Rust Foundationは現地時間2021年7月29日、開発言語であるRust バージョン1.54.0をリリースした。インストール済みの環境では「rustup update stable」で更新を実行し、新規インストールする場合はインストールページの手順で導入が可能。利用環境に応じて各OSのインストール手順が示される。公式ブログによれば、バージョン1.54.0はマクロを任意の属性のように呼び出すことが可能になり、WebAssemblyの1つであるWASM32や一部APIの安定化、バージョン1.52.1で無効になったインクリメンタルコンパイルが再び有効になった。

WSL 2で動作するRust バージョン1.54.0


バージョン1.54.0の大きな特徴は、属性内から関数形式でマクロを呼び出す機能が加わったこと。たとえばコード内から任意のドキュメントを呼び出す場合、「#![doc = include_str!("README.md")]」で完了する。WebAssemblyは事前にビルドすることで、コードの高速化など利点を得られる機能だが、ビルドターゲットとしてwasm32-wasiを指定した際の安定性や、WebAssembly SIMDへのアクセスを可能にした。安定性を向上したAPIは以下のとおり。その他の変更点はリリースノートを参照してほしい。

・ BTreeMap::into_keys

・ BTreeMap::into_values

・ HashMap::into_keys

・ HashMap::into_values

・ arch::wasm32

・ VecDeque::binary_search

・ VecDeque::binarysearchby

・ VecDeque::binarysearchby_key

・ VecDeque::partition_point