『ガッツリ食べても罪悪感ゼロ! 究極のバードめし』より

食べる量を減らしても、なかなかやせない……。コロナ太りの体を抱えてそう嘆いている人も多いのでは?

ですが、やみくもに食べる量を減らすのではなく、きちんと基礎代謝を計算したうえで“しっかり食べてやせる”ことが大切だと言うのは、人気YouTuberユニット「マッスルグリル」の、ボディビルダー・シャイニー薊(あざみ)氏と、格闘家のスマイル井上氏です。

2人が考案し、YouTubeやSNSでバズった手軽な減量食「沼」レシピを公開します。(料理撮影/難波雄史)

基礎代謝量分のカロリー摂取は必須

やせるとは、簡単にいうと「摂取カロリー<消費カロリー」ということ。摂取カロリーが消費カロリーよりもはるかに多い場合、余ったカロリーは脂肪として蓄積されてしまいます。

「じゃあ、摂取カロリーを極限まで減らせば(つまり食べなければ)、やせるじゃん!」と思う人もいるかもしれません。

しかし、過度な食事制限は、やせるどころかエネルギー不足に陥り、活力(やる気)がなくなったり、筋肉が落ちたり、体調が悪化したりします。また、かえって食べたい衝動が募り、一時的にやせることができてもリバウンドしてしまう恐れがあります。ですから、食事は“しっかり”とることがダイエットの大原則なのです。

では、この“しっかり”とは何を指すのでしょうか。

それが「基礎代謝量」です。基礎代謝量とは、呼吸、体温調整・脳や内臓、神経の活動など、何もしなくても普通に生きていれば消費するエネルギー量のこと。性別、年齢、体格、体温、季節、生活などによって変化します。「ダイエット時においても1日最低、基礎代謝量分のカロリー摂取が必要」と覚えましょう。

基礎代謝量は以下の計算式で求められます。

基礎代謝量(kcal/日)=基礎代謝基準値(kcal/kg/日)×体重(kg)

以下の表に沿って、自分の基礎代謝を計算してみましょう。


『ガッツリ食べても罪悪感ゼロ! 究極のバードめし』より

例えば、

● 32歳、体重70kgの男性の場合……70×22.5=1575kcal
● 28歳、体重45kgの女性の場合……45×22.1=994.5kcal

が基礎代謝量となります。簡単ですね。

※この計算は簡易的なものです。より正確な数値を測りたい方は体組成計を利用しましょう。

摂取すべきカロリーの計算

基礎代謝量がわかったところで、次は必要なカロリーをどのように摂取すべきか知りましょう。

エネルギー源になる栄養素には「たんぱく質(Protein)」「脂質(Fat)」「炭水化物(Carbohydrate)」の三大栄養素があります。この3つの頭文字をとって「PFCバランス」と呼ばれています。

これまでの経験上、ダイエット時にはこの3つを以下の配分で摂取するのがいいと僕たちは考えています。

例えば、

一般的な人で、基礎代謝量が1200kcalの場合
→たんぱく質300kcal(=75g)、脂質180kcal(=20g)、炭水化物720kcal (=180g)
日常的にトレーニングしている人で基礎代謝量が1800kcalの場合
→たんぱく質720kcal(=180g)、脂質360kcal(=40g)、炭水化物720kcal(=180g)

となります。

これに加えて、五大栄養素に含まれる「ビタミン」「ミネラル」を摂取すれば、1日に必要な栄養素を摂取できることになります。


『ガッツリ食べても罪悪感ゼロ! 究極のバードめし』より

「たんぱく質を摂れば、やせる(筋肉が増える)」と思っている人、多いのではないでしょうか? ですが、この考え方は完全に間違っています。

・たんぱく質に意識が向いた結果、健康意識が上がって食習慣を改善し、ジムにも通うようになった
・今まで脂質を摂りすぎていた人がたんぱく質を増やして、食事の量を変えずにカロリーが減った

といった状況なら別ですが、たんぱく質を摂るだけで筋肉が肥大化したり、やせたりすることはありません。断言します。

たんぱく質は、筋肉や内臓、髪、爪などを構成し、ホルモンや酵素を作り、免疫細胞を活性化させる役割を持ちます。しかし過剰に摂取すると、栄養として吸収しきれず、むしろ脂肪として蓄積されてしまいます。

たんぱく質を効率的に摂取する方法として「プロテイン」がありますが、ダイエットを目的にしているのならおすすめできません。

必要なたんぱく質は、日々の食事から摂取できます。プロテインはあくまで栄養補助食品。本来あるべき姿は、日々の食事で補うことです。間違っても「プロテインが中心」の食生活はやめましょう。

