貫く「フロンターレ愛」…家を買い、サポーターを続け、そのままスポンサーに!
サポーターからスポンサーになった男がいる。今季から川崎フロンターレのクラブパートナーになった株式会社エレファントストーンの代表取締役CEO 鶴目和孝氏だ。
今季、川崎フロンターレの選手紹介の前にちらっと象のようなロゴのキャッチアップが入る。そのムービーこそエレファントストーン社が手掛けた証だ。
川崎フロンターレでは、エレファントストーンさんとクラブパートナー契約を締結!ホームゲームの選手紹介前に、大型ビジョンに企業ロゴをご掲出いただきます。今年の選手紹介映像もエレファントストーンさんが制作。最高の映像を今一度ご覧ください!https://t.co/7oIJUOIhM8 【営業】#frontale
— 川崎フロンターレ (@frontale_staff) March 30, 2021
今回は、なぜフロンターレのスポンサーになったのか、鶴目氏に直撃してみた。
――鶴目さんと川崎フロンターレのつながりを教えてください。
元々学生時代からサッカーが好きでした。当時はヨーロッパのサッカーをよく見ていたのですが、ロンドンへ行ったときにサポーターが「おじいちゃん、息子、孫」と3世代でサッカーを観に来ていることに衝撃を受けました。町全体、ひいては家族ぐるみで一生そのチームを応援するという姿勢です。
自分も家族ぐるみで応援するチームを作りたいと思ったのがきっかけです。
――なぜフロンターレ?
日本に住みながらもそういった応援ができる、毎試合サッカーの試合を見に行けるというのはJリーグのクラブしかありません。
私は親が転勤族だったので地元というものを知りません。成人式も行きませんでしたし、一時期はタイに住んでいましたので。
新興チームで他所者にも間口が開いていて、通勤にも便利。さらに攻撃的なサッカーを指標していると考えたら、フロンターレになりました。当時からフロンターレの試合はとても面白かった。ジュニーニョや我那覇和樹選手がいたころです。
そこで2007年に武蔵小杉へ引っ越しました。そこから14年間、増える家族とともに応援を続けています。
――今でもできるだけ現地観戦をしていると聞いています。いつからスポンサーになろうと考えたのですか?
起業当初から、ほぼ全試合です。この14年間でホームだと6、7試合をのぞいてすべて行きました。そうしたなかで、いつかは好きなチームのスポンサーになってやろう、と。
もう1つ夢がありました。それは好きなチームである川崎フロンターレの映像を手掛けることです。数年前にちょっとした縁からそれを実現することができました。今はチームの映像制作の多くに携わらせていただいています。
起業して10年がたちまして良いタイミングだと思ったのですが、正式にスポンサーの手続きをしたのは今年に入ってからです。
――多くの映像を手掛けているとのことですが、これまでで思い出に残っている作品はありますか?
今シーズンの「ホームゲーム選手紹介映像」も思い入れが深いのですが、一番は2019年のYBCルヴァンカップ決勝前の煽り映像ですかね。
フロンターレのチームカラーや特性を取り入れていて、ルヴァンカップの負の歴史の自虐ネタから2017年2018年の優勝シーンを音楽のテンポに合わせていてスタジアムの勢いがどっと出た感じがして「もしかしたら勝ったかも?」と試合前に思いました(笑)。
まさに弊社のスローガンでもある想いを「象る(かたどる)」ことが出来た映像だと思っています。
――スポンサーになってみて、周りからの反応は?
友達にFULLERの渋谷さんというアルビレックス新潟のスポンサーをやっている会社の社長がいるのですが、「めっちゃ強いチームじゃん」と。自分は好きだからJ2でもチームを応援しているけれど「強いからスポンサードしたのか」といいつつも喜んでくれて「来シーズンのJ1で戦えると良いね」と言う話をしました。
実際、フロンターレが今ほど強くなかった時期も知っています。一生の間にもしかしたらJ2、J3になるかもしれない。それでもそういった時期も見ておこうと思っています。
あとは、子供の友達の父親とか思わぬところから反応をもらいました。あれって鶴目さんの会社だよね?と。
――社内での関心はどうでしょうか?
スポンサーになったことをきっかけに試合結果を気にしてくれたり関心を持ってくれる人が多く、好意的にとらえられていると思います。社内にはフロンターレを応援する自動販売機を置いています。
――スポンサーになるとちなみにどんな特典があるのでしょうか?会員証がもらえるとか?
会員証のような目に見えるものはありません。スタジアムにあるクラブパートナーボードやオフィシャルサイトにロゴが載ったり、名刺に『川崎フロンターレを応援しています』と入れられるようになったのが「スポンサーの実感」でしょうか?
ただ、スポンサーとして社長として考えないといけないことがあります。それは「社長の道楽」になってはいけない、ということです。
【関連記事】板倉!三好!三笘!13年前、世界的大会に出場した「川崎U-12」の秘蔵写真がこれ
※スポンサーは「あくまでビジネスでなくてはならない」と語る鶴目氏。その真意は、9日公開の後編に。乞うご期待!
>>後編はこちら