明月院と一緒に巡りたい「北鎌倉」のあじさい名所

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あじさい寺の境内で、優雅なお抹茶タイム/明月院

臨済宗建長寺派のお寺「明月院」へは、JR北鎌倉駅から徒歩約10分。梅雨の時期には境内を約2500株のあじさいが埋め尽くすことから、別名“あじさい寺”ともよばれています。独特の美しい青色をもつこちらのあじさいは“明月院ブルー”といわれているんですよ。

正面入口をさらに奥へ進むと「明月院」の総門に到着。拝観料はこちらでどうぞ!

本堂後庭園は6月の花菖蒲と12月の紅葉の季節のみ特別公開されます

緩やかな階段の参道を上り山門をくぐって本堂へ。
「方丈」と称されるこちらの本堂には、ご本尊の聖観世音菩薩が祀られています。

悟りや真理、大宇宙を円形で表現したという本堂内の円窓「悟りの窓」から眺めるこの景色もお見逃しなく。ここから見る景色は、四季の移ろいによってその表情はさまざま。訪れる時間帯によっても毎回違った美しさが楽しめますよ。

「抹茶と和菓子」800円

境内に、「月笑軒(げっしょうけん)」とよばれるとても素敵な茶屋があるのをご存じですか?
総門を左側へと進んで、「月笑軒」へ。一歩足を踏み入れると、そこには緑あふれる素敵な空間が広がっていました。参道から少し離れているので、この一角はとっても静か。鳥のさえずりや風の音を聞きながら優雅なお抹茶タイムが楽しめます。

お抹茶とともにいただくのは、島根・桂月堂の「出雲三昧(いずもざんまい)」。大納言の粒入り羊羹と白玉粉で作った求肥を、小豆粉を型打ちした落雁で挟んだ三段重ねの上品な名菓です。「月笑軒」でおいしいお抹茶を味わいながら、ぜひ癒されてみてはいかがでしょうか。
【あじさい開花状況】
・開花時期:5月下旬〜6月下旬
・例年の見頃:6月中旬〜6月下旬

■明月院 月笑軒(めいげついん げっしょうけん)
営業時間:9時30分〜15時45分LO
定休日:木曜
料金:茶屋の利用には明月院の拝観料が必要
■参考記事:アジサイ寺で有名な北鎌倉・明月院へ!境内の素敵な茶屋で優美なお抹茶タイム(配信日:2021.06.04)

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約40種約150株をのんびり観賞/浄智寺

北鎌倉駅から徒歩約8分にある臨済宗円覚寺派の禅寺で、鎌倉五山の第四位。創建は、弘安4年(1281)。北条時頼の三男宗政の菩提を弔うために妻とその子師時が建立したといわれています。石段を上って鐘楼を兼ねた山門をくぐると仏殿の曇華殿があり、本尊の木造三世仏坐像が安置されています。

梅や桜、萩などが見事な花の寺として知られていますが、あじさいは境内に約40種約150株が植えられています。参道入口にある甘露ノ井や山門などで比較的ゆっくり楽しむことができます。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:6月中旬〜7月中旬


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山門前や園路に咲く、風情ある姿が印象的/長寿寺

画像提供:PIXTA

北鎌倉駅より徒歩10分ほど、鎌倉街道沿いにある臨済宗建長寺派の寺院。建武3年(1336)、足利尊氏が屋敷跡に創建し、尊氏没後、息子の初代鎌倉公方足利基氏によって七堂伽藍が建立されました。境内裏山には尊氏の遺髪が埋葬されたお墓があります。

境内の拝観は、4~6月、10~11月、および12月初週と、期間や曜日を限定して行われます。あじさいは、山門前や、手入れの行き届いた方丈庭園から竹林に至る園路などにヤマアジサイやガクアジサイが植えられています。また寺出口は亀ヶ谷坂切通に面しており、そこに群生するあじさいにも出合えます。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:5月下旬〜6月下旬

■長寿寺(ちょうじゅじ)
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内1503
TEL:0467-22-2147
営業時間:季節・曜日限定拝観10〜15時 ※時期により拝観できる曜日に違いあり
【春季】4〜5月は金〜日曜、祝日。6月は水〜日曜
【秋季】10月1日〜11月22日は金〜日曜、祝日。11月23日〜12月7日は毎日
定休日:期間中の雨天時
料金:拝観料300円

