転職先が「あたり」の職場かどうかは、入社してみるまでわからない。いくら求人票に書いてある待遇や給与がよくても、実情は異なるケースがあるからだ。キャリコネニュースには、

「書類に記載された内容と実際の勤務時間が合わなくて、サービス残業が多かった。また、連続7日間勤務で最終日は夜勤だったため、明らかに労働基準法違反だった。職場に黙って労働基準監督署へ足を運んで、事情を説明した」(50代女性/販売・サービス職)
「都合の悪いことは雇用契約書に記載しなかったり、わざと言わなかったりしたらしい。数百人規模の小さい会社のせいか、そのブラックぶりは某掲示板にも載っていなかった」(40代男性/管理・事務職)

という声が寄せられている。今回は、キャリコネニュース読者の「転職失敗エピソード」を紹介する。(文:福岡ちはや)

「だんだん疲弊して自立神経がおかしくなった」

沖縄県の40代男性の前職は、システム関連の仕事だった。男性は「『最低でも手取り月16万円以上はほしい』と提示して入社したものの、未経験のため実際の手取りは月12万円もなかった」と振り返る。

「しかもシステム検証業務なのでルールが細かい。また、派遣社員の先輩から毎週のように怒鳴られていた。正社員になったらなったでやたらWeb会議が増え、だんだん疲弊して自立神経がおかしくなった。派遣社員としてやってきた人が2人いたが、精神疾患で出勤できなくなっていた」

男性の体験談から、かなりのブラック企業であったことがうかがえる。非正規雇用から正社員登用された男性だったが、結局「半年あまりで退職した」と打ち明けた。

サービス残業を強要する職場「『できないなら正社員登用は無理』と言われた」

兵庫県の40代女性は、以前の勤め先について「『女だから』と毎日30分早出し、ほかに当番があれば清掃残業もしていました。サービス残業なのに、通常の仕事まで残ってするよう強要されました」と証言する。

「確かに面接で残業可能か聞かれたときは、できると答えました。でも『サービス残業可』とは言っていません。それを会社に伝えたところ『できないなら正社員登用は無理』と言われたので、試用期間中に辞めました」

「サービス残業が正社員登用の条件」とは、まともな企業のすることではない。さらに試用期間中の時給は「県内の最低賃金以下でした」というから完全にアウトだ。転職に失敗したとはいえ、早々に見切りをつけて退職した女性の判断は正しかったに違いない。

※キャリコネニュースでは引き続き「転職失敗・成功エピソード」や「夏のボーナスいくらですか?」のほか「職場で起きた窃盗事件」や「共働き・片働きの不満」などのアンケートを実施しています。