35歳会社員「和光市」に戸建て購入…給与減で家計破綻の危機

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日本の持ち家率は60%を超え、マイホーム購入に至る年齢は40歳前後というのが一般的。人生の折り返し地点で多額のローンを負うと、どのように返済していくことになるのでしょうか。埼玉県「和光市」に30代で分譲の一戸建てを購入した会社員を例にみていきます。

交通至便な「和光市」北口再開発に期待

埼玉県和光市の中心駅「和光市」。駅徒歩10分弱、5500万円の新築分譲一戸建てを35歳の時に購入したという会社員。妻と1男1女の4人暮らしで、長男が小学校に入学するタイミングで、戸建ての購入に踏み切った。

当初、隣の「成増」駅徒歩20分の物件と悩んだという。駅からの距離は遠いが、こちらは住所が東京都。当然、子どもが通うのは東京都の小学校になるが、「和光」を選べば子どもが通うのは埼玉県下の学校になる。どんな違いがあるのか分からないが、逆にそこが悩みの種になったとか。最終的に、駅からの距離と家のデザインで決めた。

「和光市」は東武鉄道東上線と、東京メトロ有楽町線、副都心線の駅。池袋、新宿、渋谷から横浜方面にアクセスできるほか、都心方面にもリーチできる。また何と言っても「座れる始発駅」ということは、住まい選びの際も大きな要素だったとか。

ただ自宅のある駅北側は比較的道が入り組んでいて、駅南側と比べて道路環境は劣る。現在、再開発事業が進んでいて、駅前広場が設けられるほか、駅直結の商業施設なども整備される予定だとか。

しかし駅東側に外環道、南側には新座バイパスなど、「和光市」周辺には主要幹線道路が走っていて、郊外に出るのも便利。前出の会社員も、住宅購入と同時に車も購入したという。

駅周辺を見ていくと、南口に商業施設が集積。ホテルも入る駅ビル「エキアプレミエ和光」には、使い勝手のいい20ほどのテナント。「イトーヨーカドー」「サミットストア」「サンディ」などのスーパーのほか、「マツモトキヨシ」や「トモズ」、「セイムス」などのドラッグストアも多く、ほとんどの日常品が揃う。

一方北口には、和光志木線沿いに「いなげや」がある程度で、利便性では南口に軍配があがるが、生活に困ることはない。飲食店も南口に集中するが、家族で外食する際は、もっぱら車でファミレスに行くので不便さは感じないとか。

住環境も良く、交通の利便性も高い。いまのところ申し分はないが、ローンを負担に感じているという。当初の予算は4000万円で、3000万円ほどローンを活用する予定だったが、予算アップで月々の返済も5万円強アップ。許容範囲と考えていたが、昨今のコロナ禍で残業が減り、収入も減少。我慢の日々が続いているという。

昼飯代も節約…(※写真はイメージです/PIXTA)

もし「成増」に家を買っていたら…返済額を比較

国土交通省『令和元年度住宅市場動向調査』によると、分譲一戸建て購入者の平均購入価格は3851万円で、そのうち2830万円をローンを活用してまかなっています。前出の会社員の場合、平均値より大きな買い物をした、ということになります。

■新築分譲住宅(一戸建て)購入者の平均像

・世帯平均年収 688万円

・世帯主平均年齢 36.8歳

・平均購入資金 3851万円(うちローン 2830万円)

・平均返済期間 32.7年

当初は「予算4000万円、うち3000万円はローンを活用する」予定だったということで、自己資金は1000万円。それが「5500万円、うち4500万円はローンを活用する」という結果になったということ。それぞれの場合、支払いにどのような差が生じるのか、考えていきましょう。仮にどちらも以下のような条件で借入を行ったとします。

[借入条件]

・返済方式 元利均等

・返済頻度 毎月

・当初金利 0.6%

・それ以降の金利 1.5%

・返済期間 35年

もし成増の物件に決めていたら、利息分は5,900,427円で、総支払額は35,900,427円。月々の支払いは当初5年は91,078円、5年目以降は101,453円になります。

そして和光市の物件の場合、利息分は8,850,743円で、総支払額は53,850,743万円。月々の支払いは当初5年は136,618万円5年目以降は、152,179万円になります(関連記事:『30代会社員「和光市/成増」住宅ローン返済シミュレーション』)。

ローン返済は世帯年収の20%以内が理想的、ということを考えると、前出の会社員世帯の年収は913万円程度であれば、適正額内ということになります。

厚生労働省『毎月賃金構造基本統計調査』によると、コロナ禍、第1回目の緊急事態宣言が発令された2020年4月以来、11ヵ月連続で毎月の「現金給与総額」は前年比を下回っていました。3月速報値では調査産業計で前年比プラスとなりましたが、一般労働省(パートタイムを除く労働者)に限ると、−0.3%。まだまだ厳しい状況は続きます。

前出の会社員の場合、このコロナ禍で給与収入を増やすのも難しいでしょうから、世帯収入を増やす努力や、自身で副業を行うなどして家計を補填していかないと、節約に次ぐ節約という日々からの脱却は難しいかもしれません。