インテルとの契約を解消してから、ベンフィカに加入したジョアン・マリオ(中央)。古巣のスポルティングは激怒している。 (C)Getty Images

写真拡大

 帰国時のライバルクラブ加入の可能性にハードルをもうけておきたいという本来の目的を考えれば、スポルティングとしては黙っていられないようだ。だが、インテルも反論している。

 現地時間7月12日にインテルとの契約解消が発表され、13日にベンフィカへの加入が決まったジョアン・マリオ。その移籍を巡って、古巣スポルティングがインテルを非難した。

 2016年のEUROでポルトガル代表の主要大会初優勝に貢献したMFは、鳴り物入りでインテルに加入。だが、イタリアのスタイルに馴染めず、転々とレンタル生活を繰り返し、昨季は古巣スポルティングに復帰した。

 完全移籍を目指したスポルティングだが、インテルと条件面で折り合いがつかず。すると、マリオは同じリスボンを拠点とする宿敵ベンフィカに向かい、インテルも売却に動いた。だが、ここで問題となったのが、インテルがスポルティングからマリオを獲得した際の契約だ。
 
 取り決めでは、インテルがポルトガルの他クラブにマリオを売却した場合、3000万ユーロ(約37億5000万円)の違約金をスポルティングに支払わなければならないという。インテルはベンフィカにマリオを売れば、それ以上の金額の違約金を払わなければいけない状況だったのだ。

 そんななか、インテルとマリオの契約が解消され、“フリー”となったマリオは、ベンフィカ加入が決まった。これを受け、スポルティングは公式声明で「合意を守らないための便宜が図られたと確信」と憤慨。法的措置も辞さない考えを示した。

 しかし、インテルも公式声明をリリースして反論。「受け入れがたく、深刻で、なにより根拠がない主張」とし、やはりしかるべき場でクラブの評判とイメージを守ると強調している。

 両者の言い分はともかく、互いの間に大きな溝ができたことは間違いない。今後の進展が注目される。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部