基準とすること

『損得勘定』は『そんとくかんじょう』と読み、『損か得かを物事の判断基準にすること』です。『勘定』には、『計算する』『あらかじめ見積もる』という意味合いがあり、自分にとってプラスになるか利益を第一に捉える考え方です。

ネガティブな印象を与える言葉で、損得勘定で行動する人は『自分が得することばかりを気にする計算高い人』という、あまり良くない印象を持たれやすいでしょう。

損得勘定で動く人の特徴

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損か得かで動いてしまう人はどのような人物なのでしょうか?主な特徴を紹介します。

見返りのない物事に関心がない

打算的な理由には、見返りのない物事に関心がないことが挙げられます。見返りが得られないことに無関心なのは、目先の利益を第一に考える傾向があるためです。

『自分にプラスになればする、ならなければしない』というようにはっきりしています。

例えば、仕事が手一杯になって困っている同僚がいても、自分にプラスにならなければ手を貸すこともないでしょう。周囲から『冷たい人』と思われても、あまり気にしません。

逆に、手を貸すことで『周囲からの評価が上がる』『手柄を立てられる』と思えば、手伝うこともあり得ます。

他人の善意を信じられない

『他人の善意を信じられない』という心情が影響していることもあります。過去に裏切られたなど、人を信じて傷ついた経験があるのかもしれません。

自覚している、していないにかかわらず、『他人に見返りを求めず親切にする』など人と深く接することで、また傷つきたくないという心情があると考えられます。そのため、自己防衛として合理的でドライな考えを持っているのです。

また、人から何かをしてもらっても、『裏があるのではないか』と疑ってしまうなど、好意を素直に受け止められないこともあるでしょう。

出世のためなら我慢強さを発揮する

出世欲が強く、そのためには我慢強く頑張れるのも特徴です。『出世したい』と思うこと自体は普通のことですが、損得勘定で行動する人は『自分にとってプラスになるから』ということが理由であることも少なくありません。

『出世につながる』『昇格につながる』というプラス面があれば、誰もが引き受けたくないような仕事でも率先して取り組むことでしょう。長期にわたり辛抱強く努力し続けられるため、実際に目標を達成するなどビジネス面ではよい方向に働くことも特徴です。

損得勘定は状況によって使い分けよう

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損得勘定にはマイナス面だけでなく、プラス面もあります。両方を知り、状況によってうまく使い分けることが大切です。

プライベートでは信頼を失いやすい

損得勘定で動く人は、プライベートで信頼を失いやすいでしょう。自分に得にならないと分かれば、それまで長い付き合いがあった人でも断ち切ってしまうドライな面があるためです。

例えば、女子会に参加する予定があっても、別のグループから誘いがあった場合、真っ先にどちらに参加した方が得になるか考えます。『前々から約束していたし、ドタキャンは気が引ける』と感じる人が多いですが、打算的な人はそういった感情に流されることはないでしょう。

何よりも自分の損得を優先するため、信頼を失うばかりか敬遠されることも珍しくありません。

恋愛が長続きしない傾向も

恋愛が長続きしない傾向もあります。相手を好きかということよりも、『玉の輿に乗れるか』といった打算的なことが優先されてしまうためです。そのため、相手の学歴や収入などスペックにこだわる人も少なくありません。

そもそもお互いに『好き』という恋愛感情がなければ関係が長続きするものではないといえますし、相手にも気付かれてしまうでしょう。信頼や安心感を築けないため相手に去っていかれたり、相手もあなたと打算的な付き合いをしていたりすることも考えられます。

ビジネスでは有利に働くこともある

ビジネスでは、損得勘定が有利に働くことも多いでしょう。感情に流されず合理的に物事を考えられるため、無駄が減り生産性が向上します。

出世するための打算的な行動だとしても、目標達成のために辛抱強く取り組めるのも強みです。人が嫌がる仕事も率先して引き受け結果を残せるため、リーダーの素質があると認められ重要なポジションに起用されることもあるでしょう。

まとめ

損得勘定は、『損か得かを物事の判断基準とすること』です。打算的な人は、見返りのないことに無関心で他人を信じられない人が多い傾向があります。出世のためなら辛抱強く取り組めるのも特徴です。

しかし、プライベートで信用を失う、恋愛が長続きしないというマイナス面があります。損得ばかりを気にし過ぎていると、本当の友情や恋愛から遠ざかってしまうでしょう。

ビジネスでは有利に働くことも多いので、うまく生かしていくことも大切です。