『スタンド・バイ・ミー』のゴーディと彼を演じたウィル・ウィートン
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 28日、日本テレビ系金曜ロードショーにて、名作『スタンド・バイ・ミー』(1986)が放送される。オレゴン州の田舎町で、ひと夏の冒険を繰り広げた少年たちを演じてから35年。当時の子役たちは、大人になった現在どうしているのか。

ゴーディ役:ウィル・ウィートン(48)

 主人公ゴーディを演じたウィル・ウィートンは、本作への出演後、1987年から1994年にかけて放送されたSFシリーズ「新スタートレック」に、ウェスリー・クラッシャー役として出演。映画『トイ・ソルジャー』(1991)や『フラバー』(1997)、テレビドラマ「クリミナル・マインド」「レバレッジ 〜詐欺師たちの流儀」や「ユーリカ 〜地図にない街〜」へのゲスト出演など、コンスタントに俳優活動を続けている。

 豊富なオタク知識でも知られ、ブログ活動に加え、ゴーディのように書籍も出版。「スタートレック」つながりもあり、オタク青年たちの日常を描く人気シットコム「ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則」では、たびたび本人役で登場した。声優としても活動しており、日本のアニメ『劇場版NARUTO-ナルト- 疾風伝』(2007)では足穂とシズクの声を担当したほか、大ヒットゲーム「グランド・セフト・オート」「ゴーストリコン」シリーズにも参加している。

クリス役:リヴァー・フェニックス

 家庭環境ゆえに悪ぶっているが、賢く心優しい少年クリスを演じたリヴァー。本作の演技で注目を浴びた彼はその後、『旅立ちの時』(1988)でアカデミー賞助演男優賞にノミネート。キアヌ・リーヴスと共演した『マイ・プライベート・アイダホ』(1991)ではベネチア国際映画祭男優賞を受賞するなど、同世代を代表する演技派としての評価を得た。

 しかし1993年10月、薬物の過剰摂取により、23歳の若さでこの世を去る。『スタンド・バイ・ミー』のロブ・ライナー監督は、2011年に発売されたブルーレイ収録の映像「25年ぶりの再会」内で、同作の後でリヴァーと会う機会があり「明らかにドラッグをやっていた」と振り返ると、輝かしい未来があったはずの、若き才能の喪失を惜しんでいた。現在、弟のホアキン・フェニックスは実力派俳優として活躍中。『ジョーカー』でアカデミー賞を受賞した際、ホアキンは兄リヴァーの遺した詩を読み上げた。また、ルーニー・マーラとの間に授かった子供に、リヴァーと名付けたという。

テディ役:コリー・フェルドマン(49)

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 メガネ姿のテディは、クレイジーで皮肉屋だが、虐待を受けながらも、戦争で心に傷を負った父親を尊敬しているという複雑な役どころ。彼を演じたコリーは、幼少期から芸能界で活動し、個性派子役として『グレムリン』『ロストボーイ』といったヒット作に出演。ただ、両親からは金づる扱いだったといい、ライナー監督は当時、コリーの親がロケ地に彼を置いて帰ってしまったことに驚いていたという。だがコリーにとっては、自分に悪影響を及ぼす両親から離れられた、貴重な体験だったようだ。心に孤独を抱えたテディ役は、そんなコリーだからこそ表現できた役だった。

 10代にして法的に両親から独立したコリーだが、ヘロイン所持で逮捕されるなど、薬物依存に苦しんだ。苦難を経て現在は立ち直ったといい、インディペンデント作品やリアリティー番組への出演に加え、音楽活動を展開。2016年に自身のバンドのメンバーで、18歳下のコートニー・アンと3度目の結婚をしている。また、子役時代に映画業界の男性たちから性的虐待を受けたと主張しており、2020年には自身の体験にまつわるドキュメンタリーを発表した。

 両親との関係といえば、ゴーディ役のウィートンも先日、子供のころは俳優になりたくなかったが、女優であった母親にそう仕向けられ、父親からも精神的に虐待されていたと、米 Yahoo! Entertainment の動画インタビュー内で告白。その境遇が、将来を期待された兄を失い、両親から冷遇されているゴーディに重なったと語っている。

バーン役:ジェリー・オコンネル(47)

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 本作のキャストで最も大変身を遂げたのが、ぽっちゃり気味の少年ヴァーンを演じたジェリー・オコンネルだろう。当時は素人同然だったというジェリーだが、本作を経てテレビ映画やドラマシリーズに出演した後、1990年代にはニューヨーク大学で映画を専攻。トム・クルーズ主演の『ザ・エージェント』や人気ホラー映画シリーズ『スクリーム2』などに出演しキャリアを積んだ。成長と共に体型も筋肉質となり、すっかりイケメンに成長。大学時代はフェンシングの選手としても活躍した。

 私生活では、2007年に『X-MEN』シリーズでミスティークを演じたモデルで女優のレベッカ・ローミンと結婚し、双子の娘に恵まれるなど充実。その出世ぶりにライナー監督は、「25年ぶりの再会」内で「あのジェリーがレベッカ・ローミンと結婚したとは!」と喜んでいた。アニメ「スター・トレック:ローワー・デッキ」など、声優としても活動している。

エース役:キーファー・サザーランド(54)

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 子役ではないが、おそらく本作のキャストで最も成功を収めているのが、不良グループのリーダー、エースを演じたキーファー・サザーランド。同作への出演で一躍名前を広めたキーファーは、若手株として『ロストボーイ』(1987)、『プロミスト・ランド/青春の絆』(1987)、『ヤングガン』(1988)、『フラットライナーズ』(1990)などに出演するが、大きなヒット作には恵まれなかった。

 俳優として頭ひとつ抜け出せない状況が続いていたキーファーだが、2001年にスタートしたドラマ「24 TWENTY FOUR」で演じた、不屈の捜査官ジャック・バウアー役で大ブレイク。日本でも一大ブームを巻き起こし、お茶の間にも知られる存在となった。また「24」の合間を縫って、映画にもコンスタントに出演。シリーズが終了した後も、自ら製作総指揮を兼任した「サバイバー:宿命の大統領」に出演するなど、精力的に活動している。