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切通の斜面に、こぼれ落ちんばかりのあじさいが!/亀ヶ谷坂

画像提供:PIXTA

長寿寺横の細い坂道「亀ヶ谷坂」は季節になると、こぼれ落ちんばかりにあじさいが咲く、北鎌倉のあじさい名所の一つです。ヤマアジサイやガクアジサイが色とりどり、種類豊富に咲き誇ります。坂の途中から車両通行止なので、散策をのんびり楽しめるのもいいですね。

扇ガ谷と山ノ内を結び、かつては鎌倉から武蔵方面へ通じる重要な切通だった「亀ヶ谷坂」。切り立つ崖に鎌倉時代の面影を感じることができます。急坂を越えれば、源氏山公園や葛原岡神社、銭洗弁天などへの近道にも。体力に自信のある方は、歩きやすい靴でぜひトライしてみて。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:5月下旬〜6月中旬

※TELは、鎌倉市代表電話で鎌倉市教育委員会文化財課に取次ぎを依頼

長谷寺のあじさい最新情報は?
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長谷寺と一緒に巡りたい「由比ヶ浜・長谷・極楽寺」のあじさい名所

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2500株のあじさいに囲まれた名刹で、由比ヶ浜との絶景を/長谷寺

江ノ電長谷駅から歩くこと約5分。鎌倉の人気エリアである長谷を見守るようにたたずむのが、花に彩られた寺院の「長谷寺」です。「長谷寺」の歴史は奈良時代にあたる天平8年(736)に遡ります。こちらも花の寺として知られる奈良の「長谷寺」を開創した徳道上人の発願により創建されました。

画像提供:長谷寺

「長谷寺」のあじさいは例年、5月下旬から7月上旬にかけてがシーズン。この時期には境内にある眺望散策路、通称「あじさい路」で青や紫、ピンクのあじさいを観賞できます。それだけでなく、あじさいは池に浮かべられるなど、境内のあちこちに。気分を高揚させながら、境内の奥に延びる花道へと足を運びましょう。

「長谷寺」の境内は観音山の裾野に広がる下境内と、中腹に切り開かれた上境内に分かれています。下境内から上がり、上境内の観音堂の脇にある入口へ。開花が5分咲きから見頃を終えるまで、「拝観券」400円とは別に「あじさい鑑賞券」500円が必要です。そして遊歩道を進めば、そこはもうあじさい路。山の斜面を埋め尽くすように約2500株のあじさいが咲き乱れます。

あじさい路は頂上付近でふた手に分かれます。
下の道を進めばあじさいをバックにした石塔など、古刹らしい厳かな写真も撮影可能です。

一方、上の道を進めば、あじさい越しに鎌倉の町、そして相模湾まで一望できます。あじさいのみどころが豊富な鎌倉とはいえ、海と一緒に観賞できる場所はそう多くありません。上下どちらの道もお見逃しなく。

あじさいを目当てに多くの観光客が集う初夏の長谷寺。平日の午前中、休日なら開門から間もない時間帯の訪問がおすすめです。花の寺ともいわれる理由を、あじさい路の絶景観賞で確かめてみてはどうでしょう。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:5月下旬〜7月上旬

※あじさいが5分咲きから見頃を終えるまでは、拝観券のほかに「あじさい鑑賞券」500円の購入が必要となります。

■参考記事:【2021】鎌倉・長谷寺のあじさい|初夏の鎌倉は花の寺へ。色彩が鮮やかに踊る長谷寺の「あじさい路」(配信日:2021.06.18)

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江ノ電からも、あじさいの咲き誇る姿が/極楽寺

正元元年(1259)に創建された真言律宗の寺。開山は、貧者救済や病人の治療に尽くしたことで知られる忍性菩薩。山門の前には紫や青、濃いピンクなど色鮮やかなあじさいが植えられ、江ノ電からも目を楽しませてくれます。

