「内親王殿下の配偶者」を「皇族」に加えるという説が提示されている

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女性宮家創設、女性・女系天皇容認の議論

 小室圭さんと眞子内親王殿下のご婚約をめぐって、国民世論の沸騰は留まるところを知らない。躊躇と心配の声が圧倒的で、特にSNSやニュースサイトのコメント欄では「破談一択」しかないという声が支配的とも言える状況だ。そうした中、「安定的な皇位継承」に関する政府の有識者会議が粛々と開催されている。実はこの会議でいま、「内親王殿下の配偶者」を「皇族」に加えるという説が提示されていることをご存じであろうか。

【写真】秋篠宮さまにしがみつく「眞子さま」

 果たして、眞子内親王殿下の配偶者として小室圭さんが「皇族」になる可能性があるというのだろうか――。

 会議の正式名称は、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議。皇位継承の安定性を図るために「女性宮家を創設するか」、「女性・女系天皇を容認するか」といったテーマが議論されており、これまでに13名の大学教授やジャーナリストらを招いたヒアリングが実施されている。

「内親王殿下の配偶者」を「皇族」に加えるという説が提示されている

 5月10日の第4回会議では、岡部喜代子・元最高裁判所判事、大石眞・京都大学名誉教授、宍戸常寿・東京大学大学院法学政治学研究科教授、百地章・国士舘大学特任教授が招かれた。

 ヒアリングでは、主催者側からあらかじめ10個の質問項目が提示され、ゲストとして招かれた有識者は口頭説明の補助資料としてペーパーを提出する。このうち、

問7. 内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持することについてはどのように考えるか。その場合、配偶者や生まれてくる子を皇族とすることについてはどのように考えるか。

小室圭さんと佳代さん

 という質問に対して、東大法学部の宍戸常寿教授(憲法学)は提出したペーパーの中で、こう回答している。

配偶者も皇族とするのが適当と考える

「皇族数及び皇位継承者数を確保するという観点から、女系にも皇位継承資格を認め、その前提として内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持する制度が前提となると考える。その場合には、生まれてくる子はもちろん、配偶者も皇族とするのが適当と考える」

 つまり、「女系天皇」容認を前提とした上で、内親王が婚姻した後も「皇族」として身分を保持するだけでなく、その「配偶者」も「皇族」とするのが適当であるというのだ。

 宍戸教授は、「国家制度としての天皇の安定という観点からは、一定の皇族数を確保する必要がある」とも述べている。

 皇族数確保の観点から、女性宮家を創設し、婚姻した内親王も皇籍を離脱することなく皇族身分を保持、さらには内親王の配偶者も皇族として身分を認めていこうということなのだろう。なお、京大法学部の大石眞名誉教授も同じように、「配偶者についても皇族とすることが適当であろう」と述べている。

 現行の皇室典範が存続する限り、眞子内親王殿下とご結婚されたとしても小室圭さんが「皇族」になることはありえない。

 しかし、万が一この宍戸教授が唱える説が実現した場合、眞子内親王殿下の配偶者として、小室圭さんが「皇族」になる可能性があるということになる。果たしてその衝撃やいかに。

「男系女系を問わず、日本国憲法施行時の天皇であった昭和天皇の子孫であることが皇位継承の安定性・連続性という要請に適い、また日本国⺠統合の象徴としての国⺠の支持を得やすい」とも宍戸教授は述べている。

 このような議論の延長線上に、「内親王の配偶者が皇族となる」事態が実現した場合、どれだけの混乱を招く可能性があるか、適切に想定されているといえるであろうか。

皇室と全く無縁な「民間人成年男子」が

 小室圭さんを巡っては、母親の元婚約者との間での金銭トラブルだけでなく、遺族年金受給の問題や親子に関わる人間関係までもが取り沙汰されている。

 そうした中で、眞子内親王殿下とのご結婚の問題は、皇位継承の安定性を図るための女性宮家創設問題や女系天皇容認という国制上の大問題ともリンクしかねないのが現状だ。

「曲学阿世の徒」という言葉がある。これは、吉田茂首相が1950年、東大総長南原繁の全面講和論を「世間におもねり学問を曲げる」として非難したものだが、逆に、世論を一顧だにせず空論を唱えることを、「朝菌(ちょうきん)は晦朔(かいさく)を知らず」(荘子)とも言う。

 朝生えて晩には枯れるキノコ(朝菌)は、晦日(月末)から朔日(月初)をまたぐことが叶わないことから「寿命の短いこと」を言うが、転じて、視野が限られている者は広大な世界を理解できないという、「世間知らず」の例えとしても使われる。

 今回ヒアリングに招かれた4名の有識者はいずれも裁判実務や憲法学研究に基づく学識豊かな方ばかりである。学を曲げる必要も、世間におもねる必要もないが、そこでの議論がどれだけ世情の実態に沿う、現実的なものであるかもまた重要であろう。

 宍戸教授が「女系天皇」を容認する立場を鮮明にしたのに対して、「男系男子」堅持を主張する百地章・国士舘大学特任教授はペーパーで、

〈「女性宮家」の最大の問題点は、皇室と全く無縁な「民間人成年男子」が結婚を機に、突然「皇族」となって「皇室」に入ってくる危険があることである〉

 と繰り返し強調している。

 皇統を守る者を藩屏(はんぺい)という。古来、道鏡しかりラスプーチンしかり、君主の側に仕えて意のままに操る「君側の奸」に対する警戒心は、皇統・王統を守る藩屏の基本的心構えであった。

 内親王殿下のご結婚がそれと同じとは言えないが、古今東西、王族の配偶者選びが難問であるのも事実である。皇統を守るには、広い視野に立った大局的かつ現実的な議論が必要だ。

 皇位継承における女性宮家問題とリンクすると、小室圭さんのご結婚問題は更に混乱をもたらすことになりかねない。政府有識者会議の今後の議論が注目される。

デイリー新潮取材班

2021年5月18日 掲載