万が一の際の証拠にもなる!

 あおり運転が問題になったことで、一気に注目が集まったのがドライブレコーダー、通称ドラレコだ。以前からあったものの、それほど普及はしていなかったし、当初はデジタル素材はいざというときには証拠にならないと言われていたこともあり、ユーザーの側に積極的に装着しようという意識があまりなかったのは事実だ。

 しかし、ニュース映像が繰り返し流されれば付けたくなるし、今では証拠として問題なく使用できる(警察に確認済み)。ちなみにカー用品店の店長によれば、あおり運転の事件が起こった当時、「お客さんが押し寄せてきた」というほどだ。

 それに合わせて機能も大きく進化している。当初は前方だけだったのが後方にも対応するようになったし、4K画質が当たり前になっているのも大きな進化だ。また、細かいところでは、画角、つまり写る範囲が広がっているし、車内カメラが付いているものもある。さらにトンネルから出てすぐでも白トビしないなど、着実によくなっている。これらはドラレコにとって基本部分だけに、進化するのは当然ではある。

 加えて、カーナビと接続して連動させると、記録場所の情報も記録することができるし、GPS機能搭載のドラレコも登場している。ただ、事故の記録がメインなので、位置情報はマストではないが、付いているに越したことはないだろう。

今後の期待は側面衝突への対応

 そして以前よりリクエストがあったのが、360度カメラによる全方位記録と駐車中の監視で、これらも実際に機能として付いているモデルも登場している。これなら当て逃げにも対応できるので、さらに安心感は高まるだろう。

 そのほか、本体の機能ではないが、自動車保険との連携も進化のひとつだ。当初はドラレコ割引程度だったが、現在は保険会社からリースする形で装着。保険会社としては正確な事故の状況が入手できるメリットがある上、通信機能が付いていることが多いので、システムの自動アップデートを行ったり、事故画像の自動送信や事故受付の自動通報もしてくれたりする。

 リアルな映像を記録し続けるというドライブレコーダーならではの機能を進化させていると言っていいが、業務用ではさらにドライバーの居眠りや脇見などにも活用するシステムが登場している。

 ただ、現状でもまだ余地があるのが、真横からの衝突。フロント部分なら従来のドラレコで記録できると思いきや、画角の問題で記録できないだけでなく、真横からだと一瞬でなにが起こったかわからないことも多い。360度カメラならカバーできることが多いが、画角が広すぎてディテールが分かりにくいこともある。現状では、後ろを走っているクルマに協力してもらい、画像を提供してもらうというのが有効だ(対処法としてぜひ覚えておいてほしい)が、サイドカメラ的なものが登場してくれるとベストではある。