全盛期には七堂伽藍をはじめ多くの塔頭を備えた大寺院でしたが、度重なる火災や戦乱により、そのほとんどが失われました。境内の撮影は条件付き(※)ですが、本堂前にはお釈迦様の誕生を祝う灌仏会(花祭り)で仏像に注ぐ甘茶の原材料となるあじさいの一種「甘茶」も植えられ、ガク咲きの可憐な姿を見ることができます。

※境内では、自撮り棒使用禁止、三脚・一脚使用禁止、および写生禁止となりますので、ご注意ください。
【あじさい開花状況】
・開花時期:6月上旬〜7月上旬
・例年の見頃:6月中〜下旬


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全国から集められた約200種の鉢植えあじさい/光則寺

画像提供:PIXTA

長谷駅から徒歩約6分。「長谷寺」と合わせて訪れたいのが、文永11年(1274)に創建された日蓮宗の「光則寺」です。日蓮聖人が佐渡に流罪になった際、弟子の日朗上人が幽閉されていた寺としても有名で、右手山中腹にはその時に幽閉された鎌倉時代の土牢が残されています。

境内には梅や椿など四季折々の花木が植えられ、4月上旬に薄紅色の花を咲かせるカイドウの巨木が有名。そして、約200種のヤマアジサイなどの鉢植えが、5月上旬〜6月上旬に見頃を迎えます。少し遅れて、土牢石段や本堂横の庭園のあじさいが見頃を迎え、こちらもおすすめです。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:5月上旬〜6月中旬


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七里ヶ浜と、あじさいと。絶景を愛でる/鎌倉海浜公園(稲村ガ崎地区)

画像提供:(公財)鎌倉市公園協会

稲村ヶ崎駅から徒歩約5分の「鎌倉海浜公園(稲村ガ崎地区)」は、由比ヶ浜の南西端に突き出す懸崖にあります。公園入口には国指定史跡「新田義貞徒渉伝説地」の碑があり、展望台からは江の島や富士山、水平線に沈む美しい夕日を望み、「かながわの景勝50選」「関東の富士見100景」に選定される絶景スポットとなっています。

園内各所にあじさいが植えられていますが、特に頂上の展望台へ向かう一角にはあじさいが群生していて、あじさいと七里ヶ浜を一緒に撮影できるフォトポイントになっています。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:6月上〜中旬


spot.5
あじさい観光の新定番!?御朱印やお守りにも!/御霊神社(鎌倉権五郎神社) 

鎌倉市坂ノ下にある「御霊神社」は、平安時代後期の創建といわれている古社。もともとは鎌倉一帯を治めていた鎌倉・梶原・村岡・長尾・大庭氏の五家の祖を祀ったことから「五霊社」とよばれていましたが、いつしか“五霊”が転じて“御霊”になりました。

あじさいの時期には、もうひとつ注目ポイントが。神社のすぐ目の前を江ノ電が走り抜け、あじさいと江ノ電が一緒に鑑賞できる数少ないスポットのひとつになっています。

御朱印にもあじさいが!期間限定ですからお見逃しなく。御朱印帳には、期間限定のオリジナルビニールカバーをかけると、ノーマルな御朱印帳の右下にあじさいが咲く仕掛けも。

そして、「あじさい守り」も要チェックのかわいらしさ。あじさいと江ノ電が同時に楽しめる「御霊神社」。鎌倉ならではのあじさいが楽しめるかもしれませんよ。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:6月上〜中旬

■参考記事: 鎌倉あじさい観光の新定番!?「御霊神社」の御朱印帳には今だけの特別な秘密も (配信日:2019.06.06)

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いにしえから長谷を護る神社へ、聖地巡礼/甘縄神明宮

江ノ電由比ヶ浜駅から歩くこと5分ほど。鎌倉大仏で知られる高徳院や、鎌倉文士ゆかりの鎌倉文学館など、観光スポットに事欠かない長谷エリアにひっそりと佇む、鎌倉最古といわれる神社「甘縄神明宮」。平城京の遷都と同じ和同3年(710)に、奈良の大仏建立の責任者として知られる行基による草創、地域の豪族・染谷時忠が創建したと伝わります。源氏とのゆかりも深く、とくに源頼義や源義家、源頼朝の崇敬を集めました。

