ベジェリンがこの赤いユニホームを着ることはもうないのか photo/Getty Images

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ここまでベン・ホワイト、サンビ・ロコンガ、ヌーノ・タヴァレスを今夏の移籍市場で獲得したアーセナル。特にホワイトに関しては約70億円とされており、多方面からのプレッシャーは大きいだろうが、活躍は必須となる。しかし、まだ右サイドバック、2列目、GK、ストライカーと補強ポイントは多く、残りの移籍期間でどうにか実力者を獲得したい。

右サイドバックに関しては、以前までなら必須の補強ポイントに挙がるポジションではなかった。それはエクトル・ベジェリンの存在があったからだ。

ベジェリンは14-15シーズンからアーセナルで出場機会を得ると、その後は3シーズン続けてリーグ戦で30試合以上に右サイドバックとして出場するなど、アーセナルにはなくてはならない存在だった。また、当時は20代前半ということもあり、他の強豪クラブがうらやむアーセナルの未来であった。彼の攻守に渡る快速を生かしたプレイは素晴らしく、アーセナルの右サイドバックは当分安泰だろうと思われていた。

しかし、大怪我での離脱から彼のスピードは失われ、攻守において過去の迫力は見る影もない。昨季はリーグ戦25試合に出場しているが、前述したスピード不足から右サイドでは違いを作れず、以前までの彼と比べるとイマイチといった印象だ。現状では右サイドバックの戦力としてカラム・チェンバーズやセドリック・ソアレスがいるが、ベジェリンがぶっちぎりで飛びぬけているということはない。

西『AS』によればイタリア王者のインテルと既に個人合意は済ませており、あとはクラブ間での交渉のみとのことだ。昨季は右サイドをパリ・サンジェルマンに移籍したアクラフ・ハキミに任せており、ベジェリンを彼の後任に据えたいようだ。

このように21-22シーズンはイタリアで迎える可能性のあるベジェリン。まだ26歳と若く失われたスピードを取り戻すのは難しいが、まだまだやれる年齢であることは間違いなく、スピードスターの復活に期待したい。