画像提供:知床世界遺産センター

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ユネスコの世界自然遺産である知床の管理や情報発信を行っている知床世界遺産センターは19日、世界遺産地域内に大量のゴミが投げ捨てられていたとして、捨てる前にその行動が引き起こす影響を考えるよう呼びかけた。どのような状態であったかなどについて同センターに聞いた。

知床は、北海道東部に位置する知床半島とその沿岸部7万1000ヘクタールにもおよぶ広大な自然地域として世界遺産に登録されている。同センターによると、今回ゴミが投げ捨てられていたのは、世界遺産地域内で主要な展望スポット付近。景色が開けており、知床の海や山、森が一望できるような場所だという。食べ物の付着した弁当容器やスナック菓子の袋、ビールの空き缶、ティッシュペーパーなど、知床の美しい景色を見ながら休憩した利用者が残したと思われるゴミが散乱していた。

ゴミを捨てた人は「投げ捨てておしまい」と思うかもしれないが、野生動物はもちろん、自然への影響も考えられる。万が一、ヒグマやキツネ、タヌキなどの野生動物が、ゴミにおびき寄せられ食べた場合を想定すると、「ヒグマは味を覚えてしまい人里や人に近付き最悪駆除の対象になり、キツネやタヌキは消化しきれず皮膚病になってしまい死に至る」ことも考えられるという。同センターは、「どうかお願いです。ポイ捨てする前に考えてくれると嬉しい」と協力を求めている。

ヒトの往来があると何かしら落ちているため、同センターの運営を担っている自然公園財団ではゴミの収拾が日常的な業務となっている。その中で今回は、目立ったゴミがあり、さらに例年7月と8月はゴミが増える時期でもあるため、「皆さんに知床の状況を知っていただけたら有難い」との思いでTwitterで呼びかけたという。閉鎖や取りしまりなどの特別な対策を考えるというよりも、「地域関係者と協力して、ゴミを少なくするための活動や啓発を続けていくというのが、地道だけど大切な取り組み」だとして、あくまでより良く利用してもらうために知っていただくことを目的としたものだと説明している。

なお、同センターのパンフレットには、知床の自然を利用する上で守ってほしいルール「10の約束」が記されている。1)野生動物に食べ物を与えない2)道を外れて歩かない3)動植物をとらない、脅かさない、傷つけない、持ち込まない4)ゴミは持ち帰る5)ペットを外に連れて歩かない6)遊歩道上での食べ歩きや野外での調理は行わない7)ヒグマに出会わないようにする8)ヒグマに近づかない、刺激しない9)車のスピードは控えめに10)漁業活動を妨げない

知床世界遺産センターパンフレット