鳥居の右手には、この地に館があったとの説がある安達盛長の石碑が置かれています。安達盛長は源頼朝の流人時代からの従者。鎌倉幕府では御家人として活躍し、『鎌倉殿の13人』のひとりに数えられています。境内には第8代執権の時宗が産湯に使ったとされる「北条時宗産湯の井」も。

数は多くありませんが、初夏になると、あじさいが見られます。青、紫、赤……色とりどりな季節の花を静かにのんびりと楽しめるのも、この神社ならではの過ごし方です。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:5月下旬〜6月中旬

■参考記事:甘縄神明宮は『鎌倉殿の13人』のひとり、安達盛長ゆかりの地。2022年大河ドラマの聖地巡礼に! (配信日:2021.07.02)

観光の中心エリア「鎌倉駅周辺」のあじさい名所は?
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 観光の中心エリア「鎌倉駅周辺」のあじさい名所

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知る人ぞ知る穴場へ。縁結びの御利益も!/葛原岡神社

画像提供:葛原岡神社

源氏山公園内にある「葛原岡神社」は、縁結びの神様として知られていますが、実は知る人ぞ知るあじさいの穴場スポット。境内のそこかしこに約150種類、2700株ものあじさいが咲き誇る様は、なんとも風情があり、しっとりとした美しさです。

鎌倉駅からは徒歩約30分と離れていますが、その分、観光客が押し寄せることも少なく、落ち着いて観賞できるのもうれしいポイント。神聖な空気が漂う神社の雰囲気に、しっとりとしたあじさいがとてもよく似合います。標高が高いので、平地よりも若干、見頃は遅くなるようです。

画像提供:葛原岡神社

あじさいを堪能した後は、縁結び祈願もお忘れなく。こちらの「縁結び石」の奥にある小さな祠には、良縁の神様である大黒様が祀られています。向かって右が「男石」、左が「女石」で、大黒様の御霊をお迎えしているそう。

縁結びのお守りを受けると、赤い糸のついた5円玉をいただけます。その5円玉を、ご縁を授かりたい相手の性別の石に結びつけましょう。鎌倉屈指のパワースポットなので、お守りを買ったり、ハートの絵馬を奉納したり、恋愛成就をしっかりお願いして。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:6月上〜中旬

■参考記事:鎌倉のあじさいウォッチの穴場発見!縁結びのパワースポット「葛原岡神社」(配信日:2018.06.02)

spot.2
珍しい品種のあじさいにも出合える/安国論寺

画像提供:PIXTA

JR鎌倉駅東口から徒歩15分ほど、静かな住宅街を大町方面へ歩くと「安国論寺」があります。日蓮聖人が、ここに草庵を結び、布教活動の拠点にしたといわれていて、北条時頼に提出した『立正安国論』を著した古刹でもあります。

あじさいは、山門や本堂へと続く参道、日朗聖人荼毘所などに、様々な種類が植えられています。本堂手前では、ガクアジサイの仲間で、白い花びらが幾重にもなった「隅田の花火」という珍しい種類のあじさいも見ることができます。富士見台からは、鎌倉市街から由比ヶ浜まで一望でき、遠くは伊豆半島や天気の良い日には富士山も見られます。比較的人が少なく、ゆっくりと鎌倉の歴史と自然を感じられるスポットです。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:5月下旬〜6月下旬 ※詳しくはInstagram等のSNSでご確認下さい。

公式サイト:https://ankokuronji.org
※InstagramとFacebookは安国論寺で検索

spot.3
枝ぶりの大きなあじさいを、ゆったりと観賞できる/本覚寺

画像提供:PIXTA

JR鎌倉駅東口から徒歩約5分。日蓮聖人が佐渡から戻り、身延山に入るまで滞在した夷堂の跡に建立された日蓮宗の寺。二代目住職の日朝上人の名にちなみ「日朝さま」として親しまれています。また、身延山から日蓮聖人の骨が分骨されたことから「東身延」とも。

