出鼻をくじかれたセルテッィク。ポステコグルー監督への風当たりは厳しいものとなっている。(C)Getty Images

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 昨季、スティーブン・ジェラード率いるレンジャーズに王者の座を明け渡し、リーグ連覇が9で止まったセルティックは、横浜F・マリノスからアンジェ・ポステコグルーを引き抜き、新体制をスタートさせた。

 しかし、初陣となったミッティランとのチャンピオンズ・リーグ予選・2回戦(第1レグ△1-1、第2レグ●1-2)でつまずくと、リーグ開幕戦でも昇格組のハーツに1-2で敗れ、まさかの黒星スタート。暗雲立ち込める船出に英紙『The Guardian』は、「セルティックの機能不全は、クラブが完全に道を見失っていることを示している」と、厳しい意見を寄せている。

「セルティックはリーグの開幕戦で負ける習慣がなく、土曜日のハーツ戦の敗北は1997年以来のことだった。それにシーズン最初の3試合で1つも勝てなかったのは、さらに数十年前に遡らなければならない。セルティックの攻撃面は臆病で、守備面は笑ってしまうほど貧弱だ」

 さらに、ポステコグルー監督も再三訴えている補強面にも言及。苦しいスカッドであることは認めながらも、兎にも角にも結果を出さなければ、状態は悪くなる一方だと説いている。
 
「人材不足は改めて強調するほどのことではない。89分にハーツのジョン・ソウターに決勝点を決められるずっと前にポステコグルーが言った言葉は、彼がクラブの背景にある構造に完全に感心していないことを意味している。とはいえ、新任監督はステップ1で、経営資金は何分の1かのクラブに打ち負かされたのだ。彼が導入したいと考えているスタイルに合った選手を獲得することは、特に不可能なものではないが、絶望感が増すにつれ、ますます困難になる。

 セルティックは主要株主が不在で、サッカー界での実務経験がない新しいCEOがいる。このような状況は、このクラブが完全に道を踏み外してしまったことを物語っている。それはポステコグルーの責任ではないが、スコットランドのサッカー界は、彼が結果を出さなければ、追い出すことになるだろう」

 ポステコグルー監督は、横浜時代も就任1年目は残留争いに巻き込まれるなど、難しいシーズンとなったが、スタイルが完全に定着した2年目には見事15年ぶりのJ1制覇へと導いた。世界的な名門だけに、我慢の時間はそう長くは許されないなかで、オーストラリア人指揮官はかつてのようにV字回復させることはできるか。合流間もない状況でありながらリーグ開幕戦で早速、途中出場した期待の新戦力、古橋亨梧にかかる期待も大きい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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