日本のコロナ対策やオリンピックの対応等、政府の姿勢に不満を持つ人が後を絶ちません。しかし選挙を実施するたびに問題となるのが、若い世代の選挙に対する投票率。2015年より選挙権年齢が18歳以上に引き下げられましたが、それでも高齢化社会の日本では、若年層の得票率が少ない状況に変わりはありません。

若者世代も全世代も支持政党の傾向はほぼ同じ

自らの声が政治に反映されない現状の中、若者世代はどの政党に期待をしているのでしょうか?CCC マーケティングカンパニーではこれからの未来を担う全国の10〜29歳を対象とした「学校総選挙プロジェクト」を実施。こちらにおいて「期待する政党」に関するオンライン投票を行い、その結果を公表しています。

「れいわ新選組」の支持率は共産党や社民党よりも多い!

1位となったのは現政権を担う「自由民主党」。それに続くのは「立憲民主党」ですが、41.6%の大差がついています。ちなみにNHKが18歳以上を対象に毎月実施している「NHK世論調査」における支持政党の調査結果は(実施期間7月9日〜11日)は以下の通り。

支持政党調査

自民党……34.9%

立憲民主党……6.0%

公明党……3.3%

日本維新の会……2.1%

共産党……3.3%

国民民主党……0.8%

社民党……0.3%

れいわ新選組……0.2%

その他の政治団体……0.8%

特に支持している政党はない……41.9%

NHKの世論調査には「特に支持している政党はない」の項目があり、ここで41.9%を占めています。そのため政党ごとの支持する割合が「学校総選挙プロジェクト」よりも少なくなっていますが、全体も傾向にほとんど差はありません。ちなみにどちらの調査でも割合がほぼ変わらなかったのは「日本共産党」(3.6%→3.3%)でした。

コロナ禍で街頭演説もなくなっているような…。

変化を恐れる若者の本音「途中で政権が変わるとややこしくなりそう」

しかしこれだけ現政権に対する不満の声がニュースやSNSにあふれている現状の中、若者世代の半数は自民党支持なのでしょうか?そこで同調査では「日本の若者が各政党に期待する理由」を調査したところ、自民党を支持した意見は次の通りとなりました。

「引き続きコロナ感染防止に全力を尽くしてほしい。途中で政権が変わるとややこしくなりそう」(18歳)

「コロナという未曽有の事態でも上手く国を回している。非難もあるが、なんだかんだで上手くいっているのでは」(19歳)

「他の党よりマシなだけで期待度は低い」(29歳)

現状には不満を抱きつつも政権交代をしたところで、さらに良くなる期待感が持てない。むしろ悪化する可能性があるなら、現状のままでいい。自民党を支持する若者の、そんな心理が伺えました。

さらに同調査における「学校総選挙プロジェクト」のプロジェクトリーダーをつとめる石井大樹氏は、若者が自民党を支持する背景として、コロナウイルスへの対応に着目。「必ずしも満足はしていないものの、未曽有の事態への対応として、ある一定の評価をしている点や、今後が予測できない状況下で政権が変わることへのリスクも考慮するなど、冷静に客観視する若者の様子がうかがえる」と述べています。もし政権交代を望むなら自民党批判ばかりではなく、野党への期待感や変わるリスクを感じさせない戦略が必要なのではないでしょうか。

【調査概要】
調査主体:CCC マーケティングカンパニー
投票受付期間:2021年6月25日(金)〜7月11日(日)
投票方法:オンラインによる投票
投票地域:日本全国
投票対象:10〜29歳
投票数:4,523票