御分骨堂の前にある枝垂桜の近くには、葉も花もとても見事なあじさいが、ゆったりと距離をとって植えられています。色合いも種類も違う大きな枝ぶりのあじさいなので、見ごたえ十分です。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:6月上〜下旬

spot.4
見頃は6月下旬から。古刹らしい落ち着いた雰囲気を堪能/妙本寺

画像提供:PIXTA

JR鎌倉駅東口から徒歩約10分、比企谷の山腹にある文応元年(1260)建立の日蓮宗の本山。かつて比企一族がこの地で北条氏によって滅ぼされ、比企一族を弔うため日蓮聖人に屋敷を献上して、お堂を建てたのが始まりなのだそう。境内には本堂や祖師堂、苔むした比企一族の墓、幼い命を絶たれた二代将軍頼家の子・一幡の袖塚などがあります。

あじさいは、例年6月下旬からと若干遅咲き。本堂や、梵鐘へ続く階段、二天門など、広々とした妙本寺境内の各所に植えられ、花を咲かせます。名刹らしい落ち着いた静けさの中で、あじさいを堪能できます。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:6月下旬〜7月上旬


spot.5
風情あるお寺とのツーショットが素敵/海蔵寺

画像提供:PIXTA

扇ガ谷の奥深く、化粧坂のさらに奥にたたずむ「海蔵寺」。足利氏満の命により、上杉氏定が空外を招いて応永元年(1394)に再建した臨済宗の寺で、山門前には鎌倉十井のひとつとして知られる底脱ノ井、左手奥の崖下には十六の穴から清水が湧き出る十六ノ井戸があり、きれいに整備された境内は一年を通して様々な花木を楽しめる花の寺としても有名です。

あじさいは、数こそ多くありませんが、参道沿いや本堂近く、境内の各所で見ることができます。風情あふれる光景が楽しめ、隠れた名所になっています。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:6月上〜下旬


spot.6
葛原岡神社や海蔵寺と一緒に、あじさい散策/源氏山公園

画像提供:(公財)鎌倉市公園協会

後三年の役(1083〜1087)の出陣を前に、源義家が白旗を立て戦勝を祈願した場所で、「源氏山」「旗立山」とも呼ばれています。自然豊かな公園で、桜や紅葉の名所として親しまれています。

中央の広場には頼朝像があり、そのひざ元にはガクアジサイが植えられています。公園にあじさいは多くはありませんが、隣接する葛原岡神社や化粧坂、海蔵寺などとあわせて散策がてら訪れてはいかがでしょうか。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:6月上〜中旬


spot.7
古民家とあじさいのコントラストが綺麗!/鎌倉市川喜多映画記念館

  画像提供:鎌倉市川喜多映画記念館

小町通りから、横大路へ曲がってすぐにある「鎌倉市川喜多映画記念館」は、海外映画を日本国内に紹介し、日本映画の発展に大きく貢献した川喜多長政・かしこ夫妻の旧宅地跡に建てられた記念館です。こちらでは、川喜多夫妻の功績はもちろん、世界の映画史に残る名作や名監督を企画展や特別展で紹介しています。館内のスクリーンで、歴史に残る旧作映画から話題の新作映画まで、様々な作品を上映。年間を通じてトークイベントやワークショップなども開催されています。

画像提供:鎌倉市川喜多映画記念館

敷地内には、江戸後期の民家を移築した旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)も。背後の山並みと桟瓦葺きの屋根が調和した和風建築は、鎌倉市から景観重要建造物として指定された風情ある邸宅です。普段は庭園内に入れませんが、遊歩道からも前庭に咲く季節の花々を鑑賞することができます。

それほど多くのあじさいが咲いているわけではありませんが、緑色の広い庭園に、ぽっぽっと色を差すように、青や紫のあじさいが咲いています。小町通りの喧騒を忘れさせてくれるほど、ゆったりとした気分にさせてくれますよ。鎌倉ツウも唸る名作映画&あじさい鑑賞、ぜひお試しあれ。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃: 6月中〜下旬

