トミーさんの謝罪では、協力金のことは触れず(水溜りボンドの投稿動画から)

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人気ユーチューバー31人が緊急事態宣言下に宴会した東京都内の飲食店は、2人組ユーチューバー「水溜りボンド」のトミーさん(27)が経営し、また感染防止徹底を自らうたう「虹のステッカー」の店として登録していることが分かった。

ステッカー掲示は、都の感染拡大防止協力金を受けるための要件の1つになっている。都の企画調整課では、「申請があれば、状況を確認してかなりチェックすることになると思う」と話している。

登録店は、都の協力金を受け取る要件の1つにもなっている

この宴会は、うち1人の誕生会として2021年6月18日に開かれ、参加者は深夜まで飲酒やカラオケを楽しんでいたという。

都では、20時までの時短や酒やカラオケの提供中止を都内の飲食店に要請していただけに、24日に宴会が文春オンラインに報じられると、ネット上では、非難が相次ぎ、参加者が次々に謝罪動画を投稿した。

トミーさんが経営するイタリアンレストランは26日、インスタグラムを更新し、報道で騒ぎとなり、不快や不安な思いをさせたとして謝罪した。店は、現在休業しており、今後について話し合いをしているとも明かした。

その後、27日になって、この店が、都のサイトにある「虹のステッカー」登録店マップに載っていることが話題になった。都の協力金を受け取る要件の1つにもなっていることから、この店が登録していることに疑問や批判も相次いでいる。

店の登録について、都の防災管理課は28日、J-CASTニュースの取材に対し、「個別の店については言えない」としたうえで、一般論として次のように話した。

「ステッカーは、事業者が感染防止対策をしてチェックシートに記入し、すべて満たすと自らが判断して登録申請すれば発行されます。結果的に不十分だったとしても、ステッカーを返上させる仕組みはありません。ただ、対策に不備があれば、改善してほしいと思っています」

都の担当課「1日でも深夜営業などがあれば支給されない」

ステッカーが発行されれば、次の段階は、店舗ごとに「コロナ対策リーダー」を置くことになり、リーダー研修を受講して修了すればいい。

さらに、都が実際にチェック項目を確認すれば、「徹底点検済証」が発行される。都内の飲食店約12万店のうち、都は6月25日現在で11万店弱を訪問しており、不在・休業などを除く6万店弱を点検して、その8割強の店に点検済証が発行されている。

トミーさんの店は28日現在、都のサイトにあるコロナ対策リーダー・徹底点検済証発行店のマップにも載っている。ただ、リーダー研修は修了しているが、点検済証は発行されていなかった。

協力金を担当する都の企画調整課は28日、取材に対し、「個々の店については支給状況を答えていない」としたうえで、宴会があった18日については、申請の要項もできていない段階だと説明した。

「6月分の対象期間は、緊急事態宣言が終わった20日までとなる見込みですが、申請はまだ先で、今後受け付けることになります。申請があれば、状況を確認してかなりチェックすることになると思いますね。申請段階で内容に疑義があると考えれば、電話や書面で確認して回答をもらいます。過去に店に問題があったとは、認識していません」

もし深夜営業や酒・カラオケの提供が確認された場合については、こう言う。

「全日を通しての協力が前提で、1日でも確認されれば支給されないことになります。店としての営業なのか仲間うちのことなのか線引きが難しい面もありますが、その点は確認して立証してもらいます。過去の支給についても、取り消し・返還になる場合がありますが、ケース・バイ・ケースで判断しています」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)