主要な外食企業の2021年3月期連結決算(期末、四半期、中間含む)が出そろい、新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛や営業時間短縮で、減収減益や過去最大の赤字が相次いだ。一方、持ち帰りや宅配に対応したファストフードでは過去最高益予想や増収増益となるなど、好調不調が二極化した。


 3月期末決算企業では、牛丼チェーン大手の松屋フーズホールディングス(HD)は純損益が24億円の赤字だった。過去最大で、赤字転落は14年ぶり。時短や酒類提供自粛が響いた。居酒屋チェーン大手のコロワイドも過去最大の赤字だった。緊急事態宣言に伴う時短が響いた。ワタミは自己資本比率が7%まで落ち込み、日本政策投資銀行に120億円の優先株出資を要請中と表明。資金支援を受け、業態転換を急ぐ。

 モスフードサービスと日本KFCHDは持ち帰りが好調でコロナ下で増収増益だった。

 3月中間決算企業では、回転ずし「スシロー」などを展開するフード&ライフカンパニーズは、売上高に当たる売り上げ収益が10・1%増の1190億円、純利益が53・6%増の78億円と、いずれも中間期として過去最高だった。時短を持ち帰りなどで補い、内外の積極出店が好循環を生んだ。9月期業績予想は売り上げ、純利益とも過去最高を見込む。

 3月第1四半期決算企業では、前期の営業利益が過去最高だった日本マクドナルドHDが増収増益で、好調を維持した。一方、「ロイヤルホスト」を傘下に持つファミリーレストラン大手のロイヤルHD、「ガスト」や「バーミヤン」を傘下に持つすかいらーくグループは減収減益だった。