■鎌倉市川喜多映画記念館(かまくらし かわきた えいが きねんかん)
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-2-12
TEL:0467-23-2500
営業期間:9〜17時 入館は16時30分まで 
定休日:月曜(祝日は開館、翌平日休み)
料金:[企画展]一般 200円 、小・中学生100円、[特別展]一般 400円、小・中学生200円 、[映画鑑賞料金]一般1000円、小・中学生500円 ※企画展・特別展のみ、鎌倉市民は無料(要証明書)

spot.8
日本画の巨匠が、愛でた情景に没入/鎌倉市鏑木清方記念美術館

画像提供:鎌倉市鏑木清方記念美術館

小町通りから路地を入ってすぐ、静かな古都の風情が漂う場所に「鎌倉市鏑木清方記念美術館」はあります。明治から昭和にかけて活躍した画家・鏑木清方の日本画を展示する美術館で、美人画をはじめ、芝居や庶民の暮らしを抒情的に描いた清方が、晩年を過ごした旧宅跡に開館されました。在りし日の清方の画室も再現され、絵筆や絵皿などの遺品が往時のままに並んでいて、ゆったりと日本画の世界に浸ることができます。

画像提供:鎌倉市鏑木清方記念美術館

自邸の庭で四季の移ろいを愛でたという清方が見た草花を、美術館の庭でも見ることができます。あじさいは「紫陽花舎(あちさゐのや)」という雅号を用いるほど、清方が好きだった花。今も門の小径に沿って咲く姿を楽しめます。清方の可憐な日本画を見た後、あじさい鑑賞はとても粋。のんびり風情ある時間を楽しんで。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃: 6月上〜下旬


spot.9
あじさいに導かれるように、歴史と文化を学ぶ/鎌倉歴史文化交流館

画像提供:鎌倉歴史文化交流館

鎌倉駅西口から源氏山方面へ徒歩7分ほど。世界的に著名な建築家ノーマン・フォスター氏の設計事務所(フォスター+パートナーズ)が手がけた個人住宅をリノベーションした博物館があります。

アナベルと呼ばれる白いあじさいや、青から紫の西洋アジサイが、博物館へ導くように遊歩道に咲き誇ります。

画像提供:鎌倉歴史文化交流館

鎌倉で発掘された出土品を中心に、原始・古代から近現代までの鎌倉の歴史や文化を紹介。ジオラマ・プロジェクションマッピングやVRなど、最新の映像展示によって、初めて鎌倉を訪れる方も、楽しみながら鎌倉の歴史や文化を学ぶことができます。

建築物としても、みどころがたっぷり。光ファイバーが組み込まれた人造大理石や廃テレビ管を利用したガラスブロックなど随所に施された特殊な建築資材、中世の景観を彷彿とさせる庭園、高台からの海の眺望も。

鎌倉の歴史と、先進的な建築物、そしてあじさい。ほかにはない博物館の雰囲気をゆったり堪能してみてはいかが?
【あじさい開花状況】
・例年の見頃: 6月中〜下旬


落ち着いた風情の漂う「浄明寺・二階堂」のあじさい名所は?
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落ち着いた風情の漂う「浄明寺・二階堂」のあじさい名所

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花手水がフォトジェニック!京都の文化と鎌倉の自然を満喫/一条恵観山荘

京都の桂離宮に並び、江戸時代初期の朝廷文化を今に伝える山荘。2017年6月から庭園が一般公開され、ゆったり風情ある庭園を楽しめると話題のスポットです。後陽成天皇の第9皇子、一条恵観が京都・西賀茂に建てた山荘を、鎌倉に移築。その後、国の重要文化財に指定されました。

青や紫、ピンクなど彩り豊かなヤマアジサイを中心に50種類以上が、山荘内に咲き誇り、訪れる人の心を癒してくれます。

あじさいの季節には、庭園各所にあじさいの花を浮かべた花手水が設えられて、思わず写真に収めたくなるようなフォトジェニックなスポットに。この季節ならではの風情が楽しめます。

季節限定「あじさいじゅうすと季節の主菓子」1100円 画像提供:一条恵観山荘

併設する「かふぇ 楊梅亭」も人気です。2024年7月7日(日)まで予定の季節限定「あじさいじゅうす」は、バタフライピーティーとエルダーフラワー、レモンシロップを配合して、あじさいの色合いに見立てたドリンク。さっぱりとしたレモン味で、西鎌倉にある「茶の子」が作るお店オリジナルの上生菓子とセットで提供。庭園を眺めながらゆっくりと楽しんで。
また、一条恵観山荘の建物内部を案内人がついて説明する「建物見学」を実施。季節ごとに変わりゆく庭園内を散策しながら、京都の文化と鎌倉の自然を満喫してみてはいかが?
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:5月上旬〜7月中旬

※2024年5月14日(月)〜7月7日(日)は無休。定休日はシーズンごとに変更となります。最新の情報を事前に公式HPにてご確認のうえ、おでかけください。

spot.2
あじさいと竹林のコントラストが絶品/報国寺

画像提供:報国寺

鎌倉の竹寺としても名高い「報国寺」には、約2000本の孟宗竹が広がる幻想的な「竹の庭」があります。JR鎌倉駅東口からバスで約10分。「浄明寺」バス停から歩いて3分ほどで山門に到着します。

創建は建武元年(1334)。足利尊氏の祖父・足利家時を開基として、臨済宗の僧・天岸慧広が開山したと伝えられ、かつては足利、上杉両氏ゆかりのお寺として栄えました。

画像提供:報国寺

「報国寺」のあじさいは、数こそ多くはありませんが、石塔やお地蔵様の近く、美しく整えられた竹林に、青、紫のあじさいが映え、厳かな古刹らしい風情のある景色を堪能することができます。本堂横の受付で「拝観券」400円と一緒に「抹茶券(干菓子付き)」600円を購入すると、竹林と向き合いながらお抹茶をいただける「茶席 休耕庵」を利用することも。お抹茶を味わいながら、優雅なひとときを。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:6月上〜下旬

公式サイト:https://houkokuji.or.jp/
公式SNSのURL:https://www.instagram.com/houkokuji_official/

spot.3
境内では、洋館とアナベルのベストショットも/浄妙寺

画像提供:PIXTA

「浄妙寺」は、JR鎌倉駅東口からバスに乗って約8分、徒歩3分ほどにあります。文治4年(1188)に足利義兼が創建した鎌倉五山第五位の寺で、室町時代には七堂伽藍を備え23の塔頭を数える寺院でした。現在は宝歴6年(1756)に再建された本堂と客殿、庫裏などが立っています。また境内には洋館を改装して作られたカフェ&レストラン「石窯ガーデンテラス」も。

画像提供:PIXTA

手入れが行き届いた境内には、あじさいも随所に植えられています。なかでもみどころは、「石窯ガーデンテラス」前、裏山の散策路(山あじさい小径)の2つ。それぞれ植えられている品種も異なります。散策路近くでは古刹らしい風情のあるあじさいが、「石窯ガーデンテラス」では白いアナベルと洋館が一つのフレームに収まる距離に。どちらも趣が違って、一見の価値ありです。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:6月中〜下旬


spot.4
参道にもあふれる、カラフルなあじさい群/瑞泉寺

画像提供:PIXTA

JR鎌倉駅東口からバスで約8分、徒歩12分ほど。紅葉ケ谷の奥に位置する「瑞泉寺」は、梅や紅葉の名所として知られています。嘉暦2年(1327)の創建で、開山は夢窓国師。後に足利基氏が中興し、以来足利氏4代の菩提所となりました。本堂の奥手には、夢窓国師の作といわれる岩肌の斜面を巧みに取り入れた名勝の池泉式庭園があります。

「瑞泉寺」は、あじさいの名所でもあります。受付近く、梅林の奥には多くのあじさいが植えられ、本堂へと向かう道すがら、あじさい散策も楽しめます。本堂付近には、あじさいのほかに桔梗も植えられ、時期があえば競い合うように咲く姿を観賞できます。

画像提供:PIXTA

また、「瑞泉寺」には門をくぐる前から、あじさいを堪能できるという、うれしいポイントも。「鎌倉宮」から「瑞泉寺」へ向かう途中にある通玄橋を過ぎると、白、青、紫、ピンク…と色鮮やかなあじさいが列なすように咲き誇り、隠れた名所にもなっています。
【あじさい開花状況】
・例年の見頃:5月下旬〜6月下旬


●店舗・施設の休みは原則として年末年始・お盆休み・ゴールデンウィーク・臨時休業を省略しています。
●掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。内容の変更が発生する場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください。
●この記事は、一部『るるぶ&more.』の過去に掲載した記事をもとに作成しています。