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「ヒヒヒヒーン!」(※ふくながー!の意)

3歳馬の頂点、日本競馬の頂点、すべてのホースマンと馬が目指す夢の舞台、日本ダービーが今年も華々しく行なわれました。勝ったのは福永祐一騎手が騎乗するディープインパクト産駒シャフリヤール。ペルシャ語で「偉大な王」の名を冠する馬が、皐月賞を制した1番人気エフフォーリアをハナの差で下し、ダービー馬の栄誉を手にしました。生涯でたった一度のチャンス、このほんのわずかな差で運命が変わる。そういう瞬間を今年も見守ることができ、また今年は少ないながらも観客が立ち会うなかで日本ダービーが行なわれたことを、とても嬉しく思います。

↓最後の直線、あとほんの少しというところのクビの上げ下げで内のシャフリヤールが差し切った!




競馬というのは血統によって歴史を紡ぐドラマですが、また今年も印象的なドラマが作られたなと思います。皐月賞1着のエフフォーリアは「祖父シンボリクリスエス、父エピファネイア」がともに2着となって果たせなかったダービー制覇の夢を背負っての出走でした。また、皐月賞2着のタイトルホルダーも「祖父キングカメハメハ、父ドゥラメンテ」につづく親子三代でのダービー制覇を目指しての出走となっているなど、長い時間の果てにたどりつくドラマの厚みを感じるような舞台設定となっていました。

とりわけエフフォーリアは「悲願のダービー制覇」へ一族をあげてのレース。父エピファネイア、祖父シンボリクリスエスともにGIをいくつも制した名馬でありながらダービーには手が届かなかったわけですが、さらに母父(お母さんの父親/母方の祖父)のハーツクライも海外GIなども制した名馬でありながら、やはりダービーは2着という馬。ダービーを2着するぐらいの馬だから血統がつながるということではあるとは言え、よくも2着だけがズラリと並んだものだなと思う「ダービー絶対2着取るウマン」による華麗なる一族です。

さらに言えば、エフフォーリアの父エピファネイアのお母さん…つまり祖母にあたるシーザリオもまた「ダービー制覇」の悲願をまとった馬。シーザリオ自身は日米オークス制覇を成し遂げた名牝ですが、その子たちは2013年ダービー2着のエピファネイア、2019年ダービー4着のサートゥルナーリアなど、ダービー制覇には届かないレースがつづいてきました。「私が調子込んでアメリカのオークスまで勝ったせいかしら…」とは馬は思わないでしょうが、今年こそはという思いを持っているんじゃないか、そう考えたくなるような宿命をまとった一族です。

そんな「ダービー絶対2着取るウマン」一族の宿命を断ち切れるのか、力関係で言えば今年のエフフォーリアには大きなチャンスがあったはずでした。皐月賞では圧勝し、別路線組で人気しているのは桜花賞から流れてきた牝馬のサトノレイナスという状況です。サトノレイナスはオーナーの悲願を背負っての出走と思われ、「勝てそうだから出てきた」わけではないだろう馬。明確なライバルはいない。しかも1枠1番という好枠も引いた。ダービー制覇への視界は良好でした。単勝1倍台の支持も当然と言えるところ。

しかし、そこに立ちはだかったのは、福永祐一騎手が乗るディープインパクトの忘れ形見シャフリヤールでした。エピファネイアに立ちはだかったキズナよろしく、またもディープの子が前を塞いできた。しかもその手綱を握る福永祐一騎手も因縁の相手です。エピファネイアがダービー2着となったとき、その鞍上にいたのがまさに福永騎手だったのです。

2013年の日本ダービー、福永騎手はエピファネイアの熱くなりやすい気性を警戒し、1コーナーから抑えにかかるもなかなか抑えられずにいました。道中ずっと馬と格闘しているような状態となり、向こう正面ではつまずいてあわや落馬というアクシデントも。さらに直線に入ると前の馬が壁となって追い出せず、外に持ち出すまでにかなり手間取ります。その結果、「先攻力とスタミナ」で押し切りたいはずのエピファネイアが、「キレ味」で勝負したいキズナと同じタイミングでの追い始めとなり、最後の最後で差し切りを許すことに。

どう乗ったところで結局はキズナに差し切られたかもしれませんが、あのときシンボリクリスエス一族とシーザリオ一族と福永一族がみんなで「悲願のダービー制覇」を目指して破れ、その後福永一族だけちゃっかりダービー制覇を成し遂げて、今年も前に立ちはだかってくるというのは運命的です。福永騎手はこれでダービー3勝目となり、今や完全にダービーに愛された男です。さすがにこれは馬でも「ヒヒヒヒーン!(ふくながー!)」くらい言うでしょう。

↓向こう正面の直線でつまずいたのが福永騎手騎乗のエピファネイアです!(※6分25秒頃)


これだけ上手くいかないレースでもわずかな差!

あと少し順調なら勝っていてもおかしくない!



競馬界には「ダービー馬はダービー馬から」という格言がありますが、今ここに「ダービー2着馬はダービー2着馬から」という新たな格言が確固たる真実味をもって誕生しました。三代つづけばもはや偶然ではありません。エフフォーリアは皐月賞制覇で種牡馬入りは確実でしょうから、今度はその子たちすべてが背負うダービー制覇の悲願と、ダービー2着絶対取るウマン一族の宿命と、また新たな楽しみが増えたなと思います。

前向きな希望はあります。エフフォーリアの父エピファネイアの母父にはスペシャルウィークの名前があります。スペシャルウィークは、武豊騎手に初のダービー制覇を贈った馬。すでにダービー以外の八大競争を制し、それまでの9度のダービー挑戦でも皐月賞馬ハクタイセイやナリタタイシン、1番人気を背負ったダンスインザダークなどに騎乗しながら阻まれてきたダービーの壁を突き破ってくれたのがスペシャルウィークでした。

その血が強く開花すれば、スペシャルウィークやシーザリオのように「クラシックのなかでダービーとかオークスとかだけ勝つ」というパターンの子も生まれるかもしれない。そんなことを思いながら、また10年後くらいのダービーで「親子四代ダービー2着キタコレ」などとやる…そういう楽しみを未来に置いておきたいと思います。馬にしてみれば「人間は勝手なことばかり言う」という話でしょうが、競馬ってそういうものですからね!

↓「親子10代ダービー2着なるか」まではいかずに勝てるんじゃないでしょうか!

まずは「親子四代ダービー2着やり込み」達成まで、エピファネイアの子がダービーを勝たないでいられるかどうか、が問題ですが!

デアリングタクトとエフフォーリアが出たので、エピファネイア産駒によるダービー制覇は近いでしょう!

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人間で「親子四代」を見届けるには長生きしないとですが、馬ならイケそう!