空腹がガマンできないときは

「友だちの結婚式に出るから」「健康診断の結果が悪かったから」「薄着の季節が近づいてきたから」「正月太りしてしまったから」などなど、ダイエットをしようと思ったきっかけは人それぞれあるはずです。その目的を忘れてはいけません。忘れっぽい人は、毎日念仏のように唱えてください。

とはいえ、食べたいものを食べられない、あるいは空腹の状態はツラいものですよね。そんなときはこう考えてください。「空腹こそ、ダイエットの目的だ」と。例えばトレーニングをする場合、「筋肉痛」は覚悟できますよね。むしろ、その痛みは筋肉が増えるサインであり、ポジティブに受け入れられるはずです。

同じように、「空腹や物足りなさは、やせているサイン」だと考えてみてください。ダイエットに楽しさや達成感を得られるはずです。

ダイエットを通して、欲求のコントロールができるようになります。これは仕事やプライベートでも役立ちます。継続すれば「やせる」以外のメリットも感じられるはずですよ。

今回は、1日の摂取カロリー管理が手軽にできる究極の減量食レシピをご紹介しましょう。

その名も「沼」というこのレシピは、YouTubeで454万回再生され、指原莉乃さんやブラマヨの小杉さんほか多くの著名人にも話題にされるなど、大きくバズった人気レシピです。

材料をすべて炊飯器に入れるだけというその簡単さと、見た目からは想像がつかないほどのおいしさがクセになる「沼」レシピ、ぜひ試してみてください。

沼の作り方

材料(3〜4食分)1379kcal、たんぱく質121.5g、脂質12.9g、炭水化物189.3g
・鶏むね肉…450g
・米…200g
・干ししいたけ(スライスタイプ)…1つかみ
・おくら…10本
・乾燥わかめ…1つかみ
・水…1500ml
・塩…5g
・カレー粉…30g

<作り方>
1.炊飯器に、米、乾燥わかめ、干ししいたけ、おくら(がくは取らない)、塩、カレー粉、水、皮を取った鶏むね肉の順に入れて炊飯モードで炊く。
2.炊き上がったら保温状態にして、4時間たったら混ぜる。


『ガッツリ食べても罪悪感ゼロ! 究極のバードめし』より

続いて、沼のバリエーションとして開発した「マグマ」レシピも公開しましょう。沼では摂り切れない栄養素を足したレシピです。

しっかりとしたトマト味と胡椒のスパイシーさが癖になります。沼で物足りない方におすすめ。にんにくをプラスしてもおいしいですよ。

マグマの作り方

材料(3〜4食分)1362kcal、たんぱく質123.9g、脂質6.8g、炭水化物196.6g
・鶏ささみ…450g
・米…200g
・干ししいたけ(スライスタイプ)…1つかみ
・おくら…5本
・玉ねぎ…1/2個
・トマト水煮缶(ホール)…1缶(400g)
・水…1000ml
・塩…5g
・こしょう…少々

<作り方>
1.玉ねぎは皮をむき、フードプロセッサーでみじん切りにする。
2.炊飯器に、米、干ししいたけ、おくら(がくは取らない)、1の玉ねぎ、塩、こしょう、トマト水煮缶を入れる。分量の水を少量缶に入れて軽くすすぎ、残りの水と一緒に炊飯器に入れる。最後に鶏ささみを入れて炊飯モードで炊く。
3.炊き上がったら保温状態にして、4時間たったら混ぜる。


『ガッツリ食べても罪悪感ゼロ! 究極のバードめし』より

注意事項
※各レシピの分量は、3〜4食分を目安にしていますが、基礎代謝量によって摂取すべき量は異なります。基礎代謝量の計算を行ったうえで、食べる量は各自の判断で決めてください。
・圧力機能のついていない5.5合炊きの炊飯器を使用しています。レシピの分量は5.5合 炊きのものです(3合炊きだと吹きこぼれリスクがあります)。
・調理にあたっては、必ず炊飯器の取扱説明書をよく読んでください。圧力機能のついた炊飯器だと調理できないものもありますので、取扱説明書に従ってください。
・炊飯器の炊き上がりはメーカーや機種によって違うので調整してください。また、炊飯器の調理時間は目安なので様子を見ながら調理してください。
・水分の多い料理は炊き上がりの際にエラーが出る場合がありますが、料理はできています。また、保温時間は目安です。夏場は特に傷みやすいので、長時間の保温の際